閉じる保育園の散歩マニュアル！ねらいや注意点を押さえて安全な散歩を
保育園の散歩は、子どもたちの適度な運動をさせ、交通ルールや社会性を学ばせる目的があります。一方危険な事故等が増え、必要性を問う声も。今回は保育園の散歩のねらいや楽しく安全に実行するための準備や注意点、持ち物を紹介するので参考にご覧ください。
保育園の散歩のねらいと必要性
保育の活動の一環として行われる「散歩」はどのようなねらいがあるのでしょうか。保育園の散歩は、子どもが身近な自然や地域社会の人々と触れ合い豊かな経験を育む目的があります。
具体的にどのような目的があるのかを紹介します。
子どもの心身の健康や感受性を育む散歩
草木や生き物など自然に触れ合い季節を感じることで感受性が育まれます。保育士は「葉っぱの色が違うのはどうしてかな」「この花の名前は何かな」などの問いかけも合わせて行い、子どもたちの興味を引くようにしましょう。
保育園の散歩には子どもたちに適度な運動を行わせる目的もあります。運動量を増やすことで体力も向上し、気分のリフレッシュできます。
他者との関わりや交通ルールを学ばせる散歩
保育園の散歩はクラスごとや学年ごとなど集団で行うものです。「前の人にぴったり着いていこう」「先生の言うことを聞こう」と周りとの関わりを考えるようになります。
地域の人と関わることができるのも散歩の特徴です。あいさつをするなど社会性を身に付けるためにも散歩は必要となります。
散歩は保育園外を歩くので交通ルールを守らなくてはいけません。信号や横断歩道の守り方など散歩中の先生や街の様子によって交通ルールを学ぶことができます。
保育園の散歩中の危険
散歩中は道路で歩行者や自転車、車とすれ違う場面が多くあります。子どもがいきなり走ったり、相手が子どもに気付かずに事故に発展してしまったりと危険が潜んでいます。周囲に気を配り危険を回避しましょう。
保育園の外は子どもが歩き慣れず、小さな段差などでも子どもがつまずく可能性もあります。また公園などの遊具で転落や怪我をする可能性があります。事前に回避できる危険をチェックした上でトラブルを最小限に押さえましょう。
これらの事故や怪我などのトラブルが起こらないようにするためには具体的に何に注意すれば良いのでしょうか。
保育園の散歩前に準備しておくこと
事故や怪我などが無いように楽しく散歩をするには「安全の確保」が必要です。夏の暑い日には熱中症や日焼けにも気をつけましょう。トラブルが無いように散歩を行うためには入念な準備が大切です。
ではどのような準備をしておけば良いのでしょうか。事前に調べておく準備を紹介します。
車や人の少ないコースや時間帯を選ぶ
交通量が多い道や時間はその分事故が発生する危険も高まります。自動車のよく通る大通りは避けましょう。歩行者用道路と車道の間にレールがある道であれば、子どもが歩く時の目安にもなるので安心感が高まります。
時間帯は通学や通勤ラッシュの落ち着いていて、気温が高くなりすぎない午前10時頃がおすすめです。
散歩ルートの下見をする
事前に散歩コースを設定したら実際に歩いてみましょう。車通りが少なくてもすれ違いのできないような細すぎる道も避けるのが無難です。
砂利の多い道や段差が多い道ではないか、事故多発の看板があるなど危険の多い場所ではないかも注意してみましょう。
計画書やマップを作成する
下見が終わったら散歩の流れや注意点を記した計画書を作成します。会議などで他の保育士と共有しましょう。
散歩の注意点は保育士だけでなく、保護者や子どもにも共有する保育園もあります。その際にマップなどで季節を感じる草花の紹介や遊具の説明などができると散歩が楽しみになりそうです。
保育園の散歩前に子どもたちに教える約束とルール
保育園の散歩をする前の準備として、事故を防止するためのルールや約束を子どもたちと確認しておく必要があります。
ただ従わせるのではなく「このルールがあるのはどうしてか」問いかけて考えさせるように導きましょう。約束が多すぎると覚えられないので、以下のような多すぎずわかりやすい約束をするのがおすすめです。
交通ルールを守り安全に過ごすための約束
子どもたちがはしゃいだり走り回ったりしては安全な散歩ができません。「前の人を抜かさず、なるべく離れずに歩く」「車道に飛び出さない」などの基本的な交通ルールを集団で守るような約束をしましょう。
他にも公園で遊ぶ際には「車道に近い場所では遊ばない」ことや「靴がしっかり履けているかチェックする」など注意を呼びかけるタイミングも考えましょう。
社会性を育むための約束
散歩では交通ルールだけでなく公共の場の社会のルールについても教えるようにしましょう。「お店のものや人のものに勝手に触らない」「人の家の敷地内には入らない」などは、散歩以外でも社会生活をする上で守らなければならないルールです。
社会の一員として「地域の人にあいさつをする」ことも心がけましょう。保育士があいさつすれば子どもたちも明るくあいさつできるはず。地域の人との交流で楽しい散歩にしましょう。
保育園の散歩の持ち物チェックリスト
散歩の持ち物で必要な物がいくつかあります。子どものオムツや着替え・予備の飲み物・タオル・ティッシュ・救急セット・ビニール袋・虫よけスプレー・日焼け止め・計画書・お散歩マップ・子どもの名簿・警笛・防犯ブザー・敷物・カメラなどです。
夏場は特に熱中症に気をつけなくてはいけないので予備の飲み物は必須です。怪我をした時のためにタオルやティッシュ、救急セットも必要です。保育園や近くの病院の電話番号を携帯電話に登録したりメモしたりすればトラブルが起きた時にすぐに対処できるので忘れずに用意しましょう。
保育園の散歩中に気をつけること
子どもたちと約束の確認をする
先ほど交通ルールを守り安全に過ごすための約束と楽しく社会性を育むための約束を紹介しました。
散歩前に確認しても子どもたちはいろいろなものに目がいって忘れてしまいます。散歩中にも声かけをしてルールを守れるように子どもたちみんなで約束を確認し合いましょう。
横断歩道は子どものペースで無理せずに渡る
保育園の外の道路では横断歩道を渡ることもあるはずです。子どもの歩くスピードはバラバラでなので急かさず無理に渡らせないようにしましょう。
「赤信号だけでなく黄色信号も渡らない」ことを子どもにも声をかけながら渡りましょう。
注意喚起のため声かけを忘れない
子どもたちは好奇心旺盛で、目の前のことに集中して周りが見えなくなりがちです。園児の注意を引くようにルールの声かけを何度もするようにしましょう。
ルールを守るだけでなく、楽しむのも散歩をする上で大事なことです。「この花は何の花かな」「もうすぐ雪が降りそうだから楽しみだね」など季節を感じる草花や気候を共有しましょう。
出会う地域の方へにあいさつをする
社会性を育むために地域の方との交流も必要です。「おはようございます」と保育士が言えば子どもたちも元気よく言うはずなので、お手本となるようなにこやかなあいさつを心がけましょう。
道を譲ってもらったお礼も忘れないようにしましょう。
安全に配慮して保育園の散歩を楽しみましょう
保育園の散歩のねらいは、楽しみながら感受性や社会性を身につける学びの一環。ですがまずは安全確保が優先されます。
今回紹介した散歩に潜む危険や注意点を事前に確認しておき、子どもたちが安全な散歩を楽しめるように心がけましょう。
