【年齢別】劇遊びのねらいを徹底解説!発表会に向けて準備しよう

お友達と協力しながら、ひとつの作品を作り出す「劇遊び」。生活発表会やお遊戯会で披露するための取り組みはもちろん、普段の保育にも積極的に取り入れたい遊びです。この記事では、そんな劇遊びを保育に取り入れるねらいを徹底解説します。年齢別に紹介しますので、指導案作成の参考にしてみてくださいね。
保育園で楽しむ劇遊びとは?
保育園で楽しむ劇遊びとは、子ども達が物語の登場人物になりきり、セリフを覚えてストーリーを展開していく遊びです。普段から読み聞かせをおこなっている絵本や、古くから愛されている日本昔話やグリム童話を題材にして劇遊びを楽しみます。
全体のストーリーや自分に割り振られたセリフを覚えるだけでなく、セリフに合わせた動きを理解する必要があるため、とても高度な遊びです。しかし、選択する物語や展開のアレンジによって難易度を変えられるため、さまざまな年齢の子どもが楽しめる遊びとなっています。
年齢別!劇遊びをおこなうねらい
ここからは、保育に劇遊びを取り入れるねらいを年齢別にご紹介します。
1歳児
まだまだ語彙力が少なく、劇遊びは難しいと感じてしまう1歳児ですが、身近な歌を題材にした劇遊びなら無理なく楽しめます。1歳児が劇遊びを楽しむときのねらいは以下のとおりです。
・歌やリズムに合った動きを楽しむ
・名前を呼ばれたら自信を持って返事をする
・保育士といっしょに声を合わせる楽しさを味わう
2歳児
簡単なセリフのやりとりができるようになる2歳児は、くり返しの多い絵本などを題材にすることで親しみを持って取り組めます。2歳児が劇遊びを楽しむときのねらいは以下のとおりです。
・人前に立って表現することの楽しさを味わう
・思いを言葉で伝えることの大切さを知る
・言葉や動きで表現する楽しさを味わう
3歳児
語彙力が増えてくる3歳児は、物語の流れを理解して劇遊びに取り組めるようになります。3歳児が劇遊びを楽しむときのねらいは以下のとおりです。
・緊張しながらも人前で表現する喜びを感じる
・物語の世界に親しみを持つ
・役なりきって遊ぶことを楽しむ
4歳児
お友達と協力しながら、本格的な劇遊びを楽しめるようになる4歳児。少し長い物語でも十分にやり遂げられます。4歳児が劇遊びを楽しむときのねらいは以下のとおりです。
・みんなで声を揃えるために人の声を聞こうとする
・自分で選んだ役に意欲的に取り組もうとする
・お友達とひとつの劇を完成させることで達成感を味わう
・場面に合った声の大きさを学ぶ
・劇遊びを通して、表現力や創造力を培う
5歳児
5歳児は、物語や登場人物の心情を理解し、気持ちを込めて劇遊びに取り組めるようになります。練習を重ねることで、複雑な場面展開にも対応できるでしょう。5歳児が劇遊びを楽しむときのねらいは以下のとおりです。
・お友達の声に耳を傾け、人の話を聞くことの大切さを知る
・劇遊びを通して、お互いに思いやりを持ち関係を深めていく
・お友達と同じ目標を持ち、団結してやり遂げようとする
・セリフや動きを覚える中で記憶力を鍛える
・登場人物の心情を理解することで想像力や思いやりの心を育てる
劇遊びの進め方
普段の保育で劇遊びを楽しむときは、気候により外に出られないときなどに取り入れるだけで問題ありません。しかし、生活発表会やお遊戯会などの目標がある場合は、しっかりスケジュールを立てて劇遊びを進めていく必要があります。一般的な流れは以下のとおりです。
1、年齢に合った題材を選ぶ
2、配役やスケジュールを決める
3、セリフや動きを覚える
4、衣装や道具を作成する
5、リハーサルや会場準備をする
ここからは、それぞれの進め方のポイントを解説していきます。
年齢に合った題材を選ぶ
まずは、どのような題材で劇遊びを進めていくか考えます。年齢にもよりますが、普段から子ども達が大好きな絵本の物語を使うと、ストーリーやセリフがスムーズに頭に入ります。新たな物語をいくつか子ども達に読み聞かせ、どの題材を劇に使用するか一緒に考えても良いでしょう。題材が決まれば、読み聞かせの頻度を増やして、登場人物の気持ちを読み解くなど物語への理解を深めていきます。
配役やスケジュールを決める
題材が決まったら、必要な登場人物を割り出してクラスの人数と照らし合わせます。そして、子ども達の意向を確認しながら配役を決めていきましょう。のちに保護者から配役に関する苦情が入ることも珍しくないため、配役決めのルールをしっかり定めておくことが大切です。また、計画的に進められるよう、保育士間で早めに大まかなスケジュールや担当を決めておきましょう。
セリフや動きを覚える
ストーリーを理解したら、子ども達に役割ごとのセリフを覚えてもらいます。「〇〇ちゃんの次に言う」など、セリフの順番を理解しておくことも大切です。何度も繰り返していくうちに、子ども達はお友達のセリフまで覚えられるようになりますよ。セリフをスラスラ言えるようになったら、役割に合った動きを覚えていきます。なお、緊張でセリフが言えなくなる子どもも多いため、誰かに見られている状態に慣れておくことも大切です。
衣装や道具を作成する
劇の練習と並行して、必要な衣装や道具を作成していきます。背景や大道具、小道具など、必要なものはたくさんあるため、計画的に進められるようにしましょう。なお、衣装は子ども達の劇へのモチベーションを上げる大切なアイテムです。練習でも着用できるよう、早めに作成したいですね。
リハーサルや会場準備をする
いよいよ本番が近づいてきたら、衣装を着て本番と同じ環境下でリハーサルをおこないます。立ち位置に印をつけて子ども達に知らせ、会場の雰囲気に慣れてもらいましょう。また、本番を迎えるにあたってチェックしておきたいのが音響設備です。劇中に使用する歌がタイミング良く流れるよう、念入りに確認しておきましょう。
まとめ
劇遊びにはさまざまなメリットがあるため、保育に積極的に取り入れたい活動です。登場人物の心情を想像したり、言葉や動きで気持ちを表現したり…。劇遊びを通して、子ども達の成長につなげられます。練習した成果を発表会で披露できるのもうれしいポイント!ぜひ取り入れてみてくださいね。




