保育ドキュメンテーションとは?やり方と実用的な方法を解説

保育ドキュメンテーションとは?
保育ドキュメンテーションとは、子ども達の活動を写真や動画・音声・文字などで視覚的に毎日記録することです。
保護者に向けた写真付きのおたよりというイメージではなく、子どもの成長を視覚化することで、保育内容の充実化や家庭との連携を密にするためのツールとなります。
保育士の仕事量が増えるのでは…と心配している保育士さんもいるかと思いますので、負担を増やすことなく運用する方法や、保育ドキュメンテーションの必要性・やり方・活用法を解説していきます。
保育ドキュメンテーションとはなぜ必要?
保育ドキュメンテーションを行うことによって、日々の保育にどのような効果があるのかがわかると取り組みやすくなるかと思いますので、まずは保育ドキュメンテーションの必要性について紹介していきます。
1.子どもの発達や興味を主体とした保育活動を考えられる
保育日誌などで日々の保育を記録しているかと思いますが、文章を改めて読み直すことは時間的にもなかなか難しいのでないでしょうか。
そこで保育ドキュメンテーションのように写真や動画にコメントを残す方法を取り入れることで、子どもの表情や行動を鮮明に記録に残すことができます。
その中で、「この遊びは発達的に難しかった」「この遊びへの興味が強くもっと深掘りしよう」など、子どもの発達や興味を主体とした保育活動へと繋げることができます。
2.子どもの学びが豊かになる
保育ドキュメンテーションを取り入れることにより、保育士さん自身が子どもを主体とした遊びを展開できるようになると、子ども達の遊びが充実し学びが豊かになります。
子ども達は興味があることには夢中になり、遊びを通してやる気や主体性が身についていきます。
全体を把握しながら保育することは基本ですが、なかなか一人ひとりの表情までを記憶しておくことは難しいので、子ども達が夢中になる様子を見逃さないためにも保育ドキュメンテーションは有効的と言えます。
3.保護者との連携が円滑になる
保護者とゆっくりと話す時間がないと感じている保育士さんは多いのではないでしょうか?
子どもの可愛い姿や頑張った姿を伝えたいのに伝えきれない…というのももどかしいですよね。また、保育園で楽しく過ごせているのか不安を抱えている保護者もいると思います。
そこで、保育ドキュメンテーションでダイレクトに子どもの様子を伝えることで、保護者にも園の取り組みに共感してもらったり、子どもの興味があるものを家庭でも取り入れてもらえたりと、園と家庭を繋ぐ役割も担ってくれます。
保育ドキュメンテーションのやり方
保育を充実させてくれる保育ドキュメンテーションですが、闇雲に始めてもうまくいかないので、基本的なやり方を紹介していきます。
このやり方でなければいけないというわけではないので、やりやすいやり方に変換して実践してみてください。
①記録する活動のテーマを決める
まずは撮影する保育活動を絞りましょう。主活動の他にも遊びも準備しているかと思いますが、子どもの変化を継続的に見ていくには撮影のテーマを1つに絞るのがポイントです。
②写真を撮影する
カメラ目線の写真を撮るのではなく、
・子どもが夢中になっている姿
・友達と楽しんでいる姿
・悔しがる姿やもう一度頑張る姿
といった、子どもの心が動いている瞬間を撮影しておきましょう。
また、準備した遊びに興味を示さない姿も撮影しておくと、「なぜ興味を示さなかったのか」「どんな声掛けが必要だったのか」など、その子にあった遊びの提供や声掛けを保育士同士で話し合うきっかけにもなります。
③写真にコメントを書く
記録する活動のテーマのタイトルを決め、写真や動画に対してコメントを入れていきましょう。
タイトルは保育活動(「泥んこ遊び」「どんぐり拾い」「アスレチック遊び」など)でOKです。
コメントには、活動内容・何に夢中になっているのか・何を感じているのかなどを記載しておくと伝わりやすくなります。
保育ドキュメンテーションの活用方法
作成した保育ドキュメンテーションを有効的に活用する方法を紹介していきます。
1.保育日誌に活用する
保育日誌を作成しているにもかかわらず保育ドキュメンテーションを作成するのは二度手間なので、保育日誌として活用するのがおすすめです。
文章よりも臨場感が伝わりやすいので、他の保育士さんが見てもわかりやすいですよ。
2.保育園に掲示して子どもも保護者も見られるようにする
今日の保育の様子を掲示板に記載している保育園もあるかと思いますので、それを保育ドキュメンテーションに変換してしまうのもおすすめです。
保育日誌用に作成したものをそのまま貼り出してもいいですし、玄関先で動画を流す・保育園のHPに掲載する・園だよりに掲載するなど、さまざまな方法を活用してみてください。
保育ドキュメンテーションで保育士の負担が増えるのはNG!
多くの保育士さんが不安視しているのは、保育ドキュメンテーションを取り入れることで業務負担が増えてしまうことではないでしょうか?
保育ドキュメンテーションを取り入れつつ保育士さんの負担を減らすには、保育士さん個人ではなく保育園全体が変わる必要があります。
それは、保育園のICT化です。ICT化とは、アプリやインターネットなどを使って保育業務や雑務・保育園と家庭との連携を円滑にする取り組みのことです。ICT化では、業務を簡素化しながら保育に力を入れやすい環境に整えることができます。
例えば、登後園記録・欠席や遅刻の申請・保護者への一斉連絡・日々の書類作成などを、アプリ等で管理することができます。
手書きで保育ドキュメンテーションを作成するのは大変なので、ICT化を取り入れて保育士さんの負担を増やすことなくよりよい保育を目指してください。
まとめ
保育ドキュメンテーションを取り入れることで、子どもの姿を捉えやすくなり、保育士さん自身も保育が楽しくなります。
保育士さんの負担が増えないように、保育園全体で考えながら保育ドキュメンテーションを検討してみてください。







