平行(並行)遊びとは?何歳から?一人遊びとの違いや具体的な例を解説
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子どもの遊びは、成長と共に変化していきます。遊びの段階のひとつ「平行遊び」は、一緒に遊んでいるように見えて、それぞれイメージが異なる遊びです。交わることのない遊びであることから「並行遊び」とも呼ばれています。この記事では、そんな子どもの平行(並行)遊びについて詳しく解説します。
平行(並行)遊びとは?
平行遊びとは、字の通り「平行」する遊びのことです。同じ部屋の同じ場所で、同じ遊びをしていると一緒に遊んでいるように見えます。しかし、それぞれが自分の遊びを楽しんでいるだけで、子ども同士で関わったり協力したりすることはありません。そのような交わりのない遊びを平行遊びといいます。
子どもの遊びには、発達段階ごとに順番があります。もちろん個人差がありますが、子どもと接するうえで遊びの段階を理解しておくことはとても大切です。そこでまずは遊びの主な発達段階や、平行遊びの特徴について解説します。
遊びの発達段階
子どもの遊びには、以下のような段階があります。
一人遊び(0ヶ月~2歳)/それぞれバラバラに好きな遊びを一人で楽しむ
平行遊び(2~3歳)/同じ場所で同じ遊びを楽しむが子ども同士の関わりがない
連合遊び(3~4歳)/子ども同士のやりとりがあるがイメージに相違がある
協同遊び(4歳~)/子ども同士でひとつの遊びを共有してルールを守りながら遊ぶ
誕生から生後3ヶ月頃は、遊ぶという概念がありません。興味のある方向を見つめたり、目に入ったものに手を伸ばしたりして過ごします。そのあとは、一人遊びからお友達同士で協力する遊びへと移行していきます。
平行遊びが見られる年齢
平行遊びが見られる年齢は、3~4歳頃です。なかには1~2歳でも、お友達の真似をして側で同じ遊びを楽しむ姿が見られます。個人差が大きいものですが、子どもが今どの段階にいるのか把握することも大切です。年齢に捉われず、遊びのイメージを共有できているか、お友達同士の関わりがあるかどうか観察してみましょう。
平行遊びと一人遊びの違い
一人で好きな遊びに熱中する一人遊びは、遊びが交わらない平行遊びと同じようにも思えます。しかし、両者には「同じ遊びをしている」という違いがあります。それぞれ別の遊びを楽しむ一人遊びとは違い、同じ場所で同じ遊びを楽しむ平行遊びには「一緒に遊んでいる」という感覚があるといえるでしょう。実際には平行しているだけで関わりはありませんが、両者は大きく異なります。
平行遊びの次に見られる姿
平行遊びの次は、子ども同士のやりとりが見られる「連合遊び」が見られるようになります。ただ隣で同じ遊びを楽しんでいるだけの子ども達が、使っているおもちゃを貸し借りしたり、合体させたりして遊びを展開させられるようになります。しかし、一緒にブロックを積み重ねていても、ロボットを作っているつもりの子どもと、お城を作っているつもりの子どもがいます。イメージの違いから、トラブルが起こることも少なくありません。
平行(並行)遊びの具体的な例
ここからは、より子どもの遊び方を理解できるよう平行遊びの具体的な例をご紹介します。
同じブロックを使ってそれぞれ違う家を作る
平行遊びの段階にいる子ども達は、お友達がブロックで遊んでいると「私もブロックで遊びたい」「一緒に作ろう!」と言いながら、ブロック遊びに混ざります。しかし、実際はブロックが広がっている同じ空間に一緒に座っているだけで、同じものを協力して作ることはできません。一緒に遊んでいる認識はあるものの、ブロックで作っているのは別の家という状態です
お友達が走る姿を見て真似して走り回る
平行遊びは、おもちゃを使った遊びだけではありません。園庭でお友達がグルグル走り回る姿を見て、真似して走る行為も平行遊びといえます。一人の子どもは飛んでいるちょうちょを追いかけている、そしてもう一人は走ることで鳴る足音を楽しんでいる…。たまにお互いを意識し合うものの、追いかけっこにはならない。このように、一緒に走り回って遊んでいるように見えて子ども同士の関わりがない状態も平行遊びなのです。
平行(並行)遊びをしている子どもとの関わり方
平行遊びをしている子ども達を見れば「お友達ともっと一緒に…」と思うかもしれません。しかし、一人で遊んでいるからといって問題があるわけではないのです。平行遊びは、子どもの遊びの発達に欠かせない段階です。平行遊びをしている子どもの遊びを充実させられるよう、以下のような関わり方を意識してみましょう。
おもちゃの取り合いにならないようにする
平行遊びをしていると「お友達が遊んでいるものの方が良く見える」ことがあります。しかし、その気持ちを言葉にするのはまだ難しいのが現状です。そのため、ついついおもちゃを奪ったり、作ったものを壊してしまったりすることも。おもちゃの取り合いで遊びが中断してしまわないよう、充分な数のおもちゃを用意するなど、環境構成に留意しましょう。
お友達の存在を意識できるようにする
平行遊びのなかで、周囲の様子をジッと観察する様子があれば、お友達の動向に関心を持っているサインかもしれません。そのようなときは、よりお友達の存在を意識できるよう「〇〇くん、一緒に〇〇しているね」などと声をかけてみましょう。「同じだね」と声をかけることで、一緒に遊ぶイメージを持つことができます。
子どもの遊びのイメージを尊重する
同じイメージを持てないとはいえ、子どもは自分の遊びを楽しんでいます。そのため、無理に子ども同士を結びつけてイメージを共有させないよう注意しましょう。子どもの遊びのイメージを尊重し、成長に合わせてコミュニケーションの取り方を学んでいけるようサポートしていきます。
まとめ
子どもの遊びには、さまざまな段階があります。なかでも平行遊びは、一緒に遊んでいるように見えてイメージが共有できていない、もどかしい時期です。大人としては「お友達と一緒に遊ぶ」ことを重視しすぎて、子ども達に遊び方を強要してしまうことも。子どもの社会性を発達させるためにも、遊びの特徴を理解して温かく見守っていきたいですね。




