保育士はやっぱり大変？リアルな仕事内容からやりがいや大変さを紹介

保育士は保護者に代わり、0歳～就学前までの子ども達の日中の保育を担います。「保育」と一言で言っても、その業務内容は多岐にわたるため、保育士の大変さは働いたことのある人にしかわからないかもしれません。そこでこの記事では、保育士にはどのような大変さがあるのか、具体的に解説していきます。

保育士の1日の仕事内容

保育士の仕事内容は、働く保育園によって違いがあります。基本的なタイムスケジュールは、以下のとおりです。

時間	子どもの動き	保育士の動き
7：00	順次登園	早番出勤／早朝保育開始／受け入れ準備
8：00	合同保育	子ども見守り／受け入れ対応／おやつ準備／保育準備
8：30	クラス保育	中番出勤／職員会議
9：00	おやつ・朝の会	子ども見守り／保育内容確認／朝の歌や体操
10：00	設定保育	遅番出勤／お散歩や製作など設定保育開始
11：30	昼食	給食準備／食事介助／片付け／お昼寝準備
12：30	午睡	絵本読み聞かせ／寝かしつけ／呼吸チェック／連絡帳など書類作成／清掃／順次休憩
14：30	起床	布団片付け／おやつ準備
15：00	おやつ	おやつ介助／片付け／荷物整理
16：00	自由保育	子ども見守り／早番退勤
17：30	延長保育	延長保育開始／お迎え対応／引き継ぎ／清掃／中番退勤
19：00	順次降園	事務作業／遅番退勤

おもに1～2歳児クラスの流れを記載しました。0歳児クラスであれば、上記に加えて調乳・授乳、午前睡などもあります。4～5歳児クラスであれば、お昼寝が短くなったり、おやつ後に園庭で遊ぶなど夕方の設定保育が加わったりします。

年間行事

記載した日々のスケジュールと合わせて、イレギュラーで年間行事にも対応します。

月	行事
4月	入園式／進級式
5月	こどもの日／母の日／春の遠足／各種検診
6月	参観日／父の日／お泊まり保育
7月	七夕／夕涼み会／プール
9月	運動会／敬老の日
10月	参観日／芋ほり遠足／ハロウィン／交通安全指導
11月	作品展／個人懇談
12月	クリスマス会／餅つき大会
1月	参観日／生活発表会
2月	節分／お別れ遠足
3月	ひなまつり／卒園式

上記のほか、毎月お誕生日会と避難訓練を実施するのが一般的です。普段の保育と加えて、行事の準備や練習にも追われるため、保育士は常に多忙を極めます。

勤務時間

保育士の勤務時間は、保育園の開園時間により異なります。朝の6時から夜の8時まで開所している保育園も珍しくなく、朝食や夕食を保育園で提供するケースもあるようです。保育士の基本的な勤務は、早番・中番・遅番に分けられます。

・早番…7：00～16：00

・中番…8：30～17：30

・遅番…10：00～19：00

子どもの登園や降園の都合に合わせて、30分刻みのシフト制で構成されます。延長保育など、保育士が手薄になる時間帯はパートの保育士が入るなどして対応します。

なお、上記のシフトに加えて「勤務前に出勤して保育準備」「退勤後に残業して書類作成」などをおこなうことが当たり前になっている保育園も少なからずあるようです。実際、保育士が事務的な仕事をおこなう時間は、子どものお昼寝中くらいしかありません。そのような保育士の大変さが広く知れ渡り「残業・持ち帰り仕事なし」を掲げる保育園が増えてきているのが現状です。

保育士が大変といわれる理由【人間関係】

保育士が大変といわれる理由のひとつに、人間関係があります。保育士を取り巻く人間関係の問題は、以下の3つにわけられます。

子ども達との関わり

まずは、保育士の仕事のメインとなるのが子どもの保育です。子どもが好きで保育士になったとはいえ、問題行動ばかり起こす子どもとのやりとりはとても大変です。きつく叱るわけにもいかず、自身の保育力の低さに落ち込むことも少なくありません。

保護者との関わり

子どもを預かるにあたり、無視できないのが保護者の存在です。子どものことが心配なあまり保育園に対して過剰に意見する保護者や、何度言っても決まりを守ってくれない保護者など、関係作りに大変さを感じることもあります。

保育士同士での関わり

保育園で働く保育士は、さまざまな保育観を持っています。そのため、同じクラスの担任でも方針が合わないこともしばしば。意見が合わない保育士同士で陰口を言い合うなど、人間関係の大変さを抱える保育士も多いでしょう。

保育士が大変といわれる理由【業務内容】

保育士が大変といわれる理由には、業務内容もあります。保育士が抱える仕事の大変さには、以下のような3つがあります。

毎日の保育や行事の準備

先述したように、保育士は日々の保育と合わせて、さまざまな行事への準備に追われています。ひとつ終えれば次、そして次へと準備や実施をくり返していきます。1年が終わればまた1年…この終わりのない業務に疲弊する保育士も少なくありません。

さまざまな書類の作成

保育士は日常の保育を進めながら、以下のような書類作成もおこないます。

・年間計画

・指導案（月間・週間・日）

・保育日誌

・個人記録

・連絡帳

・呼吸チェック表

・おたより

保育園によって呼び名が異なる場合もありますが、おもに上記のような書類を作成します。子どもから目を離せる時間が少なく、このような書類作成に割ける時間が少ないことが大変さを感じる理由です。

長時間労働や持ち帰り仕事

保育士が担う業務量は多く、保育中に対応できずに残業したり、自宅に持ち帰って対応することも少なくありません。そのように無理を重ねると、長時間労働により心身に不調をきたす恐れがあります。保育士の人数が多ければクラスを離れて子どもとのノンコンタクトタイムを確保できますが、そのような対応が難しい保育園では疲労が溜まっていってしまいます。

保育士が大変といわれる理由【待遇】

保育士が大変といわれる理由には、待遇も挙げられます。保育士が不満に思う待遇には、以下のようなものがあります。

給料や賞与の低さ

保育士の給料や賞与の低さは常に問題視されており、処遇改善で対策がなされている最中です。本質的な給料の低さというよりも「命を預かる大切な仕事」という責任に見合っていないことから、大変さを感じる保育士が少なくありません。

平日休みの取りにくさ

保育士の仕事は、日祝休みが基本です。担任を持っている保育士が平日に休みをもらおうと思うと、ほかの保育士にクラスに入ってもらう必要があります。もちろん、関係なく有給を確保できる保育園もありますが、平日になかなか休みを取れずに悩む保育士もいます。

子育てや介護との両立の難しさ

正職員の保育士は、早番や遅番などさまざまなシフトへの対応や、クラス担任を持つことが多くなります。そのため、妊娠・出産・介護など、家庭の事情により保育士との両立ができない点も大変さのひとつといえるでしょう。

それでも大きい！保育士のやりがい

多くの困難がある保育士の仕事ですが、やはりやりがいは「子どもの笑顔」ではないでしょうか？保育士が提案した遊びに夢中になり、無邪気に笑う子ども達の姿に元気をもらえます。また、身体の成長はもちろん、できることができるようになる過程を側で見守れるのも、保育士の特権です。

人格形成に大きな影響を与える乳幼児期の子ども達の保育はとても重要です。そのような大切な時間を共有できることは、保育士にとって大きなやりがいといえるでしょう。

まとめ

この記事では、保育士の具体的な仕事内容から、その大変さをご紹介しました。もちろん、保育園による違いは大きく、当てはまらない部分もあるかと思います。保育士個人のスキルや心の持ちようによっても、感じる大変さはさまざま。子どもと接する大変さもありますが、やりがいを与えてくれるのもまた、その子どもであるといえるでしょう。

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