保育士の仕事は事務作業もきつい!事務関係の業務内容を簡単に解説

保育士の仕事といえば子どもの「保育」。子どもの健やかな成長のため、基本的なお世話やさまざまな活動をおこないます。それだけでも大変な保育士の仕事ですが、同じくらい負担が大きいのが事務作業です。この記事では、なかなか伝わらない保育士の大変な事務作業の内容を徹底解説します。
保育士の事務作業一覧
保育士は、毎朝登園してきた子どもたちを預かり、保護者がお迎えにくるまでの保育を担います。保育に関する業務だけでも目まぐるしい忙しさの保育士ですが、隙間時間には事務作業も進めていきます。保育士がおこなう事務関係の一例は以下のとおりです。
事務作業 | 内容 |
保育計画の立案 | ・年間指導計画 ・月間指導計画 ・週間指導計画 ・日案 ・個別指導計画 |
子どもの記録 | ・保育日誌 ・保育経過記録 ・連絡帳 ・呼吸チェック表 ・予防接種確認表 |
配布書類作成 | ・年間行事表 ・保育園だより ・クラスだより ・給食だより ・保健だより ・行事のお知らせ |
勤務・経理・備品管理 | ・勤怠の管理 ・シフト作成 ・保育特別料の徴収 ・経費購入の管理 ・備品発注・支払い |
電話・来客対応 | ・保護者からの連絡 ・入園希望者からの連絡 ・保育業者からの連絡 ・管轄市役所からの連絡 |
広報業務 | ・ホームページ更新 ・SNS運用 ・求人サイト対応 ・保育フェアへの参加 |
市役所・地域との連携 | ・提出書類の作成 ・会議への参加 ・行事への参加 ・小学校との連携 |
保育計画の立案
子どもの発達に合わせた保育をおこなうため、計画表の作成は欠かせません。保育士は、保育の合間に、保育所保育指針に基づいて年間・月間・週間・日ごとに指導計画を作成します。作成が間に合わず、残業や持ち帰りで対応している保育士も少なくないようです。
子どもの記録
子どもの成長を記録するため、毎日日誌や連絡帳を書くのも保育士の大切な事務作業のひとつです。連絡帳は、ノートに手書きで書くところもあれば、専用のアプリを使ってネット上で共有するところもあります。子どもが寝ている時間に対応し、お迎えまでに完成させる必要があります。
配布書類作成
保育園から配布する各種おたよりは、担当を決めて作成します。一言で「おたより配布」といっても、パソコン上で書類を作成して印刷、配布漏れがないように氏名を書いてカバンに入れていくという細々とした作業があります。連絡帳と同様に、アプリ上で一斉に共有できるシステムを導入している場合は比較的負担が少なくなります。
勤務・経理・備品管理
どこまで保育士がするか、保育園によって対応が異なるのが、勤務・経理・備品管理です。シフトを作成したり、保育料の徴収・管理をおこなったり…。保育倉庫にある備品の在庫チェックをおこない、不足しているものを発注・支払いまで済ませるだけでも、かなりの負担がかかります。
電話・来客対応
保育園には、日々多くの電話や来客があります。通園している子どもの保護者はもちろん、入園希望の見学対応や業者からの営業など、その内容はさまざま。基本的に保育に入っていない職員が対応しますが、その都度作業の手を止める必要があるため大変です。
広報業務
保育園を運営するにあたり、新入園児や保育士の確保は重要な問題です。保育園の良さを周知すべく、ホームページやSNSの更新に力を入れる保育園も少なくありません。そのような作業には、子どもの写真撮影や掲載許可があるかどうかの確認が必要です。また、保育士採用に関連するさまざまな活動にも、実際に働く保育士として参加します。
市役所・地域との連携
管轄市役所への書類作成や、さまざまな会議への参加といった事務作業も多くあります。また、地域に根差した保育園であるために、地域交流も欠かせません。老人ホームや就学予定の小学校との交流など、取り組み内容は保育園によって違いがあります。
保育士の事務作業は「ノンコンタクトタイム」に!
子どもがいる間、保育士は日常的な子どもの保育で手一杯になってしまいます。前述したような事務作業も同時にこなすため、残業や持ち帰り仕事で対応している保育士が少なくありません。しかし、そのような働き方では、保育士が不足していく一方だといえます。保育士の負担を軽減すべく、ICTシステムを導入し業務を効率化することが重要です。そして、事務作業を無理なく遂行するためには、保育士の「ノンコンタクトタイム」が欠かせません。
ノンコンタクトタイムとは、勤務時間内で子どもと接さない時間のことを指します。保育時間中に子どもと接さない時間を意識的に確保することで、書類作成などの事務作業にあてられます。そのためには、定められた保育士の配置基準以上の人数確保が求められます。
なお、ノンコンタクトタイムの確保は、溜まった仕事をこなせるだけでなく、以下のようなメリットが期待できます。
・保育士同士で連携を取りやすくなる
・業務にメリハリがついて保育の質が上がる
・保育士のモチベーションがアップする
・残業や持ち帰りなどの体力的負担が軽減する
まとめ
この記事では、保育士が抱える事務作業について解説しました。「子どもと一緒に遊ぶ」「子どものお世話をする」などのイメージだけを持たれがちな保育士ですが、見えないところでさまざまな事務作業をおこなっています。事務職を採用している場合は細々とした作業をお願いできますが、各種計画表や個人記録などの作成は保育士の大切な仕事です。ノンコンタクトタイムを作ってもらうなど、効率良くおこないたいですね。



