ナラティブアプローチとは?実践方法や保育現場での活用例までご紹介!

ナラティブアプローチを知っていますか?日本ではまだまだ浸透していないので、知らない人が多い言葉です。
ナラティブアプローチは、これまでのカウンセリングとは違った問題解決の方法の一つです。
ナラティブアプローチは、これまでのカウンセリングとは違った問題解決の方法の一つです。
ナラティブ・アプローチって?
ナラティブアプローチとは、どんなアプローチ方法なのでしょうか?
ナラティブアプローチの言葉の意味は?
まずは、ナラティブアプローチの言葉の意味からご紹介しましょう。
ナラティブ(narrative)=物語
アプローチ(approach)=近づくこと。対象となるものに迫ること。
ナラティブ(narrative)=物語
アプローチ(approach)=近づくこと。対象となるものに迫ること。
ナラティブアプローチを簡単に説明すると
ナラティブアプローチを簡単に説明すると、問題をナラティブ(ストーリー/物語)の視点で捉えて解決を目指すアプローチのことです。
ナラティブアプローチの特徴
ナラティブアプローチは、対話をしながら対等な立場で相手を尊重して進めていくという特徴があります。
ナラティブアプローチは臨床心理学から生まれた方法
ナラティブアプローチは、1990年代に臨床心理学の論文から誕生した方法です。
ナラティブアプローチの提唱者ってだれ?
ナラティブアプローチの提唱者は、マイケル・ホワイトとダビッド・エプストンです。
ナラティブアプローチは批判されることも
ナラティブアプローチは一部批判を受けることがあります。
理由は様々ですが、上司や目上の人が聞き手の場合、本質的に対等な立場に立つことができないこと。
また、知的障がい者や精神障がいを持つ人を支援するのには限界があるという問題があります。
理由は様々ですが、上司や目上の人が聞き手の場合、本質的に対等な立場に立つことができないこと。
また、知的障がい者や精神障がいを持つ人を支援するのには限界があるという問題があります。
ナラティブ・アプローチの方法
では、ナラティブアプローチの具体的な方法を解説します。
今回は、保育士が保護者の問題を解決するという例を挙げてみましょう。
今回は、保育士が保護者の問題を解決するという例を挙げてみましょう。
①ドミナント・ストーリーを聞く
語り手が最初に語るストーリーをドミナントストーリーと言います。
ドミナントストーリーには、語り手による様々な感情や性格によるこだわりが言語化されています。
この時には語り手の話しをしっかりと傾聴しましょう。
ドミナントストーリーには、語り手による様々な感情や性格によるこだわりが言語化されています。
この時には語り手の話しをしっかりと傾聴しましょう。
②外在化して問題を考える
次に、語り手の心にある問題を「自分」や「私」を切り離して客観視できるようにします。
自分主体でなく、外在化して問題を考えていけるように対話していきましょう。
(例)
聞き手「その物語の主人公(相談者)を一言でいうとどんな人でしょうか?」
語り手→ ×「子どもに冷たいダメな私」
○「子どもにいつも冷たくしてしまう母親」
自分主体でなく、外在化して問題を考えていけるように対話していきましょう。
(例)
聞き手「その物語の主人公(相談者)を一言でいうとどんな人でしょうか?」
語り手→ ×「子どもに冷たいダメな私」
○「子どもにいつも冷たくしてしまう母親」
③反省的質問をする
その問題の状況を考えます。関わっている人を挙げる、経験を引き出す、前後の出来事が関与していないかを質問しながら引き出していきます。
(例)
聞き手「いつもお子さんに冷たくしてしまうのですか?」
→ 語り手「はい、いつもです。」
聞き手「お子さんが赤ちゃんだった頃はどうでしたか?」
→ 語り手「あまりかわいいと思いませんでした。」
聞き手「お子さんと一緒に笑ったことはありますか?」
→ 語り手「あ!そうだ。先月実家で笑いましたね。」
聞き手「悩みを相談できる人はいないのですか?」
→ 語り手「あまりいません。何かあったら言ってね、と言ってくれる人はいますが」
(例)
聞き手「いつもお子さんに冷たくしてしまうのですか?」
→ 語り手「はい、いつもです。」
聞き手「お子さんが赤ちゃんだった頃はどうでしたか?」
→ 語り手「あまりかわいいと思いませんでした。」
聞き手「お子さんと一緒に笑ったことはありますか?」
→ 語り手「あ!そうだ。先月実家で笑いましたね。」
聞き手「悩みを相談できる人はいないのですか?」
→ 語り手「あまりいません。何かあったら言ってね、と言ってくれる人はいますが」
④例外的な結果を発見する
いくつも質問を重ねていくうちに、語り手が最初に語ったドミナントストーリーとは違った話し(例外的)な部分が出てくることがあります。
その部分に気付いて、さらに反省的質問を繰り返し、最初のドミナントストーリーを崩しながらストーリーを再構築していきましょう。
(例)
聞き手「実家に行った先月、お子さんと笑ったのですね」
聞き手「何かあったら言ってねと声をかけてくれる方はいるのですね」
その部分に気付いて、さらに反省的質問を繰り返し、最初のドミナントストーリーを崩しながらストーリーを再構築していきましょう。
(例)
聞き手「実家に行った先月、お子さんと笑ったのですね」
聞き手「何かあったら言ってねと声をかけてくれる方はいるのですね」
⑤オルタナティブ・ストーリーにする
最後に、例外的な結果から新しいストーリーを作ります。
最初のドミナントストーリーと代替した新たなストーリーのことをオルタナティブストーリーと言います。
(例)
語り手「子どもには冷たくしてしまうことが多い。
でも、先月実家に行った時に子どもと笑ったのを思い出しました。自分にとって、実家にいることで安心感が得られて笑う余裕が出てくるのかもしれないです。
安心した気持ちでいれば、子どもと向き合えるのかも」
語り手「子どもに嫌いと言われてすごく傷付いたけど、その事を気にし過ぎていたのかも。
子育ての悩みを相談できる人なんていないと思っていたけど、勇気を出して相談してみるのもいいのかもしれません」
最初のドミナントストーリーと代替した新たなストーリーのことをオルタナティブストーリーと言います。
(例)
語り手「子どもには冷たくしてしまうことが多い。
でも、先月実家に行った時に子どもと笑ったのを思い出しました。自分にとって、実家にいることで安心感が得られて笑う余裕が出てくるのかもしれないです。
安心した気持ちでいれば、子どもと向き合えるのかも」
語り手「子どもに嫌いと言われてすごく傷付いたけど、その事を気にし過ぎていたのかも。
子育ての悩みを相談できる人なんていないと思っていたけど、勇気を出して相談してみるのもいいのかもしれません」
ナラティブ・アプローチを保育に活用するメリット
では実際に保育現場では、どのように活用できるのでしょうか。
保育現場でナラティブアプローチは誰が使うの?
ナラティブアプローチは、保育現場では何か問題を抱えて悩んでいる保護者に対して保育士が活用することができます。
その他、先輩保育士が後輩保育士の悩みを解決するのにも使える手法でしょう。
その他、先輩保育士が後輩保育士の悩みを解決するのにも使える手法でしょう。
保育現場でのナラティブアプローチにはどんな効果が期待できる?
保育現場では子育てや夫婦関係に悩んでいる保護者が、悩みを外在化させ今まで気付かなかった点に気が付くことで問題が整理されるでしょう。
後輩保育士は、自分の主観的な気持ちからを外在化しながら、傾聴してもらう安心感と新たな気付きを得られることが期待できます。
後輩保育士は、自分の主観的な気持ちからを外在化しながら、傾聴してもらう安心感と新たな気付きを得られることが期待できます。
ナラティブ・アプローチを保育現場で活用しよう!
対等な立場で相手の言葉に耳を傾けて対話することが、ナラティブアプローチでは何より大切です。
保育現場でも対話を通じて、心をほぐしながら最終的には語り手が心の折り合いをつけられるといいですよね。
ぜひ保育現場でナラティブアプローチを活用しましょう!
保育現場でも対話を通じて、心をほぐしながら最終的には語り手が心の折り合いをつけられるといいですよね。
ぜひ保育現場でナラティブアプローチを活用しましょう!





