保育士必見!慣らし保育とは?目的や期間、保護者に確認しておくべきことを解説

初めての保育園に、早く馴染めるように実施される「慣らし保育」。保育士として、子どもへの接し方や保護者との関係構築に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、慣らし保育の基本と合わせて、子どもが泣く理由や保護者との信頼関係の築き方を詳しく解説します。慣らし保育を担当する保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そこでこの記事では、慣らし保育の基本と合わせて、子どもが泣く理由や保護者との信頼関係の築き方を詳しく解説します。慣らし保育を担当する保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
慣らし保育とは?
慣らし保育とは、新入園の子どもが安心して保育園に通えるよう、環境に慣らす期間です。いつも一緒にいた保護者と離れ、知らない場所で過ごす時間は子どもにとって大きなストレスとなります。
初日から在園児のようには過ごせないため、短い時間から保育園に慣らしていく期間を設けているのです。
慣らし保育の目的
慣らし保育は、子どもが新しい環境に慣れることはもちろん、保育士と保護者が信頼関係を築くための大切な期間です。ここからは、それぞれの目的を解説します。
子どもが新しい環境に慣れるための期間
知らない保育士に抱っこされ、周囲には見たこともないたくさんのお友達。そんな新しい環境に慣れるために、慣らし保育をおこないます。
慣れない場所で過ごすことは、ただストレスが溜まるだけでなく、突然死のリスクも潜んでいます。実は、保育預かり初期にSIDS(乳児突然死症候群)の危険性が高いという調査[1] 結果(※1)も存在します。
(※1)https://www.jschild.medall.net/Contents/private/cx3child/2006/006506/017/0836-0839.pdf
慣れない場所で過ごすことは、ただストレスが溜まるだけでなく、突然死のリスクも潜んでいます。実は、保育預かり初期にSIDS(乳児突然死症候群)の危険性が高いという調査[1] 結果(※1)も存在します。
(※1)https://www.jschild.medall.net/Contents/private/cx3child/2006/006506/017/0836-0839.pdf
慣らし保育に対するストレスや、体調不良が関係しているとも考えられます。子どもが安全に保育園に通い続けられるよう、慣らし保育は欠かせないものといえるでしょう。
保育士と保護者が信頼関係を築く期間
慣らし保育は、保育士と保護者が信頼関係を築く期間でもあります。入園前の面談で少し話をした程度では、お互いにまだ不安を感じているはずです。
保護者は、何よりも大切なわが子を預けるわけですから、不安な点は何でも確認しておきたいもの。最初に不信感を抱くような出来事があれば、安心して子どもを預けられません。
募った不満が爆発して、のちにトラブルにつながることも考えられます。慣らし保育中に、保育士が親身になって対応することで関係を築けるといえるでしょう。
保護者は、何よりも大切なわが子を預けるわけですから、不安な点は何でも確認しておきたいもの。最初に不信感を抱くような出来事があれば、安心して子どもを預けられません。
募った不満が爆発して、のちにトラブルにつながることも考えられます。慣らし保育中に、保育士が親身になって対応することで関係を築けるといえるでしょう。
慣らし保育の期間
慣らし保育の期間は、明確には定められていません。保育園で独自に目安を決めている場合もあれば、子どもの様子に合わせて決めることもあります。ここからは、慣らし保育の期間について詳しく解説します。
あらかじめ期間が決まっている
慣らし保育の期間は、保育園によって異なります。一律で「2日間」「5日間」「2週間」など、期間が決まっていることも少なくありません。慣らし保育中の保育時間も、保育園によってそれぞれです。
初日は保護者同伴で1時間、2日間は半日保育など、期間と合わせて保育時間をあらかじめ設定している保育園もあるでしょう。
初日は保護者同伴で1時間、2日間は半日保育など、期間と合わせて保育時間をあらかじめ設定している保育園もあるでしょう。
子どもが慣れるまで延長する
子どもの様子に合わせて慣らし保育の期間を決める場合は、性格や体調によって大きな差が生じます。「ミルクを飲めるようになったら半日保育」「お昼寝できるようになったら1日保育」など、子どもが慣れるまで慣らし保育を延長します。
その場合、子どもの負担は少ないものの、体調を崩して振り出しに戻り、なかなか慣らし保育が終わらないケースも。いかに子どもと短期間で関係を築けるか、保育士の力量も大きく関係するといえます。
その場合、子どもの負担は少ないものの、体調を崩して振り出しに戻り、なかなか慣らし保育が終わらないケースも。いかに子どもと短期間で関係を築けるか、保育士の力量も大きく関係するといえます。
慣らし保育をおこなわない
保育園によっては、慣らし保育をおこなわないこともあります。保護者の負担を減らすため、または子どもの高い対応力を考慮して、慣らし保育は不要と判断する保育園も少なくありません。
とはいえ、保育預かり初期の子どものストレスを考えると、在園児のような保育は難しいもの。保育園として慣らし保育の期間を設けない場合も、初登園の子どもへの手厚い対応は必要不可欠といえるでしょう。
とはいえ、保育預かり初期の子どものストレスを考えると、在園児のような保育は難しいもの。保育園として慣らし保育の期間を設けない場合も、初登園の子どもへの手厚い対応は必要不可欠といえるでしょう。
慣らし保育前に保護者に確認しておきたいこと
慣らし保育をスムーズに進めるためにも、保育士は子どもの特徴をよく知っておく必要があります。ここからは、慣らし保育前に保護者に確認しておくべきポイントをご紹介します。
アレルギーや病歴など子どもの情報
入園前の面談で、アレルギーや病歴の確認をおこないます。しかし、紙に記載された内容だけでは、しっかり情報共有できないかもしれません。場合によっては、栄養士を交えた相談が必要となります。保護者が不安を感じないよう、丁寧に対応しましょう。
慣らし保育中の保護者の動き
慣らし保育中、保護者が職場に復帰しているかどうかの確認も大切です。復帰前に慣らし保育をするのであれば、およその目安をお伝えする必要があります。育休中や有給休暇を取得して対応される場合は、緊急時にすぐに連絡が取れるようにお願いしておきたいですね。
子どもの好みやクセ
子どもの好みやクセを聞いておけば、慣れない場所での不安を和らげられるかもしれません。「耳を触ると安心して眠れる」「離乳食はおかずから食べたがる」など、小さな情報でもメモに残しておきましょう。家庭と同じように対応できれば、子どもが泣く回数を減らせるはずです。
慣らし保育で子どもが泣く理由
慣らし保育では、ほとんどの子どもが玄関先で涙を流します。なかには状況が分からず、キョトンとしている子もいますが、翌日には預けられることを理解して大泣きすることも。では、慣らし保育で子どもが泣くのはなぜでしょうか?その理由を解説します。
いつも一緒にいる保護者がいなくて不安
子どもが泣く原因のひとつは、保護者と離れることへの不安にあります。どこにも預けられた経験がなく、いつも一緒にいた保護者と離れるとなると大泣きするのも仕方がないことです。
時間の流れを理解できない子どもにとっては、一生の別れと感じるかもしれません。「夕方になれば迎えに来てもらえる」と、理解できるようになるまで少し時間がかかります。
知らない保育士に抱っこされて怖い
初登園時は、保護者から子どもを預かって抱っこで対応します。しかし「知らない保育士に抱っこされて怖い」と、感じる子どもも少なくありません。入園時の月齢によっては、人見知りの時期にあたることも。
子どもの性格によって、顔が見えないように抱っこしたり、抱っこから下ろしておもちゃを持たせたりなど、対応を変えてみましょう。
子どもの性格によって、顔が見えないように抱っこしたり、抱っこから下ろしておもちゃを持たせたりなど、対応を変えてみましょう。
ほかの子どもの泣き声につられる
新しい環境に慣れるのが早い子どもでも、周囲でお友達が泣いているとつられてしまいます。泣かずに遊べる時間が増えてきたら、ほかの子どもとエリアを離すなどの工夫が必要です。
泣き出した子を抱っこして、廊下の景色を見て気分を変えるのもおすすめです。不安がうつらないよう、個別の対応をおこないましょう。
泣き出した子を抱っこして、廊下の景色を見て気分を変えるのもおすすめです。不安がうつらないよう、個別の対応をおこないましょう。
オムツや空腹などにより機嫌が悪い
人見知りや不安は関係なく、ただオムツの不快感から泣いている可能性もあります。もしくは、空腹や寝不足、体調不良のケースも少なくありません。
「慣らし保育中だから不安で泣いている」と決めつけず、まずは基本を振り返ってみましょう。不快感を取り除けば、機嫌が治るかもしれませんよ。
「慣らし保育中だから不安で泣いている」と決めつけず、まずは基本を振り返ってみましょう。不快感を取り除けば、機嫌が治るかもしれませんよ。
慣らし保育中に保護者と関係をつくる方法
慣らし保育に不安を感じているのは、子どもだけではありません。4月入園など、忙しさから対応が雑になってしまうと「うちの子は本当にしっかり見てもらえているのかな?」「こんな保育園に大切な子どもを預けたくない」と、思われる可能性があります。
保護者の不安を払拭して、早いうちから関係を作っておきたいですよね。そこでここからは、慣らし保育中に保護者と関係を作る方法を解説します。
保護者の不安を払拭して、早いうちから関係を作っておきたいですよね。そこでここからは、慣らし保育中に保護者と関係を作る方法を解説します。
正しい言葉遣いで明るく元気に接する
大切な子どもを預ける保護者にとっては、保育士の年齢や職歴は関係ありません。新卒だから、ブランクがあるからと自信のない対応をすれば、保護者にも不安が伝わってしまいます。
反対に、保護者に対して「そんな心配することない」「もっとしっかりして」と、上から目線で意見するのも良くありません。正しい言葉遣いで、明るく元気に接するよう意識しましょう。
反対に、保護者に対して「そんな心配することない」「もっとしっかりして」と、上から目線で意見するのも良くありません。正しい言葉遣いで、明るく元気に接するよう意識しましょう。
どんなに忙しくても子どもを直接受け取る
泣きわめく子どもを抱っこしたり、オムツ交換に追われたり、朝の受け入れ時は大忙しです。しかし、登園準備ができたにもかかわらず、子どもを受け取りに来てくれないと保護者は不安になります。
保育士は、どんなに忙しくても受け入れ時には手をとめて、子どもを直接受け取るよう意識しましょう。「今日も変わりありませんか?」「こっちで遊ぼうか!」と、保護者と子どもに声をかけて、丁寧に対応したいですね。
保育士は、どんなに忙しくても受け入れ時には手をとめて、子どもを直接受け取るよう意識しましょう。「今日も変わりありませんか?」「こっちで遊ぼうか!」と、保護者と子どもに声をかけて、丁寧に対応したいですね。
子どもの様子を直接保護者に伝える
子どもの様子やミルクの量などは、連絡帳に記載します。とはいえ、それだけでは保育園での様子がうまく伝わりません。保育士が忙しそうにしていれば、聞きたいことを聞けずに保護者が不信感を抱く可能性もあります。
子どもの様子はなるべく直接伝え、保護者の質問に答えられるような時間を作りましょう。保護者対応に苦手意識を感じている保育士は、その日の子どもが遊んでいたおもちゃを見せたり、可愛かったシーンを紹介したりすると、しっかり関係を築けますよ。
子どもの様子はなるべく直接伝え、保護者の質問に答えられるような時間を作りましょう。保護者対応に苦手意識を感じている保育士は、その日の子どもが遊んでいたおもちゃを見せたり、可愛かったシーンを紹介したりすると、しっかり関係を築けますよ。
不安をあおるようなことばかり伝えない
子どもの発達や生活リズムには個人差があります。そのため、できなかったことばかり伝えて不安をあおらないよう注意しましょう。「泣いてばかりでお友達を起こしてしまった」「ミルクも全然飲まなくて」と言われると、保護者は大きな不安を感じるはずです。
「保育士に抱かれていると寝てくれるのでしばらく抱っこで対応しますね」「ミルクを飲ませるときのコツはありますか?」など、子どもが心地よく過ごせる方法を、保護者と相談できると良いですね。
「保育士に抱かれていると寝てくれるのでしばらく抱っこで対応しますね」「ミルクを飲ませるときのコツはありますか?」など、子どもが心地よく過ごせる方法を、保護者と相談できると良いですね。
まとめ
慣らし保育は、子どもが保育園に慣れるよう個々のペースに合わせて保育する期間です。笑顔で保育園を楽しめるよう、試行錯誤しながら進めます。また、保護者の不安を払拭するための期間でもあります。
保育士は、保護者としっかりコミュニケーションをとりながら信頼関係を築きます。安心して預けてもらえるよう、丁寧な対応を心がけましょう。
保育士は、保護者としっかりコミュニケーションをとりながら信頼関係を築きます。安心して預けてもらえるよう、丁寧な対応を心がけましょう。






