閉じる児童養護施設で働く保育士の役割は？働くメリット・デメリットを解説
保育士として就職や転職を考えたとき、児童養護施設での勤務を選択肢のひとつとして考える人も多いのではないでしょうか？
保育実習を経験していれば、なんとなく施設の雰囲気は把握できるでしょう。
しかし、働くうえで気になるのは細かい仕事内容ですよね。
そこでこの記事では、児童養護施設で働く保育士の仕事内容や役割について詳しく解説します。
また、働くメリット・デメリットも紹介しますので参考にしてください。
保育実習を経験していれば、なんとなく施設の雰囲気は把握できるでしょう。
しかし、働くうえで気になるのは細かい仕事内容ですよね。
そこでこの記事では、児童養護施設で働く保育士の仕事内容や役割について詳しく解説します。
また、働くメリット・デメリットも紹介しますので参考にしてください。
児童養護施設とは
児童養護施設とは、なんらかの理由により保護者の養育を受けられない子どもを預かる施設です。
児童福祉法では、虐待など養護を要する児童の入所・養護と合わせて、自立するための援助をおこなうことが目的とされています。
対象年齢は、乳児を除く18歳までの子どもです。
基本的に、乳児は乳児院で養育しますが、とくに必要がある場合は乳児も児童養護施設で養育します。
施設によって受け入れ人数は異なりますが、大人数をひとつの施設で療育するほか、少人数のグループを作って家族のような雰囲気のなかで療育することもあります。
児童福祉法では、虐待など養護を要する児童の入所・養護と合わせて、自立するための援助をおこなうことが目的とされています。
対象年齢は、乳児を除く18歳までの子どもです。
基本的に、乳児は乳児院で養育しますが、とくに必要がある場合は乳児も児童養護施設で養育します。
施設によって受け入れ人数は異なりますが、大人数をひとつの施設で療育するほか、少人数のグループを作って家族のような雰囲気のなかで療育することもあります。
児童養護施設で働く保育士の仕事内容
児童養護施設では、入所している子ども達が「自分の家」として24時間365日生活します。
そのため、児童養護施設で働く職員の勤務は交代制です。
交替勤務例／
●6：00～14：00
●8：00～16：00
●10：00～18：00
●14：00～22：00
●22：00～6：00早朝からの勤務や、宿直・夜勤などにも対応します。
施設によって違いはありますが一日のおもな流れは以下のようになります。（一例）
そのため、児童養護施設で働く職員の勤務は交代制です。
交替勤務例／
●6：00～14：00
●8：00～16：00
●10：00～18：00
●14：00～22：00
●22：00～6：00早朝からの勤務や、宿直・夜勤などにも対応します。
施設によって違いはありますが一日のおもな流れは以下のようになります。（一例）
6：00 | 朝食・お弁当の準備／順次子ども達を起こす |
7：00 | 朝食提供／朝食片付け／通園・通学準備の確認 |
8：00 | 幼稚園児の送迎／小学生や中高生の送り出し |
9：00 | 洗濯／掃除／未就学児へおやつの提供 |
10：00 | 乳児のお世話／買い出し／体調不良児の受診付き添い |
11：00 | 昼食準備／職員会議や書類仕事などの雑務 |
12：00 | 昼食提供／昼食片付け |
13：00 | 乳児のお昼寝／幼稚園児のお迎え |
14：00 | 洗濯／掃除／おやつ準備 |
15：00 | 小学生帰宅／おやつの提供 |
16：00 | 宿題の見守り／未就学児のお世話 |
17：00 | 中高生帰宅／学校からの連絡等確認／夕食準備 |
18：00 | 夕食提供／夕食片付け／お風呂準備 |
19：00 | 未就学児や低学年のお風呂対応／順次入浴 |
20：00 | 子ども達との歓談／幼稚園や学校への提出物整理 |
21：00 | 未就学児や低学年の寝かしつけ |
22：00 | 高学年や中高生消灯／職員会議や書類仕事などの雑務 |
夜間 | 乳幼児の夜泣き対応／各部屋の見回り |
大きな食堂で順次食事を済ませる施設もあれば、家庭的環境を意識してユニットごとに食事する施設もあります。
体制や担当によって仕事内容は異なりますが、おおまかな流れは上記のとおりです。
そのほか、児童養護施設で働く保育士の仕事内容について詳しく解説します。
体制や担当によって仕事内容は異なりますが、おおまかな流れは上記のとおりです。
そのほか、児童養護施設で働く保育士の仕事内容について詳しく解説します。
夜勤や土日祝日関係なく出勤する
子ども達は、施設から幼稚園や学校に通い、施設で食事・入浴・睡眠をおこないます。
保育園のように通うのではなく、自分の家として毎日生活しているのです。
そのため、養育を担う保育士は365日、24時間関係なく出勤します。
幼稚園や学校が休みの日は、子ども達を公園に連れて行ったり、ショッピングに行ったりすることも。
カレンダー通りのお休みを確保するのは難しい仕事といえるでしょう。
保育園のように通うのではなく、自分の家として毎日生活しているのです。
そのため、養育を担う保育士は365日、24時間関係なく出勤します。
幼稚園や学校が休みの日は、子ども達を公園に連れて行ったり、ショッピングに行ったりすることも。
カレンダー通りのお休みを確保するのは難しい仕事といえるでしょう。
子ども達の家族としての役割を果たす
児童養護施設で働く職員は、入所している子ども達にとって家族と同じ存在です。
保護者となんらかの事情により一緒に暮らせないため、職員が保護者としての役割を果たす必要があります。
体調が悪い場合は病院へ連れていき、学校で運動会があれば応援にかけつけます。
まさに親代わりとして、育児全般を任されるイメージです。
保護者となんらかの事情により一緒に暮らせないため、職員が保護者としての役割を果たす必要があります。
体調が悪い場合は病院へ連れていき、学校で運動会があれば応援にかけつけます。
まさに親代わりとして、育児全般を任されるイメージです。
さまざまな関係者との連携が必要
児童養護施設で働く保育士は、子ども達のお世話を円滑に進めるために、さまざまな関係者との連携が欠かせません。
劣悪な家庭環境で育ってきた子どもであればカウンセリングが必要な場合もあります。
子どもが施設で健康・安全に暮らせるよう、保護者はもちろん地域の福祉課・病院・学校などとの円滑なコミュニケーションが欠かせません。
劣悪な家庭環境で育ってきた子どもであればカウンセリングが必要な場合もあります。
子どもが施設で健康・安全に暮らせるよう、保護者はもちろん地域の福祉課・病院・学校などとの円滑なコミュニケーションが欠かせません。
こんな仕事も！？任される仕事の具体例
児童養護施設で働く保育士の仕事は多岐にわたります。
子どものお世話や洗濯などの家事が主な仕事ですが、以下のような仕事も任される場合もあります。● 中高生の昼食用に毎日のお弁当作り
● 参観日や懇談会へ保護者として参加
● 運動会など学校行事への応援
● 習い事や部活への送迎
● 公園や動物園などへ出かけるときの引率
● お誕生日会やクリスマス会の準備
● 予防接種や定期健診の管理・引率
● 小児科や歯科などの通院同行
● 学校で必要な書類や物品の準備
各家庭で保護者が担っている子育てを、職員が代理としておこなうイメージです。
ときには門限を過ぎてしまった子どもを叱ったり、進路に悩む子どもの相談を聞いたりすることもあります。
子どものお世話や洗濯などの家事が主な仕事ですが、以下のような仕事も任される場合もあります。● 中高生の昼食用に毎日のお弁当作り
● 参観日や懇談会へ保護者として参加
● 運動会など学校行事への応援
● 習い事や部活への送迎
● 公園や動物園などへ出かけるときの引率
● お誕生日会やクリスマス会の準備
● 予防接種や定期健診の管理・引率
● 小児科や歯科などの通院同行
● 学校で必要な書類や物品の準備
各家庭で保護者が担っている子育てを、職員が代理としておこなうイメージです。
ときには門限を過ぎてしまった子どもを叱ったり、進路に悩む子どもの相談を聞いたりすることもあります。
児童養護施設で働く保育士の求人
厚生労働省によると、令和2年の児童養護施設数は600箇所を超えています。
求人数は保育園ほど多くありませんが、人手不足により常に求人を募集している施設も。
希望の条件に合う施設がないか、しっかり検討してみましょう。
参考：厚生労働省「社会的養護の施設等について」
求人数は保育園ほど多くありませんが、人手不足により常に求人を募集している施設も。
希望の条件に合う施設がないか、しっかり検討してみましょう。
参考：厚生労働省「社会的養護の施設等について」
児童養護施設で働くために必要な資格
児童養護施設には、以下のような職員が勤務しています。● 保育士
● 児童指導員
● 嘱託医
● 看護師
● 栄養士
● 調理師
● 個別対応職員
● 心理療法担当職員
● 家庭支援専門相談員
● 事務員
参考：厚生労働省「最低基準等及び措置費における職員配置基準について」
児童養護施設の職員になるには、保育士や児童指導員、看護師などの資格が必要です。
児童指導員の資格は、任用資格のため規定の要件を満たすことで得られます。
保育士と児童指導員の仕事内容に、大きな差はありません。
● 児童指導員
● 嘱託医
● 看護師
● 栄養士
● 調理師
● 個別対応職員
● 心理療法担当職員
● 家庭支援専門相談員
● 事務員
参考：厚生労働省「最低基準等及び措置費における職員配置基準について」
児童養護施設の職員になるには、保育士や児童指導員、看護師などの資格が必要です。
児童指導員の資格は、任用資格のため規定の要件を満たすことで得られます。
保育士と児童指導員の仕事内容に、大きな差はありません。
児童養護施設で働く保育士の給料
児童養護施設で働く保育士の給料は、地域や施設にもよりますが約17～25万円 程度です。
勤務時間や宿直・夜勤手当の加算により、給料の差が大きくなります。
固定の時間で働きたい場合はパート勤務、しっかり稼ぎたい人は正職員で宿直・夜勤対応ありがおすすめです。
勤務時間や宿直・夜勤手当の加算により、給料の差が大きくなります。
固定の時間で働きたい場合はパート勤務、しっかり稼ぎたい人は正職員で宿直・夜勤対応ありがおすすめです。
児童養護施設の求人を見るときの注意点
児童養護施設の求人を探す際は、勤務場所をしっかりチェックしておきましょう。
児童養護施設本体での勤務であれば、大人数の職員で大人数の子どもを養育します。
しかし、小規模ユニットでの勤務であれば、アパートなどの一室で少人数での養育が基本となります。
また、社会福祉法人の職員として採用された場合は、施設内で異動があるケースも少なくありません。
自身の希望と照らし合わせて、応募前にしっかり確認しておきましょう。
児童養護施設本体での勤務であれば、大人数の職員で大人数の子どもを養育します。
しかし、小規模ユニットでの勤務であれば、アパートなどの一室で少人数での養育が基本となります。
また、社会福祉法人の職員として採用された場合は、施設内で異動があるケースも少なくありません。
自身の希望と照らし合わせて、応募前にしっかり確認しておきましょう。
保育士が児童養護施設で働くメリット
ここからは、保育士が児童養護施設で働く際のメリットをご紹介します。
求人への応募を考えている保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
求人への応募を考えている保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
幅広い年齢の子どもと接することができる
一般的な保育園では、0歳～未就学児までの子どもが保育対象となります。
一方、児童養護施設では、乳児を除く18歳までの子どもを養育するため、幅広い年齢の子どもと接することができます。
また、一緒に過ごす時間も長く、密なコミュニケーションを取れるというメリットがあります。
一方、児童養護施設では、乳児を除く18歳までの子どもを養育するため、幅広い年齢の子どもと接することができます。
また、一緒に過ごす時間も長く、密なコミュニケーションを取れるというメリットがあります。
子ども達の生活を支えるやりがいを感じられる
児童養護施設で働く保育士は、子ども達の生活すべてをサポートします。
家庭的な雰囲気のなか、まるで本当の家族のように子ども達を支えることで、大きなやりがいを感じられるといえるでしょう。
家庭的な雰囲気のなか、まるで本当の家族のように子ども達を支えることで、大きなやりがいを感じられるといえるでしょう。
子どもの成長を一番近くで見守れる
子ども達の成長を一番近くで見守れるのも、大きなメリットのひとつです。
慣れない施設での生活で、心を閉ざしてしまっていた子どもと信頼関係を築けるようになれば、職員として喜びを感じられます。
また、子ども達が自分の進路を決めて施設から巣立っていく姿見送れるのも、児童養護施設で働く保育士ならではといえるでしょう。
慣れない施設での生活で、心を閉ざしてしまっていた子どもと信頼関係を築けるようになれば、職員として喜びを感じられます。
また、子ども達が自分の進路を決めて施設から巣立っていく姿見送れるのも、児童養護施設で働く保育士ならではといえるでしょう。
保育士が児童養護施設で働くデメリット
児童養護施設での勤務は、保育士にとってとてもやりがいのある仕事です。
しかし、いくつかデメリットもあります。メリット・デメリットを比較して、自分に合った仕事かしっかり検討してみましょう。
しかし、いくつかデメリットもあります。メリット・デメリットを比較して、自分に合った仕事かしっかり検討してみましょう。
勤務が不規則で体力的な負担が大きい
児童養護施設では、早朝からの出勤、夜遅くまでの勤務、宿直・夜勤の対応など、不規則な勤務体制が求められます。
そのため、体力的な負担が大きいというデメリットがあります。
夜勤対応には手当がつくため、体力や給与面も考慮して検討すると良いでしょう。
そのため、体力的な負担が大きいというデメリットがあります。
夜勤対応には手当がつくため、体力や給与面も考慮して検討すると良いでしょう。
子どもの支援に対する責任が大きい
児童養護施設で働く職員は、子どもにとって親代わりとなります。
そのため「関わり方によって子どもの人格が形成される」「ふとした瞬間の言葉かけが子どもの人生を左右するかもしれない」と感じる瞬間が少なくありません。
そのため、子どもの支援に少し責任の重さを感じる可能性があります。
そのため「関わり方によって子どもの人格が形成される」「ふとした瞬間の言葉かけが子どもの人生を左右するかもしれない」と感じる瞬間が少なくありません。
そのため、子どもの支援に少し責任の重さを感じる可能性があります。
子どもによっては関わり方が難しい
児童養護施設には、愛情不足により「誰も信用できない」「生きていても楽しくない」と感じている子どもも存在します。
暴言や暴力が飛び交うことも珍しいことではありません。
とくに多感な時期の子どもと話すときは、思いが伝わらない歯がゆさや無力感を感じることも。
そのような悩みは、児童養護施設で働く保育士の最大の難しさといえるでしょう。
暴言や暴力が飛び交うことも珍しいことではありません。
とくに多感な時期の子どもと話すときは、思いが伝わらない歯がゆさや無力感を感じることも。
そのような悩みは、児童養護施設で働く保育士の最大の難しさといえるでしょう。
保育士が児童養護施設で働くときに必要な覚悟
保育士が児童養護施設で働く際は、一般的な保育園での勤務との違いをよく理解しておく必要があります。
そこでここからは、児童養護施設で働くときに必要な覚悟についてお伝えします。
そこでここからは、児童養護施設で働くときに必要な覚悟についてお伝えします。
虐待や育児放棄と向き合う覚悟
児童養護施設に入所してくる子どものなかには、実の両親から虐待を受けたり、育児放棄されたりした子どもが少なくありません。
なかには、愛情をしっかり受けられなかったことが原因で、一時的に攻撃的になっている子どもも。
そのような複雑な家庭背景を理解して、子どもの「心の傷と向き合う覚悟」が必要不可欠です。
なかには、愛情をしっかり受けられなかったことが原因で、一時的に攻撃的になっている子どもも。
そのような複雑な家庭背景を理解して、子どもの「心の傷と向き合う覚悟」が必要不可欠です。
子ども達の親代わりになる覚悟
一緒に暮らす職員や子ども達は、家族同然の存在といえます。
学校でトラブルがあれば謝罪に向かい、子どもが悪いことをすれば本気で叱ることも。子ども達が自立した一人前の大人になれるよう、職員は「親代わりとして接する覚悟」が求められます。
学校でトラブルがあれば謝罪に向かい、子どもが悪いことをすれば本気で叱ることも。子ども達が自立した一人前の大人になれるよう、職員は「親代わりとして接する覚悟」が求められます。
結婚したら家庭をふたつ守る覚悟
児童養護施設で働く職員が短期間で退職すると、子ども達は「せっかく信頼していたのに裏切られた」と思ってしまう可能性があります。
子ども達にたっぷり愛情を注げるよう、長期にわたる勤務が求められます。
結婚して自分の家庭を持つ場合は「ふたつの家庭を守る覚悟」が大切になるといえるでしょう。
子ども達にたっぷり愛情を注げるよう、長期にわたる勤務が求められます。
結婚して自分の家庭を持つ場合は「ふたつの家庭を守る覚悟」が大切になるといえるでしょう。
まとめ
児童養護施設とは、なんらかの事情により家庭で暮らせない子どもを養育する施設です。
主に、2～18歳までの子どもが対象となります。
施設で働く保育士は、宿直や夜勤があるシフト制のため、生活リズムが不規則になる恐れがあります。
しかし、長時間にわたり子ども達を見守る仕事は、とてもやりがいがあります。
ぜひ、就職・転職先として検討してみてはいかがでしょうか？
主に、2～18歳までの子どもが対象となります。
施設で働く保育士は、宿直や夜勤があるシフト制のため、生活リズムが不規則になる恐れがあります。
しかし、長時間にわたり子ども達を見守る仕事は、とてもやりがいがあります。
ぜひ、就職・転職先として検討してみてはいかがでしょうか？
