保育で使える肯定的な言葉遣い一覧|否定的な言葉を言い換えよう

子どもへの声かけのイメージ
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保育現場で求められる「肯定的な言葉遣い」。保育士の言葉の遣い方次第で、子どもにさまざまな影響を与えます。否定的な言葉を言い換えなければと知ってはいるものの、つい普段の言葉遣いで子どもに注意してしまうという人も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、肯定的な言葉遣いを意識したい理由や、否定的な言葉の具体的な言い換え例などを紹介します。ぜひ取り入れてみてくださいね。

子どもに否定的な言葉が伝わらない理由

保育士は、子どもが自発的に、主体的に行動できるように促していく必要があります。しかし、子どもの困った言動についつい「ダメ」「やめて」という言葉が出てしまう…。そんなときは、そもそもなぜ子どもに否定的な言葉が伝わらないのか、その理由を理解することから始めてみましょう!

語彙力や想像力が未熟である

まず、子どもは発達過程にあり語彙力や想像力が未熟です。そのため「早くしないと〇まるできないよ」などの否定的な言葉では、複雑すぎて理解できない可能性があります。そのほか、子どもの知らない言葉を用いるのも、意図が伝わらない理由のひとつです。

認めてもらえず萎縮する

「やめて」「ダメ」」など、否定的な言葉ばかり使用していると、子どもはどうしていいかわからず萎縮してしまいます。さらに、保育士が主導権を握り行動を強制したり、ほかの子どもと比較したりすると、子どもが素直に行動できなくなってしまいます。

否定だけでは正解が分からない

子どもの言動を制止するような否定的な言葉だけだと、正解が伝わりません。また「早くして」などの抽象的な言葉かけでは、なぜ急ぐ必要があるのか大切な部分が伝わらないということも。

保育現場で肯定的な言葉遣いを使うメリット

否定的な言葉を言い換え、肯定的な言葉遣いを使うことには、以下のようなメリットがあります。子どもの心理を知ることで、よい言葉遣いを意識できるようになりますよ。

なにをすべきか明確に伝わる

子どもは褒められることが大好きです。「〇〇しないで」より「〇〇しようね」と言われる方が、何をすればよいか一目瞭然で行動しやすくなります。さらに「〇〇するとカッコいいよ」などと言われれば、意欲を持って行動できるようになります。

受け止めてもらえることで安心感を得る

子どもは否定されてばかりだと、萎縮して自信がなくなってしまいます。「〇〇したかったんだね」「〇〇ちゃんならきっとできるよ」など、ありのままの姿を認めることで、子どもは安心感を得ることができます。言葉の選び方次第で、子どもが伸び伸び行動できるようになるのです。

自発的に話を聞こうとする気持ちを持てる

子どもが「また叱られた」「よくわからない」と感じると、物事を後ろ向きに捉えてさらに注意を受けるという悪循環が起きる可能性があります。保育士が簡単な言葉で端的に伝えるよう意識することで、子どもの素直に話を聞こうとする姿勢を育てられます。

【一覧】保育現場で使える肯定的な言葉遣いへの言い換え例

ここからは、保育現場で使いたい肯定的な言葉遣いの例をご紹介します。場面ごとに紹介しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

否定的な言葉

肯定的な言葉

しゃべらないで 

・しずかにしていようね

・お口閉じて静かにできるかな

走らないで

・ゆっくり歩いてね

・お話のときは座っていようね

触らないで

・ここから見ているだけだよ

・手はおひざのままだよ

こぼさないで

・体を近づけて食べられるかな?

・お皿はもう少し前に置こうね

おしゃべりしないで

・前を向いて食べようね

・モグモグできるかな?

残さないで

・ひとつだけ食べてみようか?

・時計の針が〇になるまでがんばれる?

遅れないで

・新幹線みたいに早くできるかな?

・みんなといっしょにしよう

したらダメだよ

・今は〇〇できるかな?

・いっしょに〇〇をやってみようね

たたかないで

・お友達にはやさしくしようね

・お話で伝えられるかな?

勝手に取らないで

・早く使いたかったんだね

・貸してって言ってみようか?

仲間外れにしないで

・みんなでいっしょにやってみようか?

・ほかにもやりたいお友達いるかな?

子どもにわかりやすく物事を説明するときのポイント

場面によっては「~しようね」という言葉だけでは、子どもに物事の真意が伝わらないこともあります。より具体的に説明するには、以下のようなポイントを意識することが大切です。

気持ちを受け止める

まずは、子どもの気持ちを受け止めます。子どもの言動によっては「なにやってんの」「早くやめて」と言いたいところですが、まずは気持ちを受け止めて聞く姿勢を作ってもらいます。
・〇〇したかったんだね
・〇〇な気持ちだったんだね
・〇〇がイヤだったんだね

より良い方法を伝える

気持ちを受け止めたのち、子どもにわかりやすく正解を伝えます。折り合いがつかないときは、別の選択肢を提案してみるのも良いでしょう。行動が明確になることで、子どもが動きやすくなります。
・まずは〇〇してみようか
・〇〇してみるのはどうかな?
・〇〇したらかっこいいかも!

次への期待感を膨らませる

正解が分かっていても、ダメなことが分かっていても、退屈と感じている場合は素直に行動できません。子どもがより意欲的に動けるよう、その先に見通しや期待感を持たせることも大切です。
・〇〇したら〇〇だね!
・もう少しで〇〇だよ
・時計の針が〇〇までがんばろう

改めて子どもの姿を褒める

子どもが期待感を持って行動できるようになったら、改めて子どもの行動を受け止めて褒めてあげることも大切です。注意を受けたと感じて終わるだけでは、子どもの自己肯定感が下がってしまいます。できたことを言葉にして伝えることで、子どもの自信につながりますよ。
・最後まで〇〇できたね
・〇〇してくれてありがとう
・お話聞けていてかっこよかったよ

まとめ

この記事では、保育現場で使える肯定的な言葉遣いについて解説しました。わかってはいても、なかなか難しい否定言葉の言い換え。まずは、保育士の言葉がけが子どもにどのような影響を与えるか知ることが大切です。子どもが先を見通し、主体的に行動できるような言葉かけを意識してみましょう。
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