保育士試験の合格率はなぜ低い?何年で合格できるか難易度を解説!

保育士資格を取るために、避けて通れない「保育士試験」。保育士養成校に通って資格を取得する方法もありますが、難しい人にとっては保育士試験への合格が一番の近道です。とはいえ、科目数の多い保育士試験はとにかく合格率が低い…!そこでこの記事では、保育士試験の合格率が低い理由や難易度について徹底解説します。
保育士試験の合格率はわずか「約20%」
厚生労働省によると、令和3年度の保育士試験受験者は83,175名、合格者は合計16,600名(※全科目免除者を除く)でした。合格率はわずか約20%と低く、保育士試験の難易度の高さがわかります。
令和3年度より前の合格率も同じく約20%で推移していましたが、令和4年度は、合格率約30%と高い数値となりました。年によって差はありますが、難易度が高いことに変わりはありません。保育士不足とはいえ「乳幼児の命を預かる大切な仕事」であることから、簡単に取得できる資格ではないといえるでしょう。
※全科目免除者…幼稚園教諭免許状所有者または社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を取得しており筆記試験に対する科目を修得済の人のこと
保育士試験の合格率が低い理由
合格率20%という狭き門の保育士試験ですが、一体なにが難易度を引き上げているのでしょうか?ここからは、保育士試験の合格率が低い理由を3つ解説します。
筆記試験の数が多い
保育士試験の筆記試験には、以下のような8つの科目が設けられています。
・保育原理
・教育原理及び社会的養護
・子ども家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論
これら8つの科目は、得意なものを選ぶのではなく「すべて合格」しなければなりません。科目数の多さが、保育士試験の難易度につながっていると考えられます。それぞれの科目ごとに覚えることが多く、範囲を絞りにくいのも大変なポイントです。
合格ラインが厳しい
筆記試験は、科目数が多いことに加えて「各教科6割以上」で合格という厳しいルールが設けられています。基本の科目は100点中60点以上、教育原理及び社会的養護のみ各分野50点中30点以上の得点が必要です。1科目につき設問は10~20問程度、その数は科目によって異なります。
実技試験がある
なんとか筆記試験にすべて合格したとしても、そのあとに実技試験があります。実技試験は筆記試験合格者しか受験できないようになっており、以下の3つの科目から2つ選んで挑戦します。
・音楽に関する技術(弾き歌い)
・造形に関する技術(造形表現)
・言語に関する技術(素話)
筆記試験とは異なり、面接官の前で歌ったり話したりするため緊張との戦いになります。笑顔を作れなかったり、指定された課題に添えなかったり、本番でのミスが不合格につながってしまいます。難易度の高い筆記試験に合格、さらに実技試験をクリアした人だけが保育士資格を取得できるため、どうしても合格率が低くなってしまっているようです。
一発合格は可能?平均で何回受験すれば合格できる?
難易度の高い保育士試験ですが、一発合格は至難の技です。厚生労働省の資料によると、2回受験の人が全体の3割と最も割合が多く、次いで3回受験の人が2割程度となっています。なかなか合格につながらず、6回以上受験している人も1割…!平均的には2~3回の受験で合格できる人が多いようです
保育士試験は諦めなければ合格できる!
難易度の高い保育士試験ですが、諦めずにくり返し受験することで合格につながる可能性はゼロではありません!保育士試験には、以下のようなチャンスがあります。
筆記試験はマークシート
科目数の多い筆記試験ですが、解答はマークシートとなっています。いくつかの選択肢から当てはまる記号を選ぶため、2択程度に絞れると正解する可能性がグッと上がります。合格ラインの6割に届くよう、いかに選択肢を減らせるかが合格のカギといえるでしょう。
一度合格した科目は3年間有効
筆記試験は、一度合格した科目は3年間有効です。つまり、1年目に合格した科目は3年目まで合格のままなので受験し直す必要がありません。まとめて8科目の受験勉強を進めるのはとても大変ですが、1年目に3科目、2年目に3科目、3年目に2科目と計画を立てて取り組むことで、手堅く合格を狙えるといえます。
年に2回受験できる
保育士試験を受験する機会は、もともと年に1回のみでした。しかし、平成27年度から保育人材の確保を図るために地域限定保育士試験が実施され、翌年にはそれに加えて通常の保育士試験も年2回へと変更されました。1年に2回チャンスがあると考えると、少し気が楽になるのではないでしょうか
保育士試験に合格するための対策やポイント
合格率が低いとはいえ、なるべく早く合格して保育士資格を手に入れたいもの。ここからは、保育士試験に合格するための対策やポイントを解説します。
通学で学べる講座を利用する
「独学で勉強する自信がない」「誰かに見られていないとやる気がでない」という人は、保育士試験対策をおこなっている通学講座の利用がおすすめです。通学講座では、筆記試験の勉強をおこないながら、講師から直接指導を受けられます。わからないことはその場で質問できるため、独学よりも理解が深まりやすいといえるでしょう。
通信で学べる講座を利用する
「通学する暇はないけど独学は難しい」「とにかく効率良く勉強したい」という人は、保育士試験対策をおこなっている通信講座の利用がおすすめです。わかりやすいテキストが用意されており、講師から添削指導を受けられるサービスも。自宅にいながら、効率良く保育士試験対策をおこなえます。
テキストや参考書を使う
「通学・通信講座を利用する余裕がない」「まずは手軽に勉強を始めたい」という人は、保育士試験対策用に販売されているテキストや参考書を活用してみましょう。テキストはやる気を失わないよう、薄いものからチャレンジしていくのがおすすめです。
勉強時間の計画を立てる
8科目、すべて6割以上の点数を獲得するためには、計画性が欠かせません。まずは全教科の内容を確認し、自分のとっての「得意」「不得意」を把握します。感覚で過去問題を解き、なんとなく雰囲気をつかんでみても良いでしょう。そこから、試験日までの日数を逆算し、学習スケジュールを立てていきましょう。
過去問を活用する
それぞれの科目の内容を理解し、ある程度勉強が進んだら過去問題に取り組みましょう。保育士試験は、例年問題の形が似ているため過去問対策の効果は絶大です。過去5年分は、しっかりチェックしておきましょう。
まとめ
この記事では、保育士試験の合格率や難易度について解説しました。簡単な試験ではありませんが、マークシートであることや年2回のチャンスがあること、合格した科目は3年間有効であることを考えると、合格への道はそう遠くはありません。1年で取りきろうとせず、計画性を持ってチャレンジすることが大切です。






