子ども誰でも通園制度とは?制度のメリット・デメリットを徹底解説

見つめ合って微笑んでいる家族
バナー広告

子ども誰でも通園制度とは?目的や具体的な内容を解説

子ども誰でも通園制度とは、保育園等に通っていない未就労家庭の子どもも保育施設に預けることができる制度です。
保育園に預けるには、保護者が働いている・保育の必要性があると認定された家庭のみが利用することができますが、この制度では親が働いていなくても月に一定時間まで保育施設に子どもを預けることができます。
令和8年度からの本格的な始動を前に、令和6年度から試験的に子ども誰でも通園制度のモデル事業がスタート。現場で働く保育士さん達にとっても大きな変化をもたらす制度だと思うので、子ども誰でも通園制度を開始することの目的や、制度の具体的な内容を紹介していきます。

目的

◯集団生活の中で家庭とは違った経験ができる
◯親の育児負担の軽減や孤立感の解消に繋げる
子ども誰でも通園制度が打ち出されたのは、0~2歳児の子育て家庭の約6割が「孤立した育児」の中で不安や悩みを抱えていることが背景にあります。
全ての子どもの成育環境・保護者の多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化することが大きな目的です。

具体的な内容

◯対象年齢:生後6か月〜2歳までの未就園児
◯利用条件:就労要件に問わず時間単位で利用可能
◯利用時間:上限月10時間/1人あたり
◯利用方法:市町村や事業所により異なる
◯対象施設:保育所・認定保育園・幼稚園・地域子育て支援拠点・児童発達支援センターなど
◯利用料金:市町村や事業所により異なる
◯モデル事業:こども家庭庁HP「実施自治体一覧」

子ども誰でも通園制度と一時預かりの違いとは?

子ども誰でも通園制度は、就労要件にかかわらず時間単位で利用可能ということで、一時預かり(一時保育)と何が違うのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか?
まず一時預かり(一時保育)は、家庭で一時的に保育が困難となった乳児又は幼児を一時的に預かることを目的としているので、保護者の立場から必要な時に利用する制度になります。
そして子ども誰でも通園制度は、保育園に通っていない生後6か月〜2歳の子どものよりよい発達や成長を促し、保護者の孤独を解消することを目的としているのがこの制度の特徴です。
一時的に子どもを預かるという点では同じですが、利用する目的や制度の意義が異なることが、子ども誰でも通園制度と一時預かり(一時保育)の大きな違いになります。

子ども誰でも通園制度のメリット


保育士不足が叫ばれている中で、なぜ子ども誰でも通園制度が設けられたのかを理解するためにも、この制度のメリットを確認していきましょう。

①子どもの心身の発達が期待できる

子ども誰でも通園制度では、今まで保育園に通っていなかった家庭保育の子どもたちも、育ちに適した人的・物的・空間的環境の中で、保育園ならではの体験や経験をすることができます。
専門的な知識をもつ保育士さんならではの遊びで年齢に合った発達を促したり、お友達との関わり合いの中で物・人への興味が広がり、家庭だけの環境とは違った様々な発達が期待できます。
子どもの社会性は、親だけではなく保育士さんやお友達といった関わり合いの中で育まれるので、この様な環境がすべての子どもに与えられるのは喜ばしいことですね。

②育児相談ができ孤独な子育てを防ぐことができる

家庭保育を行う保護者は、孤立や不安を抱えながら子育てを行っていることも多く、保育士さんのように専門的な知識を持った人との関わりにより、孤立感や不安感の解消に繋がります。
保護者の中には、「子どもの良いところを褒めてあげる余裕がない…」「どんな遊びができるのかわからない」「気になる行動をどうしたらいいの?」といった悩みを抱えたり、ネットの情報に振り回されているというケースも少なくありません。
そこで、保育士さんの目線からお子さんの良いところや、年齢に合った遊び・気になる行動に対する声掛けなど、専門的なアドバイスを受け取ることで、安心感や子どもの成長の過程と発達の現状を客観的に捉えることができるようになります。
このように、保護者も様々な情報や人との繋がりが広がることで、子育てをより一層楽しく感じてくれると嬉しいですね。

③親もリフレッシュできて心に余裕が生まれる

家庭保育ではワンオペになってしまうケースが多く、いっぱいいっぱいという保護者の方は少なくないのではないでしょうか。
子ども誰でも通園制度を利用することで、保育士さんから子どもの成長や保護者自身への温かい言葉をかけてもらう機会が増え、保護者の自信や喜びに繋がることが期待できます。
また、子どもと離れる時間を作り自分のための時間を過ごすことで、育児に関する負担感の軽減にも繋がります。保護者がリフレッシュすることで、子どもへの接し方に変化が現れたり、純粋に育児を楽しめるようになるなど、親子にとって良い方向に向かっていくといいですね。

子ども誰でも通園制度のデメリットはとにかく保育士が足りない

子ども誰でも通園制度は家庭保育の親子にとても良い制度ですが、保育士不足が叫ばれる中で保育士さんにとっては業務負担が増える可能性があります。
保育士の配置基準ギリギリという保育園が多い中で、現状のままでは保育士さんの負担ばかりが増えてしまうことが懸念されるので、保育士を増やすことが急務ではないでしょうか。
子ども誰でも通園制度のお子さんは毎日通うわけではないので、子どもが慣れるまで1人の保育士さんがつきっきりになることも想定できます。そうすると、在園児への対応が散漫になる可能性もあるので、どこかに皺寄せがいかないように保育園全体だけでなく、自治体を巻き込んで対応してもらいたいですね。

まとめ

子ども誰でも通園制度について詳しく紹介いたしました。家庭保育を行う親子にとって大きなメリットのある良い制度であることが分かりましたが、その反面保育士不足が大きな課題になりそうです。
子どもの育ちにとって意義のある制度なので、保育士さん達が働きやすい環境も整えて本格スタートをしてもらいたいと思います。
保育士・幼稚園教諭・保育教諭などの就職・転職をお考えの方は、ぜひ保育士ワーカーにご相談ください!
電話で相談バナー