【保育】受容遊びとは?具体的な例や幼児期の遊びの重要性を解説!

絵本を読む女の子と女性
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子どもの遊びには、ごっこ遊びや受容遊びなどさまざまな種類があります。発達によってその内容は変わっていき、子ども達は遊びながら多くの力を養います。本人の意欲も大切ですが、学びには保育士の環境構成も欠かせません。この記事では、なかでも関わり方が難しい「受容遊び」の具体的な例や注意点を解説します。

子どもの遊びは発達段階に沿って発展する!

水彩絵の具で描く幼児
子ども達の遊びは、身体や脳の発達に沿ってどんどん発展していきます。今回注目する「受容遊び」は、保育士からの絵本の読み聞かせやビデオ鑑賞など、その名の通り「受け入れて取り込む」遊びです。そのほか、遊びには以下のような種類があります。

感覚遊び

五感を使って見たり触れたりすることを楽しむ遊び

 例:水/砂/泥/粘土/絵の具など

運動遊び

機能遊びとも呼ばれる手足や全身を使って運動を楽しむ遊び

 例:歩く/走る/跳ぶ/転がる/遊具遊びなど

受容遊び

見たり聞いたりしたものを覚えたり真似したりする遊び

 例:絵本/テレビ/ビデオ/音楽など

構成遊び

創造遊びとも呼ばれる手指を使って形を組み立てる遊び

 例:粘土/ブロック/積み木/折り紙/お絵描きなど

模倣遊び

象徴遊びとも呼ばれる大人の真似を楽しむ遊び

 例:つもり遊び/見立て遊び/ごっこ遊びなど

ルールのある遊び

決まったルールを守り共通の目的を持って楽しむ遊び

 例:鬼ごっこ/かくれんぼ/ハンカチ落としなど

受容遊びとは?例えばどんな遊び?

絵本を読む男児
受容遊びは、お砂場で楽しむ感触遊びや、ボールを使った運動遊びのように、子ども自らが身体を使う遊びとは異なります。子どもは座った状態で、目や耳に情報を入れて「受容」するのが受容遊びです。具体的には、主に以下のような種類があります。

絵本や紙芝居の読み聞かせ

絵本や紙芝居の読み聞かせは、大人が読み上げる物語を耳で聞き、イラストを目で見て楽しみます。知らなかった言葉を聞いて覚えたり、物語に対して「どうなるの?」と創造力を働かせたりしながら楽しみます。

パネルシアターやエプロンシアターなどの観覧

保育園で楽しむシアター系の出し物も、受容遊びのひとつです。絵本とは異なり、大きな舞台で物語が繰り広げられるため、子どもの感情を揺さぶります。音楽を聞いてリズムに乗るなど、耳から得た情報をありのままに受容します。

テレビや映画の視聴

テレビアニメや映画などを視聴するなかで、見聞きしたセリフを真似することも受容といいます。自分の知らない世界を知れる、現実ではない生活を体験できるという特徴があります。昨今は、YouTubeなどネット動画の視聴が流行しています。

受容遊びがもたらす効果

タブレットを眺める母娘
受容遊びには、以下のような効果が期待できます。

理解力を伸ばす

絵本やテレビなど、目で見て耳で聞いた言葉を自分なりに考え、理解しようとする力が身に付きます。意味を理解できない言葉があっても、イラストや前後の流れからその意味を理解しようとします。

想像力を刺激する

物語や音楽を受容しているうちに、想像力が豊かになります。耳で聞いた事柄に対して頭でそのシーンを思い浮かべたり、まだ見ぬ続きを考えたり…。そのうち、人の気持ちを想像する力にもつながっていきます。

語彙力を増やす

テレビやビデオを視聴しているうちに、知らなかった言葉を知ることができます。自分が経験していないことを知り、好奇心が刺激されるのも大きなポイントです。ただ面白いという理由で、意味も分からずテレビで知ったフレーズを使う子ども少なくありません。

集中力を高める

さまざまな情報を見聞きし続けるうちに、集中力が高まるという効果も期待できます。その内容がおもしろいほど、集中する時間は長くなります。

偏った受容遊びの注意点

スマホを扱う子ども
意図を持っておこなう受容遊びは、さまざまな効果が期待できます。しかし、いきすぎた「受容」には注意が必要です。

動画やテレビの見過ぎで視力が低下する

「子どもが集中しているから」「子どもが喜んでいるから」と、動画やテレビを長時間にわたって見続けると視力が低下する恐れがあります。視聴時間の制限はもちろん、部屋を明るくしたり画面から離れたりするなどの環境構成も大切です。

コミュニケーション能力が低下する

動画や音楽をただ楽しみ続けるだけでは、他者との関わりが希薄になってしまうかもしれません。見聞きしたものを自分のなかに取り入れ、その内容を大人やお友達と共有することでコミュニケーション能力を培えます。

運動遊びなどの機会が減少する

さまざまな効果のある受容遊びですが、おもしろい映像に夢中になりすぎてしまうと、ほかの遊びに興味を持てなくなる可能性があります。運動遊びや模倣遊びなど、子どもには発達に合わせた遊びが欠かせません。バランス良く遊べるように関わりたいですね。

子どもにとって遊びとは

野外でボール遊びをする男児
子どもにとって遊びとは、心身の成長に欠かせないもの。時間を忘れて夢中になれる、とても大切な活動です。保育士は、子どもの興味・関心が広がるように環境構成を考えたり、思考力や語彙力を促すために声かけをしたりします。子どもの遊び心を刺激するためにも、保育士自身が遊びの天才でありたいものです。

まとめ

この記事では、子どもの「受容遊び」について解説しました。絵本やテレビなど、目や耳で楽しむ受容遊びは、思考力や語彙力などが向上する効果が期待できます。子どもの発達を意識して、ねらいを持って取り入れたいですね。
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