絵本の読み聞かせ指導案の書き方は?ねらい・内容・環境構成・幼児の姿

絵本の読み聞かせ
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保育園の活動で欠かせない「絵本の読み聞かせ」。子ども達が落ち着いて物語を楽しめるよう、指導案の作成が必要です。しかし、慣れていない新米保育士や保育実習生は、指導案の書き方に悩んでいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、絵本の読み聞かせに焦点を当てた指導案の書き方を徹底解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

保育に絵本の読み聞かせを取り入れよう!

絵本の読み聞かせは、想像力や語彙力の向上など、子どもの発達に大きな影響を与えます。また、日々の読み聞かせは子どもとのコミュニケーションの時間としても欠かせません。ちょっとした空き時間に読めたり、季節感を得られたりするのもうれしいポイントです。指導案の作成は大変ですが、積極的に絵本の読み聞かせを取り入れてみましょう!

絵本の読み聞かせをおこなうための準備

絵本の読み聞かせをおこなう前に、以下のような準備が必要です。
1、絵本を読み聞かせる時間を決める
2、どの絵本を読み聞かせるか選ぶ
3、絵本の導入方法を考える
4、絵本を読み聞かせるための指導案を作成する
ここからは、それぞれの流れで意識したいポイントを解説します。

絵本を読み聞かせる時間を決める

まずは、どの時間に絵本を読み聞かせるか考えましょう。朝の会、主活動の導入、お昼寝前、お昼寝後、帰りの会など、絵本を読み聞かせるタイミングはさまざまです。

どの絵本を読み聞かせるか選ぶ

次に、読み聞かせる絵本を選びます。子どもの年齢や読み聞かせる場面、季節感を意識して選びましょう。また、最近どんな絵本を読み聞かせたか確認し、連日同じ絵本が続かないように注意しましょう。

絵本の導入方法を考える

絵本を読み聞かせるときは、どのように子ども達を集中させるか導入の検討も欠かせません。絵本の内容とリンクした手遊びや、季節感のある手遊びの導入がおすすめです。

絵本を読み聞かせるための指導案を作成する

設定が決まったら、指導案を作成します。保育学生の場合は、担当保育士によるチェックが必要なため、実際に読み聞かせをおこなう数日前には作成しておきましょう。また、保育園によっては指定の指導案様式があるため確認しておきましょう。

絵本の指導案を作成しよう!

大まかな流れが決まったら、実施期日までに指導案を作成しましょう。指導案の様式は各保育園によって異なりますが、おもに以下のような記載事項があります。
・日付や人数などの基本項目
・絵本を読み聞かせるねらい
・導入から活動終了までの目安となる時間
・保育者や子ども達の位置を確認する環境構成
・予想される子どもの動き
・保育者や実習生の配慮や援助
ここからは、それぞれのポイントを解説します。

基本項目

まずは、読み聞かせをおこなう日付やクラスの人数、準備物などの基本項目を記載します。準備物は、使用する絵本や保育者が座る椅子などです。導入にペープサートなどが必要な場合は、その旨も記載しておきましょう。

ねらい

絵本を読み聞かせるねらいには、以下のようなものがあります。
・保育者やお友達と絵本の楽しさを味わう
・読み聞かせのなかで想像力を育む
・物語にでてくる言葉に触れて語彙力を高める
・子どもの好奇心を刺激する
・保育者とのコミュニケーションを楽しむ
読み聞かせをおこなう年齢に合ったものを記載しましょう。

時間

指導案には、行動の目安となる時間を記載します。実習生は、見学実習のときに読み聞かせにかかる時間を確認しておきましょう。なお、指導案には、前の活動を終了するところから次の活動に移るまでを記載します。
・〇:〇〇 手洗い・排泄
・〇:〇〇 手遊び「〇〇〇」
・〇:〇〇 絵本「〇〇〇」
・〇:〇〇 製作の準備
読み聞かせる絵本の長さにもよりますが、導入も合わせて15~20分はかかると考えておくとよいでしょう。

環境構成

環境構成とは、活動に必要な準備や環境のことを指します。絵本の読み聞かせでいうと、保育者や子ども達の座る位置や、ピアノや小道具の置き場所などのことです。
・椅子を用意してピアノの前に置く
・カーテンを閉めて電気をつける
・子ども達が座るマットを用意する
・手遊びに使用するパネルを用意する
何も知らない補助の先生がクラスに入っても、指導案を見るだけで準備するものや配置が分かるように丁寧に記載します。なお、室内の図を描き加えるとき、線は定規を使用しましょう。

予想される子どもの活動

予想される子どもの活動の部分には、子どもがどのような動きをするか、どのような反応を見せるか考えて記載します。
・保育者の椅子の周りに集まって座る
・気の合うお友達の側に座りたくて移動する子どもがいる
・保育者の手遊びに合わせて歌を歌う
・絵本が始まると集中して楽しむ
・絵本の登場人物について感じたことを口々に話す
ここに記載する内容は、普段の子ども達の様子などから予想します。読み聞かせ中の発言が多い子どもがいる場合は、その旨を記載して「配慮・援助」の部分で対応を明記します。

保育者の配慮・援助

保育者の配慮・援助の部分には、意識したい行動や声かけのポイントを記します。
・排泄が済んでいるか個別に声をかけていく
・保育者の周りに座るよう声をかける
・なかなかな場所が決まらない子どもには、保育者の側で座るよう声をかける
・絵本が見えているか端に座る子どもに確認をする
・子どもの発言で読み聞かせを止めず目で合図して応える
絵本の読み聞かせが終わったあとは、次の活動に期待感を持たせられるようにします。

年齢別!絵本の指導案を書くときのポイント

一言に「絵本の読み聞かせ」といっても、年齢によって指導案の内容も異なります。ここからは、年齢別の指導案の作成ポイントを解説します。

0歳児

0歳児は、まだまだ集中して話を聞くことができません。そのため、語彙力や表現力といったねらいではなく、保育者とのスキンシップを楽しむために読み聞かせをおこないます。指導案には「保育者の膝に座る」など、関わりを意識した内容を記載しましょう。また、0歳児には「絵本の読み聞かせは楽しい時間」と思ってもらえるよう、擬音語や擬態語の多いリズミカルな絵本を選ぶことが大切です。

1歳児

1歳児にストーリー性のある絵本は難しいものの、絵やくり返しの言葉を楽しめるようになります。しかし、まだまだ長時間集中することが難しく、ときには隣のお友だちを引っかくトラブルも。子ども達の動きにすぐに反応できるよう保育者の位置を検討し、環境構成に記載しておきましょう。

2歳児

少しずつ言葉で気持ちを伝えられるようになる2歳児には、身近な言葉を使用した絵本がおすすめです。また、読み聞かせ中に気になったことをすぐに口にしてしまうのも2歳児の特徴のひとつ。子ども達の発言にどのように対応するか、保育者の配慮・援助の部分に記載しておきましょう。

3歳児

絵本の読み聞かせを楽しみする3歳児さんは、好奇心も旺盛!同じ絵本が続くと「これ知ってる~」などと言われることもあるため、絵本選びには注意しましょう。また、集中力に個人差があり、長かったり難しかったりする物語は途中で飽きてしまう子どもも少なくありません。クラス全体に目を配れるように対策を考えておきましょう。

4歳児

4歳児になると、絵本の好みがハッキリしている子どもが増えてきます。お友達に対しても同じで「〇〇ちゃんと隣に座りたい」など、座る場所についてトラブルが起きることも。どこまで子どもに任せ、言い合いになったときはどうするのか…。どのような声かけをおこなうか、事前に指導案に記載しておきましょう。

5歳児

5歳児は、絵本から学ぶことが多くなります。ときには、季節に合わせた絵本の読み聞かせで、行事の由来を伝えることも。また、絵本の内容を深く理解し、それぞれ感じることが多くなります。読み終わったあとにクイズを出すなど、読み聞かせから発展させるような内容を考えて指導案を作成するのもおすすめです。

絵本を読み聞かせるときのポイント

絵本を読み聞かせるときは、以下のようなポイントに注意しましょう。
・絵本は年齢や季節に合ったものを選ぶ
・絵本は子どもが見やすい高さ&角度で持つ
・持っている手で絵本を隠さないよう注意する
・内容は事前に確認しておき間違えずに読めるようにする
・適度な抑揚で絵本の世界観を伝える
・物語の余韻を楽しめるようにする
絵本を読み聞かせるときは、表紙から裏表紙まで丁寧に見せましょう。絵本によっては、裏表紙に物語の続きとなる一コマが描かれていることもあります。子ども達の想像力を刺激できるよう、しっかり裏表紙まで見せられるよう意識したいですね。

まとめ

この記事では、絵本の読み聞かせをおこなうときの指導案について解説しました。計画を立てずに読み聞かせをおこなうと「絵本が年齢に合わず途中で飽きてしまった」「座る位置が悪くて絵本が見えなかった」など、子ども達まで困ってしまいます。より良い保育を提供できるよう、指導案をしっかり作成して万全の状態で挑みたいですね。
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