院内保育士とは？病院で働くメリットや病棟保育士との違いを解説！

院内保育所とは、医師や看護師など、病院で働く従業員専用の保育施設のことです。
院内保育所にて、子どもの保育をおこなう保育士を「院内保育士」と呼びます。小規模で手厚い保育ができるため、院内保育士になりたいと考えている人も多いのではないでしょうか？
この記事では、院内保育士の仕事内容や働くメリットを解説します。合わせて、混同されやすい病棟保育士との違いも紹介しますので参考にしてください。

院内保育士の仕事内容

院内保育士の仕事内容は、通常の保育園と同じく子どもを保育することです。
登園から活動、給食、お昼寝、おやつなどの保育活動に大きな違いはありません。
しかし、院内保育士は勤務する場所、対象となる子ども、勤務時間に特徴がありますので確認しておきましょう。

病院内に併設された保育施設で働く

院内保育所は、病院の福利厚生として職員向けに設置されている施設です。基本的に、病院内、または病院の敷地に併設されています。
医師や看護師が通勤のついでに子どもを預けたり、勤務中にすぐに様子を見に行けたりする距離に位置しているのが特徴です。
院内保育所の規模はさまざまで、病院の一室で保育をおこなうこともあれば、一般的な保育園と変わらないような園庭つきの施設を構えているケースもあります。
運営を委託しているケースもありますが、基本的に院内保育士は病院の従業員として働くことになります。

医師や看護師の子どもを預かる

院内保育士が保育するのは、医師や看護師など病院で勤務している職員の子どもです。そのほか、事務職や介護士など病院関係者の子どもが対象となります。
施設自体のスペースが限られているため、保育人数はそう多くありません。
また、保護者となる医師や看護師の勤務日によって子どもの登園日が決まるため、異年齢保育が基本となります。
院内保育士が保育する子どもの年齢は、病院によってさまざまです。0～2歳児までと決められているケースも少なくありません。なかには、普段は幼稚園に通っている子どもを夏休み・冬休み・警報などの休園日に保育することもあります。そのため、院内保育所での保育は対象年齢や人数がバラバラだと理解しておきましょう。

24時間体制で夜勤も担当する

院内保育所は、医師や看護師の勤務に合わせて24時間体制で対応します。
保護者が夜勤の場合は、院内保育士も合わせて夜勤を担当することになります。
準夜勤や深夜勤など、医師や看護師の勤務体制もバラバラなため、子どもが登園する時間に合わせたシフト制の勤務時間です。
夜勤を必要とする子どもがいない場合は、夜間は閉園する場合もあります。

院内保育士の1日のタイムスケジュール

院内保育士の勤務時間は働く病院によって異なります。ここからは、基本的な1日のタイムスケジュールをご紹介します。

時間	こども	保育士
7：00	起床・身支度・朝食	身支度の援助・朝食準備・片付け
8：00	登園	受け入れ・体調チェック（日勤保育士出勤）
9：00	朝の会・おやつ	進行・おやつ準備・援助・片付け（夜勤保育士退勤）
10：00	活動（お散歩・製作など）	活動準備・進行・見守り
11：30	給食	給食準備・援助・片付け
12：30	午睡	午睡準備・各種書類記入・休憩
14：30	起床	身支度の援助・体調チェック
15：00	おやつ	おやつ準備・片付け
16：00	帰りの会・自由遊び	進行・清掃・おもちゃ消毒
17：00	降園	お迎え対応（夜勤保育士出勤）
18：30	夕食	夕食準備・援助・片付け（日勤保育士退勤）
19：30	お風呂・清拭	援助・就寝準備
20：30	就寝	寝かしつけ・清掃・呼吸チェック

夜勤がある場合は、日勤保育士と交代勤務をおこないます。
一般的な保育園と異なり、朝食・夕食・お風呂・夜間の寝かしつけ対応などが必要です。
お風呂の設備が整っていない施設の場合は、清拭のみおこないます。子どもの月齢によっては、夜間の授乳や夜泣き対応もあります。
子どもが不安にならないよう、夕方以降の保育は家庭的な対応が求められます。
子どもが就寝したあとは、製作や書類仕事などを進めながら呼吸チェックをおこないます。

院内保育士と病棟保育士の違い

院内保育士の求人を探しているとき、混同してしまうのが病棟保育士です。
病院での勤務と考えると、院内保育士と同じように思ってしまう人も多いでしょう。ここからは、それぞれの違いを詳しく紹介します。

働く場所の違い

院内保育士は、前述したように病院内に併設された施設での勤務となります。
病棟保育士は、その名の通り病棟で勤務する保育士のことを指します。病棟保育士は小児病棟や外来など病院内で働くため、勤務場所に違いがあります。

対応する子どもの違い

病棟保育士が保育するのは、入院中の子どもや外来に訪れた子どもです。
従業員の子どもを保育する院内保育士とは異なり、病気やケガなどを抱える子どもの保育がメインとなります。

仕事内容の違い

院内保育士の仕事内容は、通常の保育園と大きな違いはありません。
病棟保育士は、病棟内のプレイルームで保育したり、各個室で子どもの病状に合わせた遊びを提案したりします。お散歩などの活動は難しく、保育士の引き出し力が求められます。

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院内保育士になるメリット

院内保育士のデメリットでいえば、夜勤や日祝などの勤務があることくらいでしょう。
自身のライフスタイルに合えば、問題にならないともいえます。一方、院内保育士として働くメリットは以下のようにさまざまです。

小規模保育で子どもの数が少ない

院内保育所は受け入れ人数が少なく、子どもとじっくり向き合えます。家庭的な雰囲気での保育も特徴のひとつといえるでしょう。
「大人数の一斉保育が苦手」「泣いている子どもに丁寧に寄り添いたい」などの保育観を持つ保育士にとって、理想的な職場だといえます。

一般的な保育士より年収が高い

院内保育士の給料は、一般的な保育士よりも高い傾向です。院内保育所を運営しているということは、福利厚生や待遇がしっかりしている病院であると考えられます。また、夜勤手当としての加算も大きく、不規則な生活に抵抗がない人にとっては大きなメリットになるといえるでしょう。

大きな行事がなく負担が少ない

院内保育所では、子どもの年齢や登園時間がバラバラなため大きな行事がありません。
通常の活動準備や季節の製作などはおこなうものの、一般的な保育園と比べて負担が少ないといえます。運動会や発表会など、大きな行事が苦手な保育士にとっては嬉しいポイントです。

病気やケガの対応が安心

保育士にとって、子どもの命を預かる責任は大きいものです。いくら研修で知識を培っても、急な病気やケガには慌てますよね。
とくに、保育園での熱性けいれんや誤飲などは珍しいことではありません。院内保育所は病院に併設されているため、いざというときの対応が安心です。少しの違和感でも、保護者に連絡してすぐに様子を見に来てもらえるというメリットもあります。

新卒でもなれる？院内保育士のなり方

全国の院内保育所の数は、約3,500ヶ所です。通常の保育園よりも数が少ないため、求人も多くはありません。
しかし、タイミングが合えば新卒でも院内保育士を目指せます。ここからは、院内保育士のなり方について詳しく解説します。
参考：厚生労働省「院内保育等の推進について」

院内保育士に必要な資格やスキル

院内保育士になるには、保育士資格が必要です。病院によっては、保育補助として無資格のパートを募集していることもあります。
また、院内保育士は夜勤や早朝勤務などにより生活リズムが崩れやすくなるため、ある程度の体力が求められます。
そのほか、保護者への対応力も必要です。
保護者のなかには、子どもが小さいうちから夜勤を担当することに葛藤を感じている人もいます。不安を軽減させられるようなコミュニケーションが必要です。

病院のホームページから募集を探す

院内保育士の求人は、求人サイトまたは病院のホームページにて掲載されています。
まずは、通勤圏内の病院に院内保育所があるか確認してみてはいかがでしょうか？求人自体は多くないため、欠員がでたときの募集が中心になるかもしれません。見逃すことのないよう、定期的にチェックしましょう。

保育専門のキャリアコンサルタントに相談する

院内保育所によっては、求人を一般公開していないことも少なくありません。
また、職場の雰囲気が悪く保育士の入れ替わりが激しいケースもあります。求人探しに不安を感じる場合は、保育専門のキャリアコンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか？未公開物件や、職場の雰囲気など必要な情報を得られるかもしれません。

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まとめ

院内保育士は、病院併設の施設にて医師や看護師の子どもを保育します。保護者の勤務に合わせて保育をおこなうため、夜勤への対応も必要です。
子どもの年齢や人数はバラバラで、小規模の異年齢保育が基本です。

大きな行事が少ないため、子どもとゆっくり関わりたい保育士にはピッタリといえるでしょう。
院内保育士の求人は多くないため、タイミングが大切です。良い求人を見逃すことのないよう、定期的に募集を確認してみましょう。

#保育士 #仕事