地域型保育事業とは?4つの事業|認可基準や連携施設をわかりやすく解説!

地域型保育事業のイメージ
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保育のさまざまな問題を解決するためにスタートした「地域型保育事業」。この取り組みは、保育園の運営側はもちろん、利用者にもメリットのある制度です。この記事では、地域型保育事業の4つの事業や、連携施設についてわかりやすく解説します。

地域型保育事業とは?

地域型保育事業は、2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」のひとつです。この事業の開始により、小規模保育園や企業内保育園などが市町村の認可を受けて運営できるようになりました。
地域型保育事業の対象となる子どもは、0~2歳児です。今まで都市部の狭い保育園や園庭のない保育園など、認可基準を満たさず補助金を受けられない施設が多くありました。しかし、地域型保育事業の新たな基準を満たすことで、補助金を受けられる保育園が増えました。
この取り組みのおかげで、事業者は市町村から認可を受け、補助金を受給しながら保育ビジネスを始められます。また、利用者は待機児童に悩むことなく、家庭のニーズに合った預け先を選べるため、両者にとってメリットのある事業といえるでしょう。

地域型保育事業の4つの種類とその基準

地域型保育事業には、4つの事業があります。ここからは、それぞれの事業の概要を解説します。

小規模保育事業

小規模保育事業の認可定員は6~19人です。小規模保育事業には、保育園の分園として運営する「A型」、中間的な「B型」、家庭的な「C型」の3類型があります。

小規模保育事業

事業主体

市町村/民間事業者等

実施場所

保育者の自宅や施設

職員基準

A型/保育所配置基準+1(保育士)

B型/保育所配置基準+1(1/2以上が保育士)

C型/3:1(家庭的保育者)

家庭的保育事業

家庭的保育事業の認可定員は1~5人です。職員資格は「家庭的保育者」となっており、市町村長がおこなう研修を修了した者が従事できます。

家庭的保育事業

事業主体

市町村/民間事業者等

実施場所

保育者の自宅や施設

職員基準

3:1(家庭的保育者)

事業所内保育事業

事業所で働く従業員の子どもを保育します。そのほか、地域枠として事業所を構える地域の子どもを保育することもあります。

事業所内保育事業

事業主体

事業所等

実施場所

事業所内や施設

職員基準

定員20人以上/保育所基準と同様

定員19人以下/小規模保育事業A/Bと同様

委託訪問型保育事業

保育を必要とする子どもの自宅に保育者が向かい、保育を提供する事業です。基本的には、障がいなど個別ケアが必要な子どもを1対1で保育します。

委託訪問型保育事業

事業主体

市町村/民間事業者等

実施場所

保育を求める子どもの自宅

職員基準

1:1(必要な研修を修了し、保育士や保育士と同等以上の知識および経験を有すると市町村長が認めるもの)

地域型保育事業に欠かせない連携施設とは?

地域型保育事業の対象は0~2歳児のため、在園している子どもは3歳児になるとほかの施設に転園しなければなりません。そこで欠かせないのが「連携施設」です。連携施設とは、子どもが卒園したあとの受け皿となる保育園のことです。
地域型保育事業の認可を受けるためには、連携施設を設ける必要があります。保護者が慌てて探したり、卒園後に待機児童になったりしないよう、あらかじめ事業者が探しておくよう求められています。
また、連携施設は卒園後の受け皿としてだけでなく、以下のような支援もおこないます。
・給食搬入
・嘱託医支援
・行事の参加
・合同保育
・園庭開放
なお、連携施設が見つからない場合は、特例措置として保育の延長が認められています。

地域型保育事業を運営するポイント

地域型保育事業に認可されると「地域型保育給付」を受けられるようになります。ここからは、給付を受けるために必要なポイントを解説します。

給付を受ける施設・事業者

小規模保育や家庭的保育をおこなう施設・事業者は、市町村から受ける「確認」が必要です。それぞれ、利用定員を定めたうえで確認がおこなわれ、基準を満たすことで給付を受けられます。なお、地域型保育事業の管轄は市町村ですが、認可基準は国によって定められています。基準を満たしているか、その後の監査や許可は市町村が担います。

守るべき運営基準の概要

市町村の確認を受けるため、施設や事業者が遵守すべき主なポイントは以下のとおりです。
・利用開始に伴う基準
・教育・保育の提供に伴う基準
・管理運営に関する基準
・撤退時の基準
「定員を上回る申し込みがあったら?」「利用者負担の徴収はどの程度?」など、さまざまな項目を決定・遵守します。

まとめ

この記事では、地域型保育事業について解説しました。この事業は、待機児童の解消はもちろん、さまざまな保育ニーズに細かく対応できるものです。
「会社内に従業員用の保育園を設置しよう」「保育士の資格を活かして家庭的保育事業を始めよう」などと考える施設・事業者も、給付を受けられることにより少しハードルが下がると考えられます。地域型保育事業は、事業者・利用者どちらにとってもメリットのある取り組みといえるでしょう。
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