【保育】身体測定のねらいは?事前準備から進め方、留意点を解説

身体測定のイメージ
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子どもの発育・発達を確認するために欠かせない身体測定。毎月の身体測定は、保育士にとっては少し負担かもしれませんがとても大切な行事です。保護者も子どもの成長の記録を楽しみにしているため、間違いのないようしっかり測定したいですね。この記事では、保育園でおこなう身体測定のねらいや手順を解説します。

身体測定(発育測定)とは?

保育園では、子どもの発育・発達の状態を確認するために身体測定をおこないます。保育士はもちろん、大切なわが子を預ける保護者にとっても、成長を数字で確認することはとても大切です。間違いのないよう測定・記録していきたいですよね。この記事では、保育園でおこなう身体測定のねらいや、進め方を解説します。

保育園でおこなう身体測定のねらい

保育園では、保育所保育指針により年2回の内科健診が義務づけられています。身体測定は義務ではありませんが、子どもの成長状態を確認するために欠かせないものです。身体測定の具体的なねらいは、以下のとおりです。

一人ひとりの発育状態を把握する

身長、体重を定期的に測定・記録することにより、一人ひとりの発育状態を把握します。成長には個人差がありますが、記録の推移から肥満や体重増加不良など配慮が必要な問題がないか見極めます。

自分の身長や体重に関心を持つ

測定した身長、体重を子ども達に知らせることで、自分の体に関心を持てるようにすることもねらいのひとつです。大きさや重さといった概念を理解するきっかけにもなります。

大きくなったことを喜び自分に自信を持つ

身体測定を通して、子ども達が大きくなった喜びを感じることも大切です。年齢と同じく、大きくなっていることを実感できる大切な機会です。お友達同士でどのくらい大きくなったか伝え合いながら、自分の成長に自信を持ちます。

身体測定を通して健康の大切さを知る

身長や体重は「健康的な生活に関係している」と知ることもねらいといえます。バランスの良い食事や質の良い睡眠、適度な運動が成長に必要だと知り、規則正しい生活習慣を大切にしようと思うきっかけになります。

身体測定をおこなう前に確認しておくこと

保育園で身体測定をおこなうときは、以下のようなポイントを確認しておきましょう。

準備物

身体測定で測定する項目は、保育園によって異なります。内容に合った器具を当日までに準備し、操作に不備がないか確認しておきましょう。測定前に準備しておきたいものは以下の通りです。
・身長計
・体重計
・巻き尺
・記録用バインダー
・筆記用具

場所

スムーズに測定できるよう、人数に合った測定場所も確保しておきましょう。待機場所や移動の経路についても確認が必要です。おもに、以下のような場所で測定をおこないます。
・器具を受け渡し合いながら各クラスで順番に測定する
・ホールに器具を設置してクラスごとに移動して測定する
・保健室に器具を設置してクラスごとに移動して測定する

流れ

滞りなく測定を進められるよう、流れを確認しておくことも大切です。保育士がどの場所で子どもを見守るか、担当も決めておきましょう。流れの一例は以下のとおりです。
1、排泄を済ませる
2、クラスの子どもを【前半】【後半】2つのチームに分ける
3、後半チームはA先生と保育室でブロック遊び
4、前半チームはB先生と一列でホールに移動
5、着脱B先生、測定C先生、記録D先生で測定を始める
6、測定終了直前に、D先生が後半チームに連絡
7、後半チームはA先生と一列でホールに移動
8、前半チームはB先生と保育室に戻りブロック遊び
9、後半チーム測定終了後、保育室に戻り合流

測り方

測定に間違いがないよう、正しい測り方も確認しておきましょう。
【身長】
乳児/身長計に仰向けで寝かせ、頭を板につけて膝を伸ばして計測する
幼児/尺柱に沿って立ち、水平桿を下げて頭頂部に合わせて計測する
【体重】
乳児/体重計に乗せたかごに子どもを入れて計測する
幼児/体重計の真ん中にゆっくり乗り計測する

身体測定をおこなうときの進め方

身体測定をおこなうときは、以下のような手順で進めていきます。

室温を調整する

測定をおこなう場所では、子ども達が肌着姿になります。そのため、エアコンなどを活用して過ごしやすいように室温を調整しておきます。

排泄を促す

測定前に、子ども達に排泄を促します。測定は流れ作業でおこなうため、途中でトイレに行くとなると管理が大変です。スムーズに進められるよう声をかけておきましょう。

順番に並ばせる

測定の準備が整ったら、衣服を脱ぎながら順番に並ばせます。じっとしていることが苦手な子どもは最前列へ、いつもと違う雰囲気に慣れない子どもは様子をうかがえるよう最後尾へなど、臨機応変に対応します。

測定を受ける

一人ずつ順番に測定を受けていきます。子ども達が安心できるよう、事前に測定後はどこで着替え、何をして待っておくのか知らせておきましょう。幼児さんは、測定前後に「よろしくお願いします」「ありがとうございました」など、挨拶ができるよう声をかけることも大切です。

着替えを促す

測定が終わったら、速やかに着替えを済ませます。側につく保育士は、衣服がお友達のものと混ざっていないか、着替えの前後ろが違っていないか確認します。

身体測定をおこなうときの留意点

身体測定をおこなうときは、以下のようなポイントに注意しましょう。

嫌がる子どもに無理強いしない

いつもと異なる雰囲気に、身体測定を嫌がる子どもは少なくありません。嫌がる子どもを無理やり測定すると、より嫌な行事だと記憶してしまう可能性があります。慣れるまでは保育士が抱っこして体重計に乗り、保育士の体重を差し引いて数値を出すなどして対応しましょう。

待ち時間が長くならないようにする

身体測定では、順番を守ったり静かに並んで待ったりすることを学ぶ良い機会です。しかし、待ち時間が長すぎると、子ども達が騒がしくなりトラブルにつながる可能性も。グループを分けて遊びながら待てるようにするなど、待ち時間を短くする工夫も必要です。

泣いてしまう子どもに対応できるようにする

身体測定は、測定係や記録係など、保育士の手が足りなくなってしまう場面ではありますが、不安で泣いてしまう子どもに対応できる体勢を整えておくことも大切です。不安感が増さないよう、保育士が側について安心できるようにしたいですね。

まとめ

この記事では、保育園でおこなう身体測定について解説しました。「ご飯いっぱい食べたから大きくなってるかな?」「いつも早く寝てるからたくさん成長してるよ!」など、測定を楽しみにする子ども達。身体測定を通して、大きくなることに期待感を持てるようにしたいですね。
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