閉じる保育にフルーツバスケットを取り入れよう！導入からアレンジまで解説
ルールのある遊びとして取り入れやすい「フルーツバスケット」。雨の日など、外で遊べないときにピッタリの遊びです。しかし、簡単そうに見えて子どもへの説明が難しく、進行がグダグダになってしまうことも少なくありません。そこでこの記事では、フルーツバスケットの基本的なルールや、子ども達への説明方法をご紹介します。また、フルーツバスケットのアレンジや注意点も解説しますので参考にしてください。
保育にフルーツバスケットを取り入れよう！
簡単な集団遊びとしておすすめのフルーツバスケットは、4～5歳児の活動にピッタリです。ルールを工夫すれば、3歳児でも楽しめます。また、アレンジを加えることで長く楽しめるのもうれしいポイント。フルーツバスケットを通して学べることも多いため、ぜひ保育に取り入れてみましょう！ここからは、フルーツバスケットを取り入れるねらいや実施に向けた準備、基本的なルールについて解説します。
指導案に記載するねらい
設定保育にフルーツバスケットを取り入れる際は、まず指導案を作成しましょう。指導案に記載するフルーツバスケットのねらいの例は以下のとおりです。
・簡単なルールのある遊びにチャレンジする
・集団遊びのなかでお友達との関わりを楽しむ
・お友達の前で発表する機会を通して表現力を培う
年齢に合ったねらいを設定しましょう。
フルーツバスケットを始める前の準備
フルーツバスケットには、以下の準備が必要です。
・子どもの人数に合った広い部屋の確保
・室内の安全確認
・子どもの人数に合った椅子
椅子は内側に向けて円になるように並べます。座れなかった人が鬼になるよう、人数よりも椅子をひとつ少なくしておきましょう。
フルーツバスケットの基本的なルール
フルーツバスケットは、果物の名前ごとにグループを作って遊びます。クラスの人数にもよりますが、3～4人ずつ「りんご」「ばなな」「みかん」などのグループを作りましょう。
1、子ども達はそれぞれ好きな椅子に座り、鬼は円の中心に立つ
2、鬼は果物をひとつ選び、みんなに聞こえるように大きな声で伝える
3、呼ばれたグループの子どもは違う椅子に移動する
4、鬼は空いた椅子に座り、座れなかった子どもが鬼として円の中心に立つ
5、鬼はまた違う果物を選び、移動を繰り返す
上記が基本的なフルーツバスケットのルールです。なお、鬼が「フルーツバスケット！」と言ったときは、グループに関係なく全員が違う椅子に移動します。
子どもに簡単に説明する方法
子ども達にとって、初めておこなうフルーツバスケットのルールは少し難しいものです。そのため、保育士が見本を見せたり、ぬいぐるみを椅子に置いたりしながら説明するのがおすすめです。また、以下のような簡単な言葉を使ってわかりやすく伝えましょう。
みんな自分の果物の名前を覚えたかな？真ん中に立っている鬼さんが、どれかひとつ果物を選ぶよ。選ばれたグループのお友達は、座っている椅子から立って違う椅子に移動するよ。呼ばれていないお友達は座ったままでいいからね。鬼さんは、空いた椅子に急いで座るよ。違う椅子に移動したときに、座れなかったお友達は次の鬼さんになるからね。
言葉だけでは伝わりにくい部分が多いため、実際にやって見せることが大切です。
フルーツバスケットのアレンジ
ここからは「基本のフルーツバスケットでは難しすぎる」「そろそろ基本的なルールでは飽きてきた」というクラスに向けて、フルーツバスケットのアレンジをご紹介します。
人数分の椅子を用意して移動に慣れる
基本的なルールが難しい場合は、まずは人数分の椅子を用意して移動に慣れるところから始めてみましょう。保育士が指示役となり、子ども達は椅子から椅子への移動を繰り返します。「次は私の果物が呼ばれるかな？」「どこの椅子に座ろうかな？」など、ワクワクしながら楽しめますよ。
フルーツカードやメダルを活用する
慣れないうちは、自分の果物を忘れてしまう子どもも少なくありません。また、円の中心に立つと、緊張してどの果物を呼ぼうか迷ってしまうことも。そこで便利なアレンジが、フルーツカードやメダルの活用です。果物のイラストを描いたカードやメダルを持っておくと、視覚的にわかりやすくなりますよ。
フルーツ以外の分類も試してみる
基本的なフルーツバスケットに慣れてきたら、果物以外のグループを作って遊ぶのもおすすめです。
・【野菜】きゅうり／にんじん／たまねぎ／ほうれんそうなど
・【色】あか／あお／きいろ／みどりなど
・【動物】いぬ／ねこ／うさぎ／ぱんだなど
・【花】ちゅーりっぷ／さくら／たんぽぽ／ばらなど
子ども達の興味・関心に合わせてアレンジしてみましょう。
なんでもバスケットにチャレンジする
4～5歳児のアレンジにおすすめなのが、なんでもバスケットです。決まったグループを呼ぶのではなく「朝ご飯にパンを食べた人」「髪の毛を結んでいる人」など、思いついたお題を言って、当てはまる人のみ移動します。自分で考えて大きな声で発表する経験は、子ども達の成長につながります。
フルーツバスケットを保育に取り入れるときの注意点
フルーツバスケットを保育に取り入れるときは、以下のようなポイントに注意しましょう。
慣れるまでは保育士主体でおこなう
ルールを説明したり見本を見せたりしても、慣れるまでは難しいものです。しばらくは、保育者が鬼を繰り返したり、鬼の側に寄り添って遊びを誘導したりするなど、保育士主体でおこなうようにしましょう。
移動時の衝突や転倒に注意する
「早く椅子に座らないと！」と慌てている子ども達は、どうしても急ぎ足になってしまいます。そのため、周りが見えず子ども同士で衝突したり転倒したりすることも。密集しないように椅子の間隔を広く取ったり、走らないよう声をかけたりして安全に遊べるようにしたいですね。
迷っている子どもには個別に声をかける
いざ鬼になると、どの果物の名前を呼ぼうか迷ってしまうもの。とくに「なんでもバスケット」は、すぐにお題が思いつきません。迷っている子どもがいる場合は、個別に声をかけてあげましょう。
こんなときどうする？フルーツバスケットQ＆A
実際に子ども達と遊んでみると、さまざまなトラブルがあります。そこでここからは、フルーツバスケットで遊ぶときの困りごとをご紹介します。
鬼になりたがる子が多い
鬼になりたがり、わざと椅子に座ろうとしない子どもが多いと大変ですよね。鬼が連続する場合はくじで決めたり、なりたい子どもと交代したりしても良いでしょう。反対に、鬼になりたくない子どもも少なくありません。どちらにしても、あらかじめ「鬼は1回」などと決めておくと安心です。
終わり方が分からず間延びしてしまう
フルーツバスケットは、次々鬼が交代していくため終わりがありません。せっかくの楽しい遊びも、ダラダラ続けると間延びしてしまいます。「鬼が10回交代したら終わり」「長い針が〇になったら終わり」など、わかりやすく終わり方を決めておくと良いでしょう。
鬼役が恥ずかしくてお題を言えない
鬼になると、みんなからの視線を浴びて緊張してしまいます。あまりの恥ずかしさからお題が言えなくなることも。そのような場合は、保育士が一緒に言ったり、代弁したりしても良いでしょう。このとき、周囲の聞く側の態度にも注意したいですね。
まとめ
この記事では、フルーツバスケットの遊び方について解説しました。フルーツバスケットのルールは少し複雑ですが、慣れてしまえば「もう一回！」「もっと遊びたい！」など子ども達が盛り上がる遊びです。ぜひ取り入れてみてくださいね。
