閉じる児童相談所とは？役割や相談の流れ他の施設との違いまで徹底解説
児童相談所は子どもの権利を守るために、設置されています。今回は、児童相談所の役割や具体的な通報や相談後の流れについて解説します。児童相談所と類似施設との違いについても紹介しているので参考にしてください。
児童相談所とは
児童相談所は、児童福祉法によって各自治体への設置が定められています。
児童福祉司・児童心理司・医師・保健師などの専門の知識を持った職員が働いています。
18歳未満の子どもの権利を守る目的がある
原則、0歳から18歳未満の子どもに関する相談を受けるのが児童相談所です。子どもからの相談以外に、家族や地域住人、施設等からの相談を受け付けています。18歳未満の子どもの権利を守るために、適切な支援をおこなうのが児童相談所の目的です。
児童相談所の役割とは
児童相談所には、次の４つの役割があります。
1.市町村援助機能
市町村からの子どもの家庭への相談対応についての助言、市町村の間の連絡調整や情報提供などをおこないます。
2.相談機能
子育てや子どもの成長や健康、非行などのあらゆる悩みごとや通告に応じて、専門的な観点からの調査や診断、判定をおこないます。
3.一時保護機能
相談や通告によっては、子どもを家庭から話す必要があります。そうした場合には、一時保護をおこないます。
4.措置機能
児童福祉司、児童委員などによって子どもやその家族の指導をおこないます。子どもに必要だと判断された場合には、児童福祉施設や養育家庭で一定期間の入所など、子どもを保護します。
通報や相談後の流れについて
次に、通報や相談を受けた後の児童相談所の動きについて解説します。
児童相談所が行うこと
まず、児童相談所は直接訪問や電話で相談を受け付けます。その相談内容を受けて、受理会議を開き、個々の状況に合わせて調査・一時保護・各種診断をおこないます。援助の方針を会議で決めた後に、援助を実行する流れになります。
【相談内容の例】
・大人から虐待が疑われる子どもがいる
・保護者が病気や死亡などにより、子育てが難しくなった
・子どもの発達が気になる
・いじめられている、不登校である
・薬物や性的いらずらなどの習慣がある
・里親制度で子どもを家庭に迎えたい など
虐待対応の場合の対応
児童虐待が疑われる場合には、子どもの命を守ることを第一目的とします。そのため、事実が疑わしい場合には、一時保護をおこないます。一時保護をしている間に、親への調査や子どもの様子観察をし、より確実な情報の収集をすることができます。
また、必要に応じて家庭への立ち入り調査をすることもあります。
児童相談所は各種機関と連携している
児童相談所は、各種機関とも連携しています。警察や学校、児童福祉施設、家庭裁判所など様々な機関と連携をしながら、子どもや家庭へ適切な援助をおこなっています。
児童相談所への緊急電話番号は189
児童相談所虐待対応ダイヤルの番号は「189」です。この番号は、すぐに児童相談所へ電話がかかるので、早く通告や相談ができます。全国共通の番号になっています。
児童相談所と他の施設の違い
では最後に、児童相談所と類似の施設との違いについて解説します。
児童相談所と青少年センターの違いは何ですか？
児童相談所と青少年相談センターは、どちらも育児相談に応じています。
違いとしては、児童相談所が0歳から18歳未満の児童が対象で、青少年相談センターは15歳から39歳の青少年が対象であることです。また相談内容は、児童相談所が子どもの成長や健康などに加えて非行や虐待の相談を受けるのに対し、青少年相談センターは家出や家庭内暴力、ひきこもりや不登校などの相談を中心に受けています。
児童相談所と子ども家庭支援センターの違いは何ですか？
児童相談所と子ども家庭支援センターは、どちらも育児相談に応じています。
違いとしては、児童相談所が虐待や法的権限や高度な専門性が必要な相談を受け付ける機関なのに対し、子ども家庭支援センターは地域の妊産婦や子育て世代に対して、健康の保持や育児支援などを行います。子ども家庭支援センターは、児童相談所の補完することを目的としています。
児童相談所と福祉事務所の違いは何ですか？
児童相談所と福祉事務所は、どちらも育児相談に応じています。
違いとしては、児童相談所は0歳から18歳未満の子どもの養育相談や児童虐待などの相談対応なのに対して、福祉事務所は生活保護、児童及び障害者など、福祉に関する相談に対応する機関です。
児童相談所は子どもの権利を守るための機関
今回は、児童相談所の機能について紹介しました。児童相談所は、子どもの権利を守るために子どもや家族などの相談や援助をおこなう機関です。近年は、特に子どもの虐待に関する相談が多く、専門的な知識だけでなく、他の機関とも連携しながら対応にあたっています。
まずは子の家庭をめぐる様々な問題を早期発見すること、そしてきめ細やかな支援をするために児童相談所は重要な役目を担っています。
