0歳児の慣らし保育はどう進める?ねらいやスケジュールを徹底解説

0歳児の担任になって最初の課題は「慣らし保育」です。慣れない環境に泣いてばかりの子ども達や、大切な子どもを預けることで不安いっぱいの保護者。それぞれが安心して保育園生活を始められるよう、保育士の丁寧な対応が求められます。
この記事では、慣らし保育のねらいや進め方を徹底解説します。0歳児を担任する保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事では、慣らし保育のねらいや進め方を徹底解説します。0歳児を担任する保育士は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
0歳児の慣らし保育のねらい
0歳児の慣らし保育は、以下のようなねらいを込めておこないます。
子どもが保育園生活に自然に馴染めるようにする
0歳児で保育園に入園する子どものなかには、家族以外に預けられる機会がなかった子どもも少なくありません。そのため、子ども達は急に知らない場所・人に預けられて大きなストレスを感じてしまいます。とても怖いことですが、慣らし保育中の突然死 も考えられます。
なるべく子どもに負担がかからないよう、短時間から保育を始めるのが「慣らし保育」です。少しずつ預かる時間を伸ばし、子ども達が保育園生活に自然に馴染めるようにというねらいが込められています。
なるべく子どもに負担がかからないよう、短時間から保育を始めるのが「慣らし保育」です。少しずつ預かる時間を伸ばし、子ども達が保育園生活に自然に馴染めるようにというねらいが込められています。
保育園側が子どもの特性をしっかり理解する
4月入園の子ども達は数が多く、保育士も手探りの状態で慣らし保育を始めます。とはいえ、いい加減な保育はできません。大切な子どもを預かるにあたり、アレルギーや既往歴はもちろん、子どもの特性を詳しく理解しておく必要があります。
慣らし保育は、子ども達それぞれの特性を理解し、危険なく保育を進めていくための「保育園側の慣らし期間」でもあるといえるでしょう。
慣らし保育は、子ども達それぞれの特性を理解し、危険なく保育を進めていくための「保育園側の慣らし期間」でもあるといえるでしょう。
子ども・保護者・保育士の信頼関係を築く
0歳児で入園してから、卒園を迎えるまで続く保育園生活。円滑な保育をおこなうためには、子ども・保護者・保育士の信頼関係の構築が必要不可欠です。
慣らし保育は、それぞれの関係を深めるねらいも込められています。お互いのことを理解するため、ゆっくりと保育を進めていきます。
慣らし保育は、それぞれの関係を深めるねらいも込められています。お互いのことを理解するため、ゆっくりと保育を進めていきます。
0歳児の慣らし保育は何日かかる?基本スケジュール
慣らし保育のスケジュールは、1~2週間が一般的です。とはいえ、進め方は保育園の方針によって大きく異なります。なかには「子どもは順応力が高い」「保育士はプロだから」と、慣らし保育を導入しないケースも。自園がどのような基準を設けているのか、事前に確認しておきましょう。
あらかじめ日数が決められているケース
よくある慣らし保育のパターンとして、あらかじめ日数が決められているケースをご紹介します。保護者の負担にならないよう、決められた日数が経過すれば通常保育に移行します。スケジュールの一例は以下のとおりです。
2~3日で終了する慣らし保育
● 1日目/1~2時間の預り保育のみ
● 2日目/ミルクや給食を食べてお昼まで
● 3日目/お昼寝から起きるまで
1週間で終了する慣らし保育
● 1日目/1時間ほど保護者と保育室で過ごす
● 2日目/1~2時間の預り保育のみ
● 3日目/ミルクや給食を食べてお昼まで
● 4日目/お昼寝から起きるまで
● 5日目/夕方まで
あらかじめ日数が決められていれば、保護者は育休終了後の予定を立てやすくなります。保育士は、この期間に子どもの特性を理解し、保護者と円滑なコミュニケーションが取れるよう積極的に関わることが大切です。
2~3日で終了する慣らし保育
● 1日目/1~2時間の預り保育のみ
● 2日目/ミルクや給食を食べてお昼まで
● 3日目/お昼寝から起きるまで
1週間で終了する慣らし保育
● 1日目/1時間ほど保護者と保育室で過ごす
● 2日目/1~2時間の預り保育のみ
● 3日目/ミルクや給食を食べてお昼まで
● 4日目/お昼寝から起きるまで
● 5日目/夕方まで
あらかじめ日数が決められていれば、保護者は育休終了後の予定を立てやすくなります。保育士は、この期間に子どもの特性を理解し、保護者と円滑なコミュニケーションが取れるよう積極的に関わることが大切です。
子どもの様子に合わせて進めるケース
子どもが保育園に慣れたかどうか、様子を見ながら慣らし保育を延長するケースも少なくありません。慣れるまでとにかく丁寧に進めるため、子どもへの負担が少なくなります。スケジュールの一例は以下のとおりです。
● まずは1時間から
● ミルクが飲めるようになったらお昼まで
● お昼寝できるようになったらお昼すぎまで
● 泣く時間が少なくなってきたら時間を伸ばす
この場合、子どもが体調を崩して振り出しに戻ることも珍しくありません。そのため、焦る保護者の気持ちに寄り添うことも大切です。
● まずは1時間から
● ミルクが飲めるようになったらお昼まで
● お昼寝できるようになったらお昼すぎまで
● 泣く時間が少なくなってきたら時間を伸ばす
この場合、子どもが体調を崩して振り出しに戻ることも珍しくありません。そのため、焦る保護者の気持ちに寄り添うことも大切です。
慣らし保育をスムーズに進めるためのポイント
慣らし保育を担当するにあたり「早く笑顔で過ごせるようになってほしい」「保護者の不安を少しでも取り除きたい」と考える保育士も多いでしょう。そこでここからは、0歳児を担任する保育士として、慣らし保育をスムーズに進めるポイントを解説します。
入園前に子どもの情報を把握しておく
慣らし保育が始まると、泣き続ける複数の子どもの保育に手一杯になります。そのため、保護者からいただいた書類にしっかり目を通しておき、入園前に子どもの情報を把握しておくことが大切です。発達段階や好きな遊びなど、事前に理解しておくことでスムーズに保育を始められます。
保育室の装飾やおもちゃを整えておく
泣いている子どもの気を紛らわせるために、保育室の装飾やおもちゃの準備もおこないましょう。抱っこしながら壁に貼った動物の壁面を見て「〇〇だよ!タッチ~!」と声をかけたり、ボールのおもちゃを転がして「みてみて!コロコロコロ~」と興味を引いてみたり。泣き止む時間を増やしていくため、さまざまな工夫を取り入れましょう。
保護者が安心できるような声かけをする
新生活に戸惑っているのは、子ども達だけではありません。いつも一緒にいた子どもを保育園に預けて「子どもが心配で何も手につかない」「泣いている子どもを預けてまで仕事を続ける必要はある…?」など、不安を抱えている保護者も少なくありません。送迎時には保護者と関わる時間をしっかり確保して、積極的なコミュニケーションを心がけましょう。
こんなときどうする?0歳児の慣らし保育のコツ
慣らし保育の担当経験が少ない保育士は、どのように対応したら良いか困るシーンも多いでしょう。そこでここからは、慣らし保育で困ったときの対応をご紹介します。
子どもが1日中泣く
預かった子どもが途切れることなく泣き続ける…。そんなときは、とにかく信頼してもらえるよう関わり続ける必要があります。担当制にして、まずは特定の保育士が密に関わるのもおすすめです。
ミルクも離乳食も拒否する
飲んだり食べたりしてくれない場合は、保育続行が厳しくなります。普段はどのような環境でミルクや離乳食をあげているか、保護者からしっかり聞き取りをおこないましょう。最初は保育室で保護者から授乳してもらい「場所に慣れる」ことから始めるのもおすすめです。
まったくお昼寝してくれない
安心しきれず、保育室で眠れない子どもも少なくありません。以下のような対応を意識してみましょう。
● 落ち着くのであれば抱っこで眠ってもらう
● 寝ないだけで機嫌が良いのであれば遊ぶ時間に切り換える
● 泣いて寝ない子は別室に移動する
なかには、ほかの子どもの泣き声が気になって眠れないという子どもも。そのような場合は、泣いている子を連れて場所を変えると良いでしょう。お昼寝できなかった旨は、お迎え時にしっかり保護者へ伝えます。
● 落ち着くのであれば抱っこで眠ってもらう
● 寝ないだけで機嫌が良いのであれば遊ぶ時間に切り換える
● 泣いて寝ない子は別室に移動する
なかには、ほかの子どもの泣き声が気になって眠れないという子どもも。そのような場合は、泣いている子を連れて場所を変えると良いでしょう。お昼寝できなかった旨は、お迎え時にしっかり保護者へ伝えます。
抱っこの子どもが多くて手が足りない
国が定める保育士配置基準では、0歳児は子ども3人に対して保育士1人と定められています。基準より余裕を持って保育にあたる保育園もありますが、ギリギリの人数で運営している場合は常に手が足りない状態です。慣らし保育期間だけでも、フリー保育士に常駐してもらえないか交渉してみましょう。
参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
月齢の差が大きすぎて危険を感じる
0歳児クラスといっても、ねんね期の子どもからよちよち歩きを始めた子どもまで発育段階はさまざまです。月齢の差により、危険を感じるシーンも少なくありません。サークルやベビーゲートを有効に活用し、ゾーニングを意識することで危険を回避できるでしょう。
保護者が不安を感じている
保護者が慣らし保育に強い不安を感じている場合は、その不安が子どもにも伝わる恐れがあります。受け入れ時に朝の様子をしっかり聞き取り「しっかりお預かりするので安心してくださいね!」と、力強く声をかけてあげましょう、また、お迎え時は様子を細かく伝え、保護者が安心できるよう質問に答える時間も確保しておきたいですね。
【クラス別】慣らし保育のポイント
慣らし保育をおこなうのは、0歳児だけではありません。保育士として、さまざまなクラスに介入する場合は、それぞれの雰囲気を知っておく必要があります。そこでここからは、0歳児以外の慣らし保育のポイントを解説します。
1歳児クラスの慣らし保育
入園児の数が多く、賑やかになる1歳児。抱っこしてものけぞるような仕草を取ったり、周囲の子どもの涙につられて泣き出したりと、慣れるまでとても大変です。しかし、自分の置かれている状況に気付かず、初日から1人でおもちゃで遊べる子どもも少なくありません。抱っこできる人数は限られているため、音楽やおもちゃで興味を引きつけると良いでしょう。
2歳児クラスの慣らし保育
2歳児は、0~1歳児よりも泣き声が大きくなり、逃げ出そうとする力も強くなります。そのため、保育室からの脱走には十分注意が必要です。また、暴れず静かに不安を我慢している子どものケアも欠かせません。1歳児からの進級児には、普段と変わらない環境を提供してあげることも大切です。
3歳児クラスの慣らし保育
3歳児になれば「ママやパパが仕事行っていること」「お迎えにくるまで保育園で過ごすこと」を、なんとなく理解できるようになっています。子どもの不安な気持ちを受け止めつつ、前向きな声かけで安心感を与えてあげましょう。また、2歳児からの進級児が楽しそうに過ごしている姿を見せるのもおすすめです。
まとめ
0歳児の慣らし保育は、1日中泣き止まない子どもがいたり、ミルクを断固拒否する子どもがいたりして大変です。子どもは慣れない環境に大きなストレスを感じるため、負担を軽減できるような対応を心がけたいですね。また、保護者も新生活の始まりに大きな不安を感じています。安心して預けてもらえるよう、丁寧な対応が求められます。






