「居宅訪問型保育」ってなに?マンツーマンで行う新しい保育のカタチ

市町村を中心に、企業が状況に応じた多様な支援を用意したり、職員の処遇改善を行って質の高い人材の確保を目指したり……子育てを社会全体で支えることを目指しています。
平成28年からは仕事と子育ての両立を支援するとして、企業主導型保育事業も新設されました。
そして、この新制度によってできたのが、「家庭的保育」「小規模保育」「事業所内保育」「居宅訪問型保育」からなる地域型保育事業です。
今回はこのうちの「居宅訪問型保育」について詳しく解説します。
そもそも、地域型保育事業ってなに?
さまざまな施設やサービスの中から、利用者がニーズにあわせて選択できる仕組みとなっています。
- 家庭的保育:利用定員6人以上19人以下
- 小規模保育:利用定員5人以下
- 事業所内保育:従業員の子どもや、その地域で保育を必要とする子ども
- 居宅訪問型保育
居宅訪問型保育とは?
ベビーシッターや保育士が子どもの自宅を訪問し、1対1のマンツーマンを基本として保育を行います。
対象となる子どもは?
居宅訪問保育を利用するためには、保育を受ける子どもが以下の条件のいずれかを満たしていると市町村長が認める必要があります。
原則:3歳未満の保育を必要とする乳幼児で、 |
①集団保育が著しく困難だと認められる障害・疾病がある |
認可基準は?
居宅訪問保育の認可基準 | |
職員配置 | 子どもひとりにつき保育者ひとり |
職員の資格 | 保育士または保育士と同等以上の知識や経験があると市町村長が認める者 |
面積基準 | 特になし |
連携施設 | 障害児を保育する場合、専門的な支援を受けられる施設の確保が必要 |
必要な研修を修了している保育士さんなら、誰でも居宅訪問保育事業で働くことができます。
どのような保育をするの?
1日8時間を原則として、保育所保育指針に準じた保育を提供します。
以下は、居宅訪問保育での1日の流れのモデルケースです。
子どもや家庭の環境次第で多少変わることもありますが、おおまかには保育所と同じような内容を行うことになるでしょう。 参考:豊島区「居宅訪問型保育事業(待機児童対策)の利用について」
受け渡し |
挨拶や引き継ぎ・健康観察など。あとは子どもに自由遊びをしてもらいます。 |
午前中 |
おやつを食べさせたり、室内・屋外遊びを行います。 |
お昼 |
0歳児であればミルクや離乳食などのお昼ご飯を食べさせます。 |
午後 |
お昼寝の時間を設けたり、室内・屋外遊びを行ったりします。 |
ここで示したモデルケースはあくまで一例です。保育対象となる子どもや家庭の環境によっては、多少変わってくるでしょう。
居宅訪問型保育事業で働くメリット
居宅訪問型保育の対象となる子どもの中には、たんの吸引や経管栄養、胃ろうなどの医療的ケアが必要となる中重度の障害児もいます。
こうした子どもたちの保育を担当するためには、公益社団法人全国保育サービス協会が実施している居宅訪問型保育の研修を修了することが必要です。
そのため、居宅訪問型保育の基礎知識や職業倫理、保護者の対応法が学べるのはもちろん、乳幼児医療や児童養護の知識も身につけることができるでしょう。
よりスキルアップを目指したい、高度な対応力を持つ保育士になりたい……といった方に向いている分野だといえます。
利用までの流れ
地域型保育の場合は、以下の条件に当てはまる子どもが「3号認定」として認定され、さまざまな施設を利用できるようになります。
- 子どもの年齢が0~2歳
- 保育を必要とする事由に該当する
「居宅訪問型保育」利用の流れ | |
1 | 送付されてきた「居宅訪問型保育事業確認書」にチェックをして、期日までに提出する |
2 | 定員より希望者が多い場合は、通常の入園と同様に選考が行われる |
3 | 市町村から運営事業者に利用開始の連絡が行く |
4 | 運営事業者から利用者へ、内定と面接日の相談の連絡が来る |
5 | 指定日に面接を行う |
6 | 利用前に健康診断を受ける |
7 | 利用に関する契約を取り交わし、システム登録等の手続きをする |
8 | 市町村から「事業所入所承諾書」が送付される |
注意点
利用料金
また、保育者が訪問する形式の保育サービスであるため、市町村によっては往復の交通費(一律で金額設定されているケースが主)もプラスして支払う必要があります。
保育時間
また、利用者が帰宅された時点で保育は終了です。
昼食・おやつ
派遣される保育者ができるのは、料理の盛り付けや温めることのみ。調理は不可となっています。
備品
また、これらの備品が経年劣化によって破損してしまった場合は保障されません。
兄弟・姉妹
利用終了時
なお、0~2歳児を利用対象としている地域型保育では、卒園後に通える認定こども園や保育所などの連携施設が設定されています。
そのため、子供が3歳になって地域型保育の利用が終了しても、連携施設に優先的な利用枠を設けるなどして、卒園後も引き続き保育サービスを受け入れられるようになっています。
万が一通い先が見つからなかった場合には、特例で地域型保育を継続利用できるケースもあるようです。
編集者より
自分にとってどんな働き方が最適なのか……一度しっかり考えてみた上で、居宅訪問型保育の保育者として働くプランも考えてみてはいかがでしょうか?
認可保育園で集団保育を担当しているのとはまた違った、新しい発見や成長ができるかもしれませんよ!
参考文献・サイト
- 内閣府「子ども・子育て支援新制度について」(2017/06)
- 内閣府「子ども・子育て支援新制度なるほどBOOK」(2016/04)
- 厚生労働省「居宅訪問型保育事業の概要」(2018/05/25)
- WAM NET「地域型保育事業(居宅訪問型保育事業)」(2018/05/25)
- 豊島区「居宅訪問型保育事業(待機児童対策)の利用について」(2018/02/13)
- スゴいい保育「”保活”の救世主?意外に知らない「地域型保育事業」について」(2016/12/22)









