パラシュート反射とは?いつからいつまで?反射がないときの対応

子どもを抱きかかえるイメージ
バナー広告
赤ちゃんの無意識的な反射のひとつ「パラシュート反射」。名前の通り、抱えられた乳児がバランスを取るため、パラシュートのように両腕を前に出す反射のことです。子どもと関わる保育士や保護者のなかには、詳しく知っておきたいと考える人も多いのではないでしょうか?この記事では、パラシュート反射の特徴や確認方法を解説します。

パラシュート反射について知ろう!

パラシュート反射とは、うつ伏せ状態の赤ちゃんを持ち上げて頭を下に下げたとき、バランスを取るために手を前に出す反射のことです。まずは、パラシュート反射がどうして備わっているのか、いつ頃見られる反射なのかなど特徴を詳しく解説します。

原始反射と姿勢反射の違い

乳幼児の反射には原始反射と姿勢反射があります。パラシュート反射は、そのうちの姿勢反射のひとつです。

原始反射

原始反射とは、生まれてくるときに備わっている反射で、さまざまな刺激に対して無意識に起こります。原始反射にはいくつか種類があり、それぞれ見られる時期や持続期間が異なります。およそ1年程度で、脳の発達に伴って消失するのが一般的です。

主な原始反射

特徴

モロー反射

音や動きなど何らかの刺激により、両手を動かして抱きつこうとする反射です。急に頭を下げられたときにも、驚いたように両手を広げる仕草を見せます。

吸啜反射

赤ちゃんの口の周りに刺激を与えると、舌を出して吸い付こうとする反射です。母乳やミルクを飲むため、生まれた直後から見られます。

歩行反射

歩くことのできない赤ちゃんの両脇を支えて立たせると、歩き出すように足を動かす反射です。ブンブンと左右の足を交互に前に出します。

把握反射

赤ちゃんの手のひらを刺激すると、指をぎゅっと曲げて握ろうとする反射です。同じく、足を刺激しても、指を曲げる動きを見せます。

姿勢反射

姿勢反射とは、原始反射に続くもので体を平行に保とうとする反射のことです。反射的に体を緊張させたり、収縮させたりして姿勢や平衡を維持します。

主な姿勢反射

特徴

パラシュート反射

赤ちゃんの両脇を抱えて持ち上げ、頭を下に下げたときに両腕を前に出してバランスを保とうとする反射です。

ランドウ反射

うつ伏せ状態の赤ちゃんの腹部を持ち上げると、頭を上に上げて水平を保とうとする反射です。

ホッピング反射

赤ちゃんを押して倒そうとすると、足を踏み出して倒れないようにする反射です。前後左右、どの方向に倒しても、体を保とうとします。

パラシュート反射が備わっている理由

パラシュート反射は、持ち上げられた赤ちゃんが自分の体を支えるために備わっています。両脇を抱えられて宙に浮いた状態で頭を下に下げられると「落とされる」ような感覚があります。そのような不安定な状態から、反射的に自分を守ろうとします。

パラシュート反射はいつから

パラシュート反射は、生後半年頃から見られます。個人差があり、1歳前にできるようになる子どもも。10ヶ月頃に盛んになることから、1歳前の乳児健診でその様子を確認されます。

パラシュート反射はいつまで

パラシュート反射は、原始反射とは異なり生涯備わっていくものです。転びそうになったときに手をつくなど、危険を回避するために欠かせない反射です。消えない反射であるとはいえ、歳を取ると反応が鈍くなってしまうこともあります。

パラシュート反射の種類

パラシュート反射には「側方」と「前方」の2種類があります。これは、赤ちゃんの体を傾ける向きの違いで、左右どちらか側方に傾けると、片方の手が体を支えるように伸びます。そして、体を前方に傾けると両腕が前に伸びるようになっています。

乳幼児健診でパラシュート反射を確認してもらおう!

パラシュート反射は、体を守るために大切な反射です。自治体にもよりますが、乳幼児には成長を確認するために1歳前の健診が設けられています。そこでここからは、乳幼児健診での確認方法を解説します。

パラシュート反射の確認方法

1歳前の乳児健診では、診察室のベッドでさまざまな反射を確認します。パラシュート反射の確認方法は、赤ちゃんをうつ伏せに寝転ばせ、主治医が両脇から体を抱えて頭を下げる方法です。手足を広げる仕草が見られるか、その姿をチェックします。また、合わせてランドウ反射やホッピング反射を確認することもあります。

パラシュート反射が見られない理由

なかには、乳幼児健診でパラシュート反射が見られない場合も。そのような理由には、以下のようなものが考えられます。
・個人差により健診後にパラシュート反射が出てくる
・慣れない場所と人に緊張して体に強く力が入っている
・不安で大泣きしてしまい反射かどうか判断できない
健診時に反射が見られない場合は、経過観察になることがあります。

パラシュート反射がないときの対応

健診から数ヶ月様子を見てもパラシュート反射が見られない場合は、何らかの発達の遅れを疑います。しかし、パラシュート反射が見られないことが、直接的に何か障がいにつながるわけではありません。かかりつけ医に相談するなど、一緒に見守っていくことが大切です。

まとめ

この記事では、姿勢反射のひとつ「パラシュート反射」について解説しました。赤ちゃんには、自分の体を守るためにさまざまな反射が備わっています。それぞれの反射には出現や消失の目安がありますが、実際には個人差があります。それぞれの反射の特徴を知り、慌てずに対応できると良いでしょう。
保育士・幼稚園教諭・保育教諭などの就職・転職をお考えの方は、ぜひ保育士ワーカーにご相談ください!
電話で相談バナー