【保育】素話を覚えよう!ねらいやうまく話すポイントを解説

素話をおこなうイメージ
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絵本や紙芝居などの道具を使わず、お話だけで子ども達を楽しませる「素話」。覚えた物語をそのまま伝えるだけ…と思うと簡単に感じるかもしれません。しかし実際は、物語の順序を間違えたり、早口になってしまったりと難しいもの。そこでこの記事では、素話の概要や、うまく話すポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

素話とは?

子ども達の集中力や想像力を育む「素話」。子どもの興味・関心を惹きつけながら語る手法は、保育士にとって欠かせないスキルです。まずは、素話について簡単に解説していきます。

絵本や紙芝居などと使わず物語を伝える

素話とは、絵本や紙芝居などの使わず、お話だけで物語を伝える手法のことです。決められた文章を読む「読み聞かせ」とは異なり、素話はお話の内容を事前に覚えて自分の言葉で子ども達に聞かせていきます。素話では、物語に関連する絵を見せられないため、子ども達が想像しやすいように身振り手振りをつけて表現方法を工夫します。

保育士実技試験「言語」の課題

素話は、保育士試験の実技に組み込まれています。課題として出された物語のなかから1つ選び、子ども達が目の前にいると想定して3分間で素話をおこないます。素話なので、もちろん絵本や人形、台本などの道具の使用は一切禁止されています。保育士試験で課題に挙がるくらい、保育士にとって素話のスキルが重要であることが分かります。

素話のねらい

保育園で素話を取り入れるねらいは、以下のとおりです。

物語に親しみを持ち展開を楽しむ

素話は簡単に取り入れられるため、物語に親しみを持ちやすくなります。お話の世界に入り込むことにより、その先の展開を想像してワクワクドキドキ…。自分だけの物語を楽しみます。

お話の情景を思い浮かべることで想像力を豊かにする

素話を聞きながら、お話の情景を思い浮かべるのも大きなねらいのひとつです。素話には視覚的な刺激が少ないため、物語に合わせた自由な想像を楽しめます。イラストがないため先入観を与えることなく、子どもの自由なイメージを大切にできます。

話を聞こうとする意欲を育てる

お話だけで次々と物語が展開していく素話は、保育士をしっかり見て話しを聞いていなければ内容を理解できません。そのため、子どもの「聞く姿勢」や「集中力」を育てられるといえます。

物語を通して言語能力を高める

素話を聞くことで、言語能力を高められます。新しい言葉を聞き、ストーリーからその意味を理解していきます。語彙力や表現力が高まることにより、コミュニケーション能力の土台が作られていくといえるでしょう。

素話をうまく話すポイント

実際に子ども達の前で素話をするときは、以下のようなポイントを意識しましょう。

準備

素話はいつでもどこでも楽しめますが、事前準備は欠かせません。子ども達に聞かせたい物語を選んだら、大筋を覚えるために何度も読み込みます。一語一句細かく覚える必要はありませんが、細かいセリフや描写が抜けることでお話がつながらなくなる可能性も。順序を間違えずうまく話せるよう、何度もくり返し読み込んで覚えましょう。

観察

素話をするときは、子ども達の様子をよく観察することが大切です。展開についていけない子どもがいないか、子ども達と目を合わせるように語りかけて観察していきます。集中できていない様子がみられる場合は、テンポや声色を変えて、子ども達の興味・関心を惹きつけましょう。

話し方

決められた文章を読む絵本や紙芝居と異なり、素話は自分の言葉でお話を進めるため、ついついテンポが早くなってしまいます。お話をしっかり理解できるように、ゆっくり語りかけましょう。また、話すときは表情の変化やジェスチャーを加えることで物語の展開を盛り上げられます。

【題材】おすすめの素話一覧

素話の題材は、おもに日本昔話や世界の民話から選びます。あまりに長いお話は集中力が続かないため、どのくらいの時間で話せるか確認することが大切です。必要に応じて、お話をうまくまとめて話しても良いでしょう。聞きやすい長さで、子ども達に親しみのある物語には、以下のようなものがあります。
・ももたろう
・3びきのこぶた
・おおきなかぶ
・おむすびころりん
・3びきのやぎのがらがらどん
・うさぎとかめ
・鶴の恩返し
・はなさかじいさん
・一寸法師
もちろん、上記のような有名な物語にこだわる必要はありません。創作が得意な保育士は、即興で物語を披露しても良いでしょう。また、普段から読み親しんでいる絵本のなかから題材を選ぶのもおすすめです。何度も読んでいる絵本の物語を素話として語りかけることで、物語のイメージを想像しやすくなります。

まとめ

絵本や紙芝居、人形などの道具を使わずに物語を語りかける「素話」。保育士の声と身振り手振りだけで物語を伝えるため、子ども達の集中力や想像力を育てられます。また、素話は準備の必要がなく、どこでもすぐに始められるのがうれしいポイント。ぜひ保育に取り入れてみてくださいね。
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