【保育士】仕事を効率化する方法とは?行事・書類・製作別の工夫12選

考える保育士さん
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保育士は子ども達の保育だけでなく、日々さまざまな業務を抱えています。「保育士を辞めたい」と考える人のなかには、賃金に見合わない業務量に不満を抱えているケースも多いのではないでしょうか?
保育士不足や働き方改革の視点から考えても、保育士業務の効率化は重要な課題といえるでしょう。
そこでこの記事では、保育士の仕事を効率化するアイディアをご紹介します。行事・書類・製作に分類して、仕事の工夫を解説しますので参考にしてください。

保育士の業務が多い理由は?

お話を聞く保育士さん
保育士ひとりが抱える業務量が多くなってしまう原因はさまざまです。まずは、なぜ負担を感じてしまうのか原因を明確にしましょう。

慢性的な保育士不足

保育士の業務負担が大きい理由として、慢性的な保育士不足が挙げられます。年中求人を募集しているにもかかわらず、応募が集まらない保育園も少なくありません。
保育園を運営する際に必要な保育士の配置基準は、国によって定められています。配置基準ギリギリの人数しか確保できていなければ、保育士は常に手一杯の状態になります。
「フリーで動ける保育士がいない」「行事の準備や書類仕事のために保育を抜けられない」となると、抱えている業務は保育終了後におこなわなければなりません。このような状態が続けば、業務量の多さに悩んで退職する保育士が多くても無理はありません。

保育園行事が派手

保育園でおこなわれる行事の種類や規模は、園の方針によって大きく異なります。そのため、大掛かりで派手な行事をおこなう保育園ほど、業務量が多くなる傾向があります。
昨今は、保育士の負担を軽減するために、行事の簡素化を進める保育園も少なくありません。しかし、伝統があり一連の行事が慣例化されている場合は、なかなか雰囲気を変えられないことも。保育園によって差が大きいため、改善の余地があるポイントともいえるでしょう。

ICTシステム未導入

保育士の大きな負担となっているもののひとつとして、書類仕事が挙げられます。保育をおこなううえで必要な書類は、以下のように多岐にわたります。

保育年間行事計画
指導案(月案・週案・日案)
個人記録
保育日誌
連絡帳
おたより

上記の書類を、保育時間内にすべて作成するのは困難です。これらの作業は、ICTシステムを導入して一括管理できれば、書類作成の効率化につながります。

しかし、従来通り手書きで作成している保育園も少なくありません。手書きの場合は作成や書類整理に時間がかかってしまい、保育士の大きな業務負担となってしまいます。

【行事編】保育士の仕事効率化アイディア

運動会
保育園では、季節に合わせてさまざまな行事がおこなわれます。それぞれの行事には、子ども達に「季節の移り変わりを感じてもらいたい」「お友達と協力する喜びや達成感を感じてもらいたい」などのねらいが込められています。

そのため、安易に行事を削減することはできません。とはいえ、企画・準備・運営が保育士の負担になってしまうのは問題です。ここからは、行事に関する仕事を効率化するアイディアをご紹介します。

行事のあり方を見直して簡素化する

「保育士の負担が大きいため運動会は中止にしよう」など、極端な効率化を実施すると、保護者や子ども達をガッカリさせてしまいます。まずは、行事のあり方を見直してみてはいかがでしょうか?

例えば、製作展と運動会の時期が重なって保育士の負担が大きくなるようであれば、実施時期をずらしたり、行事を簡素化したりするだけでも負担を軽減できます。

1日がかりの運動会であれば、半日に縮小しても良いでしょう。生活発表会での演目が多く、指導に手が回らないようであれば、ひとクラスあたりの出番を減らしても構いません。

行事自体を中止にするのではなく、縮小や簡素化をおこなうだけでも保育士の負担が少なくなるのではないでしょうか?

行事の役割分担を明確にする

行事をおこなうにあたって、役割分担はとても大切です。ひとりの保育士に負担がかかりすぎないよう、職員会議などでバランス良く采配できると良いですね。

その際、得意分野を意識するとそれぞれの負担を軽減できます。ピアノが苦手な保育士が伴奏の担当になると、練習に多くの時間を取られてしまいます。得意な保育士が担当すれば、楽譜を見ただけで簡単に弾けるかもしれません。

また、劇の衣装や小道具を製作する、おたよりを作成するなどの場面でも、苦手な保育士だと仕上げるまでに大変な苦労を要します。保育士がそれぞれの得意不得意を認め合い、バランスよく分担できると良いでしょう。

1年間のスケジュールをつける

行事の企画や準備にかかる時間は限られています。細部にこだわるほど、保育士の業務負担が大きくなってしまうでしょう。仕事に追われるような環境を作らないためにも、まずは1年間のスケジュールをつけてみましょう。

「〇月〇週目に子どもの製作を開始」「〇週目までに書類作成」など、行事から逆算してスケジュールを計画します。予定がズレてしまった、ほかの行事準備と重なったなどの反省をもとに、翌年は前倒しにするなど改善の目安となります。

1年前の記憶力となると誰もが曖昧になってしまいます。細かいスケジュールを残しておくことにより「この行事にどこまで手をかけられるか?」と、簡素化を意識できるようになりますよ。

既製品の購入を検討する

保育園によっては、行事のたびに手作りの記念品を贈呈することもありますよね。しかし、手をかけるほど保育士の負担は大きくなります。そのため、予算に余裕があれば、既製品の購入を検討してみてはいかがでしょうか?

同じく、衣装や製作物の準備でも既製品はとても便利です。土台となる材料を購入して、簡単にアレンジするだけでも業務効率化につながります。

【書類編】保育士の仕事効率化アイディア

パソコンを打つ手
保育士は、日々さまざまな書類作成に追われています。しかし、保育士が不足している保育園では、保育中にパソコンを触ることもできません。とはいえ、残業や持ち帰り仕事が多くなると、保育士の離職増加につながってしまいます。

そこでここからは、書類業務の効率化アイディアをご紹介します。保育園の方針によりICTシステムを導入できなくても、ちょっとした工夫で時短につながりますので参考にしてみてくださいね。

パート保育士にも書類を分担する

「書類は正職員の仕事」と位置づけられている保育園が多いかもしれません。また、保育園によっては、パート保育士の採用時に書類仕事ナシと条件を出していることも。

明確な決まりがないようであれば、ぜひパート職員にも書類を担当してもらいましょう。とくに、連絡帳の記入は正職員よりも細かい内容を書けます。主担任が活動を進めるために全体を見ている間、パート保育士はそれぞれの子ども達をより近くで見守っています。

パート職員にしか分からない些細なエピソードを連絡帳に残すことで、保護者に「しっかり見てくれている」という安心感を与えられるというメリットもあります。

書類のフォーマットをつくる

毎日、毎月、毎年使用する書類は、テンプレート化をおすすめします。日付けを加えるだけで使えるフォーマットを作成しておけば、書類作成の時短になります。

また、そのような書類は保育士全体で共有できると良いでしょう。既に作成している書類を個人のものとして取り扱うと、とても効率が悪くなります。

誰が見ても分かるように、ファイル名や項目を統一させるなど、保育士間の連携が時短につながります。

おたよりに役立つサイトや画像を保存する

毎月発行するおたよりも、保育士の大切な業務です。保護者が読みやすいよう工夫することも大切です。また、子どもたちの様子や持ち物の案内など配分やレイアウトを考えるのも大変な作業といえます。

そのため、おたよりに活用できるあいさつ文や、レイアウト事例が豊富なサイトをお気に入りに保存しておくことをおすすめします。また、よく使用する画像やフレームは、すぐに使えるようにしておくと時短につながります。

書類の配布を中止して掲示板に貼り出す

各家庭に書類を1枚配布するだけでも、以下のような作業が必要となります。

 お知らせする内容をまとめる
 レイアウトを考えながら作成する
 内容や誤字脱字のチェック
 印刷・記名・配布

メールで配信できる保育園であれば、効率的に進められます。しかし、そのようなシステムを導入していないとなると大変です。

それぞれの家庭に配布するほどでもない内容であれば、保育園の玄関先に掲示板を設置して、1枚貼り出すだけでも良いでしょう。送迎時に保護者自身に確認してもらう流れができれば、業務効率化につながります。

【製作編】保育士の仕事効率化アイディア

にわとりの親子の貼り絵
保育園では、日々さまざまな製作をおこなっています。子ども達のために欠かせない活動であり、季節ごとに工夫をこらしている保育士が多いでしょう。


一言で製作といっても、季節感を感じられるよう保育士が飾る壁面製作と、子ども達自身が月齢に合わせておこなう製作遊びがあります。

どちらも時間がかかるため、持ち帰って製作している保育士も少なくありません。そのような負担を軽減できるよう、製作の効率化アイディアをご紹介します。

製作物はラミネート加工して保存する

壁面用に準備した製作物は、ラミネート加工して保存することをおすすめします。ラミネート加工により折れや色褪せを防ぎ、次の季節に再利用が可能です。

また、保育士個人の製作物として保管するのではなく、保育園の財産として保管すれば各クラスで共有できます。倉庫に季節ごとの壁面収納ボックスを設けておけば、新たに製作する時間がなくても安心です。

同じように、パネルシアターやエプロンシアターなども、個人ではなく保育士間で共有できるよう保管しておくと良いでしょう。

季節の製作アイディアをまとめておく

季節が変わるごとに保育士を悩ませるのが、製作のアイディアです。月齢ごとにできる活動が異なるため、保育士同士で意見が割れることも多くあります。

そのようなトラブルがないよう、事前に製作のアイディアをまとめておくと安心です。また、月齢ごとの製作手順を考えてまとめておけば、題材を決める際のヒントになるでしょう。

保育士同士で情報共有や協力を心がける

保育士同士で、製作に関する情報を共有し合えれば協力体制を築けます。例えば、クラスに関係なく手が空いた保育士が「製作担当できます」と声を挙げれば、負担がかかっている保育士の手助けが可能です。

例えば、お誕生日を迎える子どもの手形を取る際は、ほかのクラスにも手形が必要な人がいないか声をかけます。そうすれば、何度も絵の具を準備する必要がなくなりますよね。情報共有と保育士同士の協力があれば、製作作業の時短につながります。

時短アイテムを活用する

保育園での製作は、細かい作業が多くなります。そのため、時短アイテムは積極的に取り入れて業務効率化を目指しましょう。

例えば、ペープサートやパネルシアターは下書きから色塗りまで製作に相当な手間がかかります。プリンターを活用してカラー印刷してしまえば、あとはハサミでカットするだけで使用可能です。

また、同じ形を何度も切り抜きたいときは「クラフトパンチ」、丸型を素早くカットしたいときは「コンパスカッター」など、時短につながるアイテムはたくさんあります。予算の関係もあると思いますが、保育園で買い揃えておけば製作の時短につながること間違いなしです!

保育士の業務効率化によるメリット

手を広げている保育士さん
仕事を効率化できれば、業務量の多さに不満を持つ保育士の離職を止められるかもしれません。労働環境の改善は、保育士の離職率に大きな影響を与えるはずです。

また、時間にゆとりができれば、子ども達のことを考える時間も増えることでしょう。質の高いサービスにつながれば、保護者からの評判も良くなります。

業務量の少なさが保育士確保につながり、保育士確保が保育士の業務負担の軽減につながります。業務の効率化は、保育園に良い循環をつくるといえるでしょう。

まとめ

保育士の業務は多岐にわたります。子ども達のためとはいえ、保育士が不足している状態ですべてを完璧にこなそうとすると、負担の多さから離職につながる恐れがあります。

行事の簡素化や書類作成の効率化、保育士間での製作物の協力体制は、保育園内に良い風をもたらします。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
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