子どもが爪を噛む3つの心理とは?爪噛みをやめさせる方法を解説

爪を噛む子供
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「子どもが爪を噛んでいるのが気になる」
「爪がボロボロになっているのでやめさせたい」
「子どもの爪を噛む癖が治らずに困っている」

子どもの爪を噛む癖で悩む保護者の方は多く、武庫川女子大学と株式会社イロドリによる調査結果によると、約3人に1人が「爪を噛む癖」に悩んだ経験を持っています。

約半数の子どもが幼少期に直っていますが、中には「成人してから治った」「まだ治らない」というケースもあります。

爪を噛む期間が長いと、感染症や骨格形成に影響を与えてしまうことがあるので、できるだけ早い時期に爪噛みをやめさせることが大切です。

子どもが爪を噛む原因がわかれば癖を直しやすいので、爪を噛む心理や直す方法について具体的に紹介していきます。
保護者から相談されている保育士さんもぜひ参考にしてみてください。

参考:武庫川女子大学と株式会社イロドリによる調査

子どもが爪を噛む3つの心理

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子どもが爪を噛んでしまうのは、大きく分けて以下の3つの心理が考えられます。

●     心理①ストレスや不安を感じている
●     心理②愛情不足を感じている
●     心理③癖や手持ち無沙汰に感じている

特に、心理①と②はその原因を解消することで爪を噛む癖が落ち着くケースもあるので、どのように対応すべきか具体的に紹介していきます。

心理①ストレスや不安を感じている

子どもにとってのストレスや不安とは、環境の変化や成長過程のもどかしさなどが影響します。

例えば、保育園での慣れない場所や慣れない人・友達の中で生活するという環境の変化や、自分の気持ちを言葉で表現できずに友達とうまくいかない・家族や先生に自分の思いが伝わらないといった成長過程のもどかしさが考えられます。

「怖い」「寂しい」「モヤモヤ」「イライラ」といった気持ちを落ち着かせるために爪を噛んでいるかもしれません。

保育園に慣れていないと感じる場合は、特定の保育士さんとの関係を深めて、保育園が安心できる場所だということを感じられるようにしていきましょう。

また、自分の思いを言葉でうまく表現できない場合は、保育士さんが間に入って子どもの気持ちを言葉にしながらスムーズに遊びや生活を送れるように援助することが大切です。

心理②愛情不足を感じている

親が仕事で忙しかったり、下の子が生まれて以前よりも子どもと向き合う時間が減ったことで、爪を噛むようになるケースもあります。

ここで注意しておきたいのが、保育士さんに相談してくる保護者の多くは「愛情不足かもしれない…」と不安を感じているので、この言葉を伝えるのはNG。

保護者は、お子さんのために仕事も育児も頑張っているので、まずは肯定することが大切です。それから、「保育園で爪を噛む姿がみられる時は触れ合い遊びなどを取り入れてみます」など、家庭と共に取り組む姿勢を伝え、保護者も安心できるようにしていきましょう。

愛情不足を疑うケースの場合は、〈爪を噛む=「爪を噛んじゃだめ」と注意される=かまってもらえる〉と思ってしまいなかなか癖が直らないことがあるので、「爪を噛んじゃだめ」という言葉を言わないように家庭でも保育園でも注意するのがポイントです。

心理③癖や手持ち無沙汰に感じている

本当にただの癖や手持ち無沙汰で爪を噛んでしまう子もいます。その他にも眠かったり、爪やささくれが気になったりと、精神的な理由が原因とは限りません。

しかし、精神的な理由ではないからと言って爪噛みを放置しておくのは危険です。
なぜ子どもの爪噛みをやめさせるべきなのかについては、次の章で詳しく解説していきます。

子どもの爪噛みによる3つのリスク

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子どもが爪を噛むことによって、衛生的にも成長過程の骨格にも影響を及ぼす可能性があります。

●     リスク①雑菌による感染症や病気のリスク
●     リスク②爪や指が変形してしまうリスク
●     リスク③歯並びやあごの位置に異常が出るリスク

なぜ、爪を噛むことで上記のようなリスクがあるのかについて解説していきます。

リスク①雑菌による感染症や病気のリスク

爪を噛むことで、指から口へ雑菌やゴミが体内に侵入してしまい、風邪や感染症などの病気のリスクが高まります。
また、爪を噛んで皮膚が露出したり出血を伴ったりすることで、そこから皮膚や爪の感染症につながる可能性もあります。

実際に、爪を噛む癖が原因で敗血症になって入院したり、骨髄炎で指の骨が破壊される病気を発症してしまったケースもあります。
特に子どもはいろんな場所に触れたり、手洗いがしっかりとできていないこともあるので注意が必要です。

リスク②爪や指が変形してしまうリスク

爪を噛む癖がある子は、爪がギザギザだったり深爪になっていることがあります。爪の変形自体は癖が直れば自然と元に戻りますが、変形が強いと元に戻らないケースもあるので要注意。
また、爪を噛む癖が長期間続くと、爪の下の皮膚(爪床)まで短くなってしまい、指先が丸い形に変形してしまいます。

子どもが成長してから指をコンプレックスに感じるケースもあるので、すでに変形がある場合は皮膚科での治療の検討をおすすめします。

リスク③歯並びやあごの位置に異常が出るリスク

爪を噛む癖では、独特な顎の動かし方をしたりよく噛む部分があるため、歯並びや噛み合わせが悪くなります。

よくあるケースとしては、
●     出っ歯(上顎前突)
●     受け口(反対咬合)
●     前歯が噛み合わない(開咬)

などの症状があり、元の歯並びや口元に戻すには歯科矯正が必要になります。

子どもの爪噛みをやめさせる4つの方法

ポーズをとる女性
爪を噛む癖が自然と直るケースもありますが、先ほど紹介したようなリスクが起きる前にできるだけやめさせたいですよね。

しかし、「毎回注意しているのに直らない」というお子さんも多いかと思いますので、以下の4つの方法を試してみてください。

●     方法①爪を噛むタイミングを把握する
●     方法②爪を短く切る
●     方法③専用のマニキュアを塗る
●     方法④別の習慣に置き換える

癖を直すのは簡単なことではないので、「徐々に回数を減らしていく」という気持ちで進めていくことがポイントです。

それではさっそく、各方法の詳しいやり方を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

方法①爪を噛むタイミングを把握する

爪噛みをやめさせるために最も重要なポイントが「爪を噛むタイミングを把握する」ということです。

例えば、

・保育園でお迎えの時間が近づく頃や泣いている時間など、寂しい気持ちを紛らわしている時に爪を噛む様子があれば、保育士さんとの触れ合う時間を増やす。

・きょうだいが生まれたことで自分の気持ちを我慢している時に爪を噛む様子があれば、上の子と過ごす時間を作れるように家庭や保育園で協力できる方法を考える。

・体を動かしたり指先を使った遊びに集中している時は爪を噛まないが、何もしていない時間(眠い・テレビを見ているなど)によく爪を噛む様子があれば、短い時間でも睡眠がとれるように個別対応したり、手を繋いで意識をそらす。

など、爪を噛む癖が出るタイミングや心理状態がわかると、子どもの気持ちを満たすことができるので爪噛みを自然にやめられるようになります。

まずは、家庭と保育園で爪を噛むタイミングや時間帯を共有していくことが大切です。

方法②爪を短く切る

物理的に噛めないように、常に爪を短く切っておくというのがもっとも簡単な方法です。

単に爪が伸びているから無意識に噛んでしまうというケースもあるので、少なくとも週1回は確認してお手入れをするようにしましょう。
忙しくてついつい忘れてしまうということもあるかと思うので、子どもにも「爪が伸びたら教えてね」と伝えておくといいかもしれません。

方法③専用のマニキュアを塗る

専用のマニキュアとは、子どもの爪噛みや指しゃぶり防止のために作られた苦味のあるマニキュアです。

口に入れても安全な商品ですが、

オーガニック成分
無添加
速乾性

などのポイントをチェックして購入することをおすすめします。

専用のマニキュアを塗っていると、手でお菓子を食べる時にも苦味を感じてしまうので、まずは噛み癖のある爪に塗ってみてください。

方法④別の習慣に置き換える

爪を噛む以外に、落ち着ける習慣を探してみましょう。

例えば、

好みの感触のタオルを持たせる
ストレスボールを持たせる
ガムや飴を口に入れる

など、手を口元から遠ざけるアイテムを探してみるのが効果的です。

まとめ

子どもの爪噛みは自然に直ることもよくありますが、衛生的にも成長過程の骨格にも影響を及ぼす可能性があるので、原因を探って子どもの気持ちを満たす対応が大切です。

爪を噛むという行為に対する見た目が気になる保護者の方も多いとは思いますが、焦りは禁物。

イライラして注意してしまうと爪を噛む癖が直りにくくなる恐れもあるので、徐々に直していくという気持ちで、保育園と家庭で情報共有しながら進めていきましょう。
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