レディネスとは?保育園での使い方|メリット・デメリットを解説

レディネスとは、心理学用語の一つで「学習意欲を高めるのに役立つ」概念です。近年注目されており、ビジネスシーンや教育現場など、さまざまな業界に広がっています。そして保育現場でも、レディネスを活用することが増えてきました。そこで今回は、保育園でレディネスを活用する時の使い方や、レディネスのメリット、デメリットを紹介します。現場で働く保育士さんは、ぜひ参考にしてください。
レディネスとは?
まずは、レディネスについて解説しましょう。
レディネスは学びの準備が整った状態
レディネスとは、学習のための準備が整った状態のことです。レディネスは、「心身の準備性」と呼ばれることもあります。人が学びを習得するとき、前段階として学びを習得するための土台を作ることが大切であるという考え方です。そして、学習を取得する土台ができた状態を「レディネスができている」「レディネスがある」と表現します。
レディネスはゲゼルが提唱した
レディネスは、アメリカの心理学者であり小児科医のアーノルド・ゲゼルが提唱した概念です。ゲゼルは、一卵性双生児を使ってあるテストをしました。それは、双子のうちの一人には生後45週目の早期から階段上りを訓練し、もう一人には生後53週目に階段上りをスタートさせるというテストです。このテストでは、後から訓練をスタートした子の方が早く階段を上れるようになりました。このテストによってゲゼルは「成熟優位説」を唱え、また成熟優位説から「レディネス」の概念ができたとされています。
レディネス|保育園での使い方
次に、レディネスを保育園で使う擬態的な方法を紹介しましょう。
ひらがなを習得するとき
ひらがなを習得させたい時期に向けて、ひらがなについての子どもの興味や関心を引き出しながら保育するとよいでしょう。絵本の読み聞かせをしながら文字の書いてある部分をなぞってみる、「あ」がつく言葉を想像しながら出す時間をつくってみるなどが例にあげられます。しりとりなどの言葉あそびも、言葉や文字への意識づけになるでしょう。
英語を習得するとき
英語を習得させたい時期に向けて、英語についての子どもの興味や関心を引き出しながら保育するとよいでしょう。朝の挨拶に英語で「Good morning!」と挨拶してみる、朝の会で簡単な英語の歌を歌ってみるなどが例にあげられます。外国人と触れ合う機会や、外国の文化を子ども達に紹介してみるのもおすすめです。
算数を習得するとき
算数を習得させたい時期に向けて、算数についての子どもの興味や関心を引き出しながら保育するとよいでしょう。子どもと散歩へ出た時に、咲いている花の数を数えてみることや、遊びの順番を待つ際に数を数えるなどが例にあげられます。指の数、体のパーツの数を保育士と数えてみるなども簡単にできる数への興味づけにおすすめです。
レディネスを活用するメリット
では次に、レディネスを活用することによるメリットを紹介しましょう。
楽しみながら学習できる
レディネスを保育に取り入れることで、子どもたちは楽しみながら学習することができます。保育園での生活の中で自然にレディネスができ、言葉や数に興味を持っていくことで学ぶことの楽しさを感じるようになるでしょう。大人が学ばせようとするのではなく、子どもが自主的に楽しみながら学ぶ姿勢になるのは嬉しいメリットです。
意欲や吸収率が上がる
レディネスが高まると、学習に対する子どもの意欲や吸収率が上がります。「もっと知りたい!」「どうしてなのだろう?」と子どもが自ら頭を使って考えながら学習するので、脳が活性化され、よりインプットしやすい状態で子どもたちは学ぶことができるでしょう。
レディネスを活用するデメリット
レディネスを活用することによるデメリットもみていきましょう。
保育士の業務が増える
レディネスを保育に取り入れると、そのための保育計画を立てる必要があります。学習させたい内容に対して、前段階で導入を計画していくため、保育士の業務としては増えるでしょう。クラスの子どもたちのレディネスがどのくらい備わってきたか、保育士が考えながら保育計画を立てていきます。その分、負担が増えるのはデメリットだといえるでしょう。
レディネスレベルがわかりにくい
レディネスがどのくらい浸透しているのかは、目に見えません。また、レディネスを保育に取り入れたことで学習の習得に効果があったのか、その判断や比較するのは難しいでしょう。はっきりとレディネスの効果が感じられないところは、デメリットかもしれません。
保育にレディネスを取り入れてみよう!
いかがでしたか?今回は、保育園で活用して欲しいレディネスについて解説していきました。レディネスの保育園での活用方法や、メリットやデメリットについて理解できたのではないでしょうか?レディネスは、保育以外にもビジネスシーンや教育現場などで活用され、今注目されている概念です。子どもたちが学ぶことへの意欲を高め、就学に向けて楽しみながらさまざまなことが吸収できるように、ぜひレディネスを保育計画に活用してみましょう。






