保育士の寮ってどんなの?借り上げ社宅などを活用するメリット・デメリット

保育士求人に記載されていることのある「寮」について、気になっている人も多いのではないでしょうか?保育士確保のために準備されている寮の種類はさまざま。この記事では、寮を使って保育士になろうと考えている人に向けて、寮つき求人のメリット・デメリットを解説します。
保育士求人に記載されている「寮」とは?
保育士求人に記載されている「寮」は、おもに首都圏など都会を中心に用意されています。運営元によって寮の有無は異なり「社員寮」ではなく「社宅制度」として取り入れているところも少なくないようです。求人には「寮完備」「社員寮あり」などと記載されています。保育士向けの寮には、以下のような種類があります。
・トイレやお風呂が共有で部屋のみ個別になっている
・保育園が借り上げたアパートを使用させてもらう
・自分で選んできた賃貸物件を使用させてもらえる
一言で寮といっても、上記のような違いがあります。同じ法人で勤める職員が集まって暮らすようなタイプの無料の寮もあれば、決められたアパートに住むことで社宅としての補助を受けられるケースも。
保育園側が寮つき求人を出す理由
暮らしのなかで、住宅費はとても費用負担が大きいものです。保育園が多額の費用をかけてでも寮や社宅を安く提供するのには、以下のような理由があります。
地方から上京した保育士を確保するため
地方の大学などで保育士資格を取得した人が上京する場合、ネックとなるのが一人暮らしの費用です。都心であるほど暮らしにかかる費用は高く、初任給では賄えない場合もあります。そのような費用の不安から、保育士になることや上京を諦める人も少なくないでしょう。寮は、暮らしにかかる費用負担を抑えられることをメリットとして、保育士を募集するねらいがあります。
通勤時間を気にせず勤務してもらうため
寮や社宅は、基本的に保育園の近くに設置されています。その理由は、保育園までの通勤時間を気にせずに勤務してもらうためです。立地的に難しい場合もありますが、保育園側はなるべく保育園に近い場所に寮を設けるようにしています。
家賃負担を軽減して長く働いてもらうため
保育士が退職する理由のひとつに「給料の低さ」があります。生活費を払うことで自由に使えるお金がなくなり、転職を検討するという流れです。そのような理由からの退職を防ぐため、保育園が住宅に関する負担を持つことで、長く働いてもらうように寮つき求人を出しています。
寮完備の保育園で働くメリット
寮が完備されている保育園で働くことで、以下のようなメリットが得られます。
家賃や共益費の負担が減る
保育園が用意する寮は、無料または格安で提供されます。社宅でもある程度の補助が受けられ、なかには月1万円程度で住めるケースも少なくありません。住宅費は生活費のなかでも比重が大きく、負担が減ることで暮らしやすくなるといえるでしょう。
通勤に時間がかからない
保育園近くの寮に住むことで、通勤時間を短縮できるメリットがあります。保育士は、早朝保育や延長保育など、シフトにより朝早くから夜遅くまで勤務します。保育士は体力が必要な仕事のため、出勤ギリギリまで家でゆっくりできるのはうれしいポイントです。
家具・家電がついている場合がある
寮の種類にもよりますが、あらかじめ家具・家電がついているケースも少なくありません。就職や転職にまつわる引っ越しで大きな負担となるのが、家具・家電の購入です。寮にあるものを使用できるとなれば、引っ越しにまつわる出費を限りなく抑えられるといえるでしょう。
寮完備の保育園で働くデメリット
さまざまなメリットのある寮の使用ですが、いくつか寮で暮らすことによるデメリットもあります。
お風呂やトイレが共用の寮もある
寮のなかには、お風呂やトイレが共用となっているケースもあります。さらに、食事や洗濯などのスペースも共用となれば、譲り合いが必要となります。いくら部屋が別とはいえ「自分のペースで生活したい」「人といっしょに暮らせない」という人には向いていないかもしれません。
当番やルールが厳しい場合がある
借り上げ住宅などで完全に一人で暮らす場合は問題ありませんが、ある程度共有する生活であればそれなりにルールが設けられているといえます。ゴミ当番や掃除当番など、厳しいルールが決められている場合は自由度が低いと感じる可能性があるでしょう。
転職するときは家探しも必要になる
寮は保育園で働く保育士に向けて設けられている、福利厚生のようなものです。そのため、その保育園を退職する場合は、職探しと同時に家探しも必要となります。生活が安定したら引っ越しを検討するなど、頼りきらない対応も必要です。
寮のある保育士求人を選ぶときのポイント
寮のタイプに関して、求人情報に詳しく記載されていないことも多くあります。そのため、寮の利用を検討する場合は、あらかじめどのような施設か確認しておくことが大切です。その際、意識したいポイントは以下のとおりです。
保育士個人の負担額を確認する
無料で提供してもらえる寮もありますが、多くはいくらかの自己負担が必要となります。負担が少ないとはいえ、その負担額も気になるところ。入職前に必ず確認しておきたいポイントといえるでしょう。なお、寮がない場合は、家賃補助が多く出るところを見つけることをおすすめします。
ライフスタイルに合った寮を選ぶ
前述したように、寮にはさまざまなタイプがあります。相部屋は安心感があり、ほかの保育士と仲良くなれるなどのメリットがありますが、生活リズムが合わないと気疲れしてしまう恐れがあります。自宅でゆったりできなければ、仕事に支障がでる可能性も。自分のライフスタイルに合った寮かどうか、見極めが大切です。
入居条件や退去期限について調べる
寮によっては、入居や退去に関する条件が設けられていることもあります。なかには「入職から3年以内のみ利用可」など期限が設けられていることも。そのほか、同居人不可、ペット不可など、規約違反にならないように条件をしっかりチェックしておきましょう。
寮の周辺環境を把握しておく
安心して過ごせるよう、住む予定の寮が分かれば周辺環境を把握しておきましょう。保育園までの距離はもちろん、駅や病院、コンビニ、スーパーなど利便性の高さを確認することも大切です。また、さまざまな時間帯に該当地区を訪れ、防犯面のチェックも忘れないようにしたいですね。
まとめ
一人暮らしが不安な保育士にとって、心強い味方となる保育士向けの寮。保育士を確保するため、寮つき求人を出している保育園も少なくありません。寮にもさまざまなタイプがあるため、利用を検討する場合は自分に合ったものかどうか下調べする必要があります。自分に合った寮で快適な保育士生活を始めましょう!






