【保育士】社会的養護とは?必要となる理由や養護の形態を解説

社会的養護とは、適切な養育を受けられない子どもを、公的な責任のもとで支援・養育することを指します。保育士や保育学生として、社会的養護が必要になる理由や養護の形態について知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか?この記事では、社会的養護の実態や、保育士としてできることをご紹介します。
社会的養護とは?
社会的養護とは、さまざまな事情により家庭で親を頼れない子どもに対して、社会的に保護・養護・支援することをいいます。社会的養護は、主に以下の6つの原理に基づいておこなわれます。
● 家庭的養護と個別化
● 発達の保障と自立支援
● 回復を目指した支援
● 家族との連携・協働
● 経済的支援と連携アプローチ
● ライフサイクルを見通した支援
家庭で適切な養育を受けられない子どもでも、心身共に健康に育つ権利があります。子ども達の当たり前の生活を守るため、社会的養護では行政の責任のもとで主に「養護」「心理的ケア」「地域支援」をおこないます。それぞれの支援のポイントは以下の通りです。
● 家庭的養護と個別化
● 発達の保障と自立支援
● 回復を目指した支援
● 家族との連携・協働
● 経済的支援と連携アプローチ
● ライフサイクルを見通した支援
家庭で適切な養育を受けられない子どもでも、心身共に健康に育つ権利があります。子ども達の当たり前の生活を守るため、社会的養護では行政の責任のもとで主に「養護」「心理的ケア」「地域支援」をおこないます。それぞれの支援のポイントは以下の通りです。
養育
虐待やネグレクトなど、家庭で適切な養育を受けられない子どもの生活を保証します。衣食住の提供、そして学校に通い適切な発達を促す環境を与えるなどの養育が基本です。「家庭で生活することが子どものためになる」と判断されることもありますが、事情によっては保護者から引き離し、安全な環境を準備します。
心理的ケア
なんらかの事情により保護者と一緒に暮らせない子ども達は、少なからず心に傷を抱えています。その傷が大きく膨れ上がり、成長を害することも珍しくありません。専門家の協力を経て、そのような心理的な傷をケアし、適切な発達を促します。
地域支援
子どもへの直接的な支援だけでなく、子ども達を取り巻く環境の改善・支援もおこないます。地域の子育て支援に尽力することで、子どもの虐待防止・早期発見につなげられます。また、社会的支援を受ける子どもが家庭復帰できるように調整したり、施設を出たあとのアフターケアを担ったりすることも重要です。
社会的養護が必要となる主な理由
ここからは、どのような子どもが社会的支援の対象となるのか、その具体的な問題を解説します。
虐待
家庭内で子どもへの虐待があれば、被害に遭っている子どもを保護しなければなりません。虐待とは、身体的虐待・性的虐待・心理的虐待・育児放棄などのことです。これらの問題は、対応が遅れて子どもの命につながることも少なくありません。虐待の背景には、経済的な問題や社会的孤立などが隠れている可能性があります。
健康
保護者の健康上の問題も、適切な養育に影響を及ぼします。大きな病気を患ってしまったり、うつ病などゴールの見えない精神疾患に悩んだり、子育てに手が回らないケースも。また、保護者ではなく子どもの障がいや病気に悩み、行政を頼ることもあります。
経済
離婚や失業など、生活環境の変化により経済的な問題を抱えると、子育てが難しくなります。子どもが貧困により満足に食べられないとなれば、社会的養護の対象となるでしょう。また、経済的な問題は、虐待につながる恐れもあります。
離婚
両親が離婚することで、子どもの居場所がなくなってしまうことも少なくありません。どちらかの親が養育を担っても、収入などの問題で子育てが難しくなることも。DV被害など、離婚の原因によっては母子ともに保護する必要があります。
事故
それまで一般的な家庭として幸せに暮らしていても、事故に遭って生活が一変してしまうこともあります。事故により多額の損害を被ったら経済的な問題、そして体が不自由になってしまえば健康的な問題を抱えることに。子育てにも影響が起こる場合は、社会的養護の対象です。
事件
生きている以上、突発的な事故に巻き込まれる可能性もゼロではありません。もし、事件を犯した加害者となれば、罪を償うためにしばらく家庭から離れます。その間、養育できる人がいなければ行政が介入して子どもを保護することになります。
災害
地震や台風など、自然災害で子どもが災害孤児になると一般的には親類を頼ります。しかし、代わりに子育てを引き受けられる人がいない場合は、子どもの養育環境を保証する必要があります。
社会的養護につながる流れ
上記で挙げたような問題が起きた場合、どのような流れで社会的養護につながるのでしょうか?ここからは、そのあとのプロセスを解説します。
子どもに関する相談
社会的養護につながるプロセスは「子どもを養育できない」「養育に適した環境ではない」という関係各所からの相談から始まります。
● 子ども本人
● 保護者
● 親族
● 学校
● 医療機関
● 近隣住民
子どもが警察に保護されてから、問題が発見されることも少なくありません。また、子ども自身が虐待や貧困に悩み、相談ダイヤルに連絡することもあります。
● 子ども本人
● 保護者
● 親族
● 学校
● 医療機関
● 近隣住民
子どもが警察に保護されてから、問題が発見されることも少なくありません。また、子ども自身が虐待や貧困に悩み、相談ダイヤルに連絡することもあります。
子どもの一時保護
相談を受けた児童相談所は、まず子どもが置かれている状況を確認します。養育環境が不適切だと判断した場合、一時保護所にて子どもを保護します。保護している間、子どもを取り巻く環境を詳しく調べ「保護者が引き続き養育することはできないか」「親族など頼れる人はいないか」など、子どもの措置を検討します。
子どもに合った措置
家庭での養護がふさわしくないと判断された場合、一時保護所から児童養護施設などへの措置が決定します。子どもは家庭から離れ、措置された先から学校に通うなど日常生活を送ります。
社会的養護の形態
社会的養護の対象と判断された子どもは、施設もしくは家庭での養護がおこなわれます。それぞれの具体的な例は、以下のとおりです。
施設での養護
● 乳児院
● 児童養護施設
● 児童心理治療施設
● 児童自立支援施設
● 母子生活支援施設
● 小規模グループホーム
施設には専門的な知識を持った職員が配置されており、多くの大人が子ども達の養育に関わります。のちに、家庭での養護に移ったり、家庭復帰したりするケースもあります。
● 児童養護施設
● 児童心理治療施設
● 児童自立支援施設
● 母子生活支援施設
● 小規模グループホーム
施設には専門的な知識を持った職員が配置されており、多くの大人が子ども達の養育に関わります。のちに、家庭での養護に移ったり、家庭復帰したりするケースもあります。
家庭での養護
● ファミリーホーム
● 里親
● 養子縁組
子どもの状況によっては、より家庭的な環境で養育するための措置を取ることもあります。本当の家庭のように、特定の大人が長期的に子どもに関わることで、愛着形成を図ります。
● 里親
● 養子縁組
子どもの状況によっては、より家庭的な環境で養育するための措置を取ることもあります。本当の家庭のように、特定の大人が長期的に子どもに関わることで、愛着形成を図ります。
保育士として社会的養護に関わる方法
保育士資格を持っている人のなかで「保育士として社会的養護に携わりたい」という人も少なくないでしょう。保育士が活躍できる場所は、以下の通りです。
保育園での早期発見・相談
保育士として保育園に勤めている場合は、子どもの虐待・貧困など、適切な養育環境ではないことに気付くことがあるかもしれません。早期に発見・相談できれば、子どもの心に残る傷を最小限に抑えられます。
児童相談所での一時保護
保育士資格があれば、児童相談所で勤務することも可能です。児童相談所では、一時保護された子どもの保育を担う職員や、措置に関する業務を担う職員など、さまざまな人が働いています。子どもの最善の利益のために働く、とてもやりがいのある仕事です。
児童養護施設などの施設養護
乳児院や児童養護施設など、措置されてきた子どもの養育を担うことで尽力する方法もあります。保育士資格があれば、各所児童福祉施設での勤務が可能です。子どもの傷を癒やし、安心して過ごせる環境を整える大切な仕事です。
まとめ
この記事では、社会的養護について解説しました。子どもが社会的養護の対象となる理由はさまざまで、なかには発見されず適切な養育につなげられていないケースも少なくありません。まだまだ課題の多い社会的養護ですが、早期発見・相談で困っている子ども達により良い養育環境を与えてあげたいですね。






