保育原理とは?重要人物の簡単な覚え方や保育士試験の出題傾向を解説

保育士になるための勉強で欠かせない「保育原理」。保育養成校に通っている保育学生も、保育士試験に向けて勉強している人も、保育原理を学ぶ必要があります。そこでこの記事では、保育原理に欠かせないポイントや勉強方法を解説します。ぜひ学びの参考にしてみてくださいね。
保育所保育指針に記載されている「保育の原理」
保育所保育の基本となる考え方や、保育のねらいなどを記した保育所保育指針。そこには、保育の原理は「子どもの保育に携わる者の原理原則として、すべての保育所が共通に理解し、認識しなければならないもの」と記されています。
保育士として、子どもの発達や関わり方を学ぶのはとても大切なことです。しかし、それだけでなく「保育の目標を達成するためにはどのようにすべきか」を理解し、カリキュラムを考えて実行することも欠かせません。そのような保育における根本的な原則を理解するために必要なのが「保育原理」の学びです。
保育士試験の受験科目「保育原理」とは?
保育士になるには、保育士養成校を卒業するか、保育士試験に合格する必要があります。保育士試験は筆記試験と実技試験に分かれており、8つある筆記科目のなかのひとつが保育原理です。保育原理の出題内容は、おもに以下のとおりです。
・保育の意義及び目的
・保育に関する法令及び制度
・保育所保育指針における保育の基本
・保育の思想と歴史的変遷
・保育の現状と課題
保育の歴史や制度、保育界の重要人物を問う問題が多く、暗記が必要となる科目です。
保育原理の簡単な勉強方法
「歴史が苦手」「長い文章が苦手」という人にとっては、やや難易度の高い保育原理。とはいえ、保育士試験は8科目もあるため、保育原理にだけ時間をかけるわけにはいきません。ここからは、保育原理のポイントを効率良く抑えられるよう、簡単な勉強方法をご紹介します。
保育所保育指針を読む
保育原理は保育の基本を中心に出題されます。そのため「保育所保育指針」や「児童福祉法」の理解は欠かせません。保育所保育指針に記載されている事柄から出題される問題が多いため、まずは保育所保育指針を読んでみることをおすすめします。
保育所保育指針は分厚く、難易度が高いように感じるかもしれません。しかし、目を通したことがあるのとないのとでは、大きな差が生じます。まずは第一章を重点的に読んでみましょう。
重要人物や歴史を理解する
保育原理では、保育に関する歴史や、より良い保育の確立に貢献した重要人物について多く問われます。なかには、歴史上の出来事と関係した人物の関係性がいくつか挙げられ、そのなかから正解を選択する問題も。なるべく「誰がいつ何をした」をセットで覚えられるようにしたいですね。
過去問題に挑戦する
保育原理は覚えることが多いため、やみくもに暗記を続けるだけでは間に合いません。そこでおすすめなのが、過去問題への挑戦です。いくつも過去問題を問いているうちに、出題傾向が見えてきます。内容は違っていても「保育所保育指針のなかで適切な記述を~」「この文章の著者は~」といった出題が繰り返されています。そのような問い方に慣れておくことが、合格への近道になるといえるでしょう。
保育士試験における保育原理の出題傾向
ここからは、より詳しく保育士試験の保育原理でどのような問題が出題されるか解説していきます。
問題のカギは保育所保育指針にある
とくに多いのが、保育所保育指針に関する問題です。
・第1章「総則」には~~と記載されている
・第2章「保育の内容」には~~が記載されている
・第3章「健康及び安全」には~~が記載されている
上記のような内容を問い、〇か✕か組み合わせを選ぶ問題が多いため、正解するカギは保育所保育指針の理解にあるといえるでしょう。また、保育所保育指針の文章が一部穴埋めになっており、当てはまる単語の組み合わせを答える問題もよく出題されます。保育所保育指針の内容を一字一句覚える必要はありませんが、どのようなことが書かれているか把握しておきたいですね。
記憶力よりも考え方が重要
保育原理の基本を元に、考える力を問われる問題も少なくありません。保育の日常を切り取ったワンシーンが事例として出題され、どのような対応が正解か答えます。これは、暗記だけでは乗り越えられない問題です。事例に対する問題を保育所保育指針に記載されている考え方と照らし合わせ、どのような対応が適切か考える力が求められます。このあたりは、過去問題をくり返し解いて慣れておくと良いでしょう。
思想家の理解は広く浅く
保育原理では、保育の確立に貢献したさまざまな思想家について出題されます。とくに出題傾向が多いのは、以下の人物です。
・フレーベル
・ペスタロッチ
・モンテッソーリ
・ルソー
・倉橋惣三
・野口幽香
・赤沢鐘美
人物の名前だけでも範囲が広いのですが、それぞれ「いつ」「どこで」「何をした」といった功績を記憶する必要があります。とはいえ、解答は〇✕で6割の正解を目指せば良いため「広く浅く理解する」のがポイントです。
まとめ
この記事では、保育士を目指すために欠かせない「保育原理」について解説しました。保育の歴史や基本原則を理解するため、しっかり学んでおきたい科目です。授業で学ぶのももちろん大変ですが、とくに頭を抱えるのが保育士試験での出題内容です。暗記する項目が多く大変ですが、保育所保育指針の読み込みが保育原理を理解する近道といえるでしょう。





