保育園で歯磨き指導をおこなうねらいは?ねらい/手順/工夫/注意点を解説

子ども達の健康や歯並びに大きく影響する歯磨き。正しい習慣をつけられるよう、歯磨き指導をおこなうのも保育士の大切な仕事です。定期的に歯科衛生士さんを呼んで、歯磨き指導をおこなっている保育園も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、保育園でおこなう歯磨き指導のねらい・手順・工夫・注意点を解説します。子ども達が正しい歯磨き習慣を身につけられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
そこでこの記事では、保育園でおこなう歯磨き指導のねらい・手順・工夫・注意点を解説します。子ども達が正しい歯磨き習慣を身につけられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
保育園でおこなう歯磨き指導のねらい
子どもが健やかに成長していくにあたり、かかせないのが基本的生活習慣の確立です。「食事」「睡眠」「清潔」「衣服の着脱」を身につけられるよう、保育士はねらいを込めて保育をおこないます。歯磨き指導は、基本的生活習慣の「食事」「清潔」にあたります。
では、歯磨き指導には、どのようなねらいが込められているのでしょうか?ここからは、歯磨き指導の主なねらいをご紹介しますので、指導案作成の参考にしてください。
では、歯磨き指導には、どのようなねらいが込められているのでしょうか?ここからは、歯磨き指導の主なねらいをご紹介しますので、指導案作成の参考にしてください。
子どもたちに歯の大切さを学んでもらう
虫歯のない健康な歯を育てるために欠かせない歯磨き。虫歯になるとおいしくご飯を食べられなかったり、見た目が悪くなったりします。子どもの歯はいずれ永久歯に生まれ変わり、その歯はおじいちゃん・おばあちゃんになるまで一生物です。まずは歯の大切さを学ぶことで、歯磨きの習慣化につなげます。
子どもたちが歯磨きを習慣化できるようにする
歯磨き指導をおこなうことで、子ども達が歯磨きを習慣化できるようになります。歯磨きしない日があると虫歯になったり、歯並びが悪くなったりすることを知り、健康に保つには歯磨きが必要と学びます。乳歯は虫歯になりやすいため、早めの習慣化が大切です。
歯磨きしない子どもを減らす
なかには、毎日歯磨きをしない子どもも少なくありません。保護者が歯磨きを子どもに任せきりにしていたり、あまり重要視していなかったり。子ども自身に歯磨きの大切さを伝えることはもちろん、歯磨き指導のお便りを配布することで保護者にもその重要性を伝えます。歯磨き指導は、保護者へ働きかける意図も込められています。
乳歯を健康に保ち永久歯の土台をつくる
歯磨き指導は、乳歯のうちから口腔内を清潔に保つことで、永久歯の土台をつくるねらいもあります。残念ながら、乳歯の虫歯は永久歯にも関連があります。健康な永久歯への土台がつくられることで、仕上げ磨きがなくなったあとも自分で歯をきれいに保てるようになります。
参考:厚生労働省「歯の健康」
参考:厚生労働省「歯の健康」
歯磨きはいつから?
歯磨き自体は、乳歯が1本でも生えてきたら始めます。ガーゼで口腔内の汚れを拭き取ったり、赤ちゃん用の歯ブラシを使ったりします。ただ歯ブラシで遊んでいるだけでも「食後には歯ブラシを持つ」という習慣をつけることが大切です。
保育園での歯磨き指導は、子ども達の乳歯が生えそろう2~3歳頃から始めます。食後の仕上げ磨きはもちろん、定期的な歯磨き指導により子ども達の理解を深めていきましょう。
保育園での歯磨き指導は、子ども達の乳歯が生えそろう2~3歳頃から始めます。食後の仕上げ磨きはもちろん、定期的な歯磨き指導により子ども達の理解を深めていきましょう。
歯磨き指導をおこなう手順
1~2歳頃のイヤイヤ期は、大人に強要される歯磨きを嫌がることも少なくありません。そのため、無理強いせず楽しく歯磨き指導を取り入れたいですよね。そこでここからは、歯磨き指導の手順を解説します。
自分にもお友達にも歯が生えていることを知る
まずは、子ども達に鏡を渡して自分の歯を確認してもらいましょう。隣に座るお友達にも歯が生えていること、それぞれ大きさや形が違うことを認識します。実際に歯を確認することで、興味関心を刺激します。
歯がどんな役割を持っているか知る
「歯はどんなときに使う?」と、子どもに質問してみましょう。おせんべいをかじったり、大きなお肉を小さく噛み切ったり。歯は食べ物を食べるうえで、欠かせないものだと学びます。
歯磨きの大切さを伝える
「どうしてご飯を食べたら歯磨きをするのか」「歯磨きをしなかったらどうなるのか」などを問いかけ、歯磨きの大切さを伝えます。虫歯に関する絵本などを読んで、歯磨きの大切さを伝えるのもおすすめです。
正しい歯の磨き方を学ぶ
歯磨きの大切さを学んだら、正しい歯の磨き方を学びます。子ども達みんなに見えるよう、大きな模型を使って丁寧に指導しましょう。主に、歯を磨く順番・強さを伝えます。また、歯磨き粉の役割や量の説明も忘れずに。
実際に自分の歯を磨いてみる
正しい磨き方を確認したら、実際に自分の歯を磨いてみましょう。保育士が手を添えても良いですね。このとき、鏡で自分の顔を見ながら、正しい手順や強さでできているか確認することも大切です。
歯磨きを毎日続けられるよう伝える
正しい歯磨きを覚えたら、毎日続けられるよう伝えます。歯磨きカードを活用しても良いですね。しかし、なかには歯磨きに消極的な保護者も少なくありません。保護者にも歯磨きを毎日続ける大切さを伝えるため、歯磨き指導のあとは各家庭にお便りを配布しましょう。
定期的に歯磨きのチェックをおこなう
保育士にとって、給食の時間はとてもバタバタします。給食後の午睡の準備などで大忙しというケースも。とはいえ、定期的に子ども達の歯磨きをチェックする時間を設けることが大切です。「どんな順番でするんだった?」「良い強さで磨けているね」など、声をかけることで子ども達の意識を高められます。
歯磨き指導を楽しんでもらう工夫
ここからは、子ども達により歯磨きを楽しんでもらうための工夫をご紹介します。ぜひ保育活動に取り入れてみてくださいね。
導入に歯磨きをテーマにした絵本や紙芝居を使う
歯磨きの大切さを伝えるときは、難しくならないよう絵本や紙芝居、ペープサートなどを使って視覚に訴えることが大切です。子どもが飽きないよう、導入を工夫してみましょう。
大きくて見やすい歯磨き練習台を用意する
カバやワニの模型など、大きくて見やすい練習台を用意するのがおすすめです。各班に準備すれば見やすさもUPします。子ども達の製作に取り入れて、興味関心を刺激しても良いですね。
歌や音楽に合わせて歯磨きの手順を伝える
歯磨きのコツを音楽にのせて伝えることで、習慣化しやすくなります。子ども達に人気の曲を替え歌にするのもおすすめです。口ずさむうちに、歯磨きを習慣化しやすくなります。
歯磨きのポイントをクイズにして覚えてもらう
歯磨き指導の仕上げに、ポイントを手作りクイズにして覚えてもらっても良いですね。大きな画用紙にイラストを記載して、〇✕で答えられるクイズを準備しましょう。ラミネート加工を施して丁寧に保管しておけば、来年以降も活用できます。
かわいい歯ブラシをプレゼントして気持ちを盛り上げる
歯磨き指導の帰りに、かわいい歯ブラシをプレゼントすることで、子ども達の気持ちを盛り上げられます。幼児クラスにもなれば「今日は歯磨き指導だから歯ブラシもらえるかも!」と、恒例行事のように楽しみにしてくれますよ。
保育園で歯磨き指導をおこなう際の注意点
歯の健康に欠かせない歯磨き指導ですが、保育士の間違った声かけによって歯磨きがキライになってしまう恐れがあります。ここからは、歯磨き指導の注意点をご紹介します。
虫歯の怖さをやさしく伝える
「虫歯になるよ~!」「虫歯は痛いよ~」などと怖がらせすぎると、トラウマになってしまう恐れがあります。虫歯の怖さはかわいいイラストでやさしく伝えてあげましょう。
仕上げ磨きも習慣化する
子どもに歯磨きを任せっぱなしにせず、仕上げ磨きを徹底しましょう。その際、できていないからと叱る必要はありません。根気強く、やさしく寄り添ってあげることが大切です。
嫌がる子どもへ強要しない
歯磨きを嫌がる子どもへ無理強いすると、暴れながらの歯磨きが習慣化してしまいます。一生涯続く歯磨きは、子ども主体でなければなりません。どうしたら楽しく感じてもらえるか、さまざまな工夫を凝らすことが大切です。
まとめ
この記事では、保育園でおこなう歯磨き指導や手順などをご紹介しました。保育園での歯磨き指導は、子ども達の健康な歯を守るために欠かせない活動です。正しい歯磨き習慣をつけることで、虫歯のない永久歯を目指せます。絵本や紙芝居などを使って、子どもたちが楽しく歯磨きできるよう工夫したいですね。






