敬老の日は、長生きされているお年寄りの方にお祝いをしたり、感謝の気持ちを伝える国民の祝日です。
保育園や幼稚園では、敬老の日に合わせて行事やイベントを行っているところもあります。敬老の日参観としておじいちゃんおばあちゃんを招待し、歌をうたったり製作やゲームをしたり、楽しいひと時を過ごすことが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、意外と知らない敬老の日の由来や、保育園で行事として行うねらい、またおすすめの製作や遊び、プレゼントのアイデアをご紹介いたします!
子ども達に敬老の日をわかりやすく説明する方法
敬老の日を迎えるにあたって、子ども達に敬老の日がどんな日なのか、伝えることもあるでしょう。
まずは、保育士さんが敬老の日について理解を深めることが大切なので、意味や由来などをご説明します。
敬老の日とは?
日本国民の祝日である敬老の日は、「長年にわたり社会につくしてきたお年寄りを敬愛し、長寿を祝う日」と定義されています。
当初、敬老の日は9月15日と決められていましたが、ハッピーマンデー制度の導入により、2003年から毎年9月の第3月曜日となりました。
敬老の日の由来
敬老の日の由来については諸説あるようですが、一般的には兵庫県の多可郡野間谷村の「としよりの日」が始まりと言われています。
これは、「老人を大切にし、お年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう」という意味が込められた行事です。
次第に小さな村の行事が各地に広まり、また「としより」の表現が良くないという理由で「敬老の日」と改められました。
敬老の日を簡単な言葉で伝えよう
敬老の日の由来や歴史は、そのまま伝えても子ども達には難しいと思うので、保育士さんはいろいろな工夫をして子ども達に伝えましょう。まずは、 シンプルに分かりやすくがベターです!敬老の日の意味をかみ砕くと、以下のようになります。
・老人を敬愛する→おじいちゃんおばあちゃんに「ありがとう」や「いつもありがとう」と伝えること。
・長寿→長く生きること。(子どもたち何人分と例えるとわかりやすいですよ)
子ども達に「敬老の日はどんな日?」と聞かれたら、「おじいちゃんおばあちゃんたちにいつもありがとう、ずっと元気でいてねと伝える日」と答えてあげるのが◎。
また、「何をするの?」と聞かれたら、「お手紙を書いたり、プレゼントを作ったりして、みんなの気持ちを伝えるんだよ」と伝えると良いですよ。
また、敬老の日にまつわる紙芝居や絵本を使って伝えるのも良いアイデアです。保育士さんたちでオリジナルストーリーを作って、おもしろくするのも楽しいでしょう。
おじいちゃんおばあちゃんがメインで登場する内容にすることで、子どもたちがおじいちゃんおばあちゃんを思う気持ちを高められるはずです。
敬老の日の目的やねらい
保育園で敬老の日のイベントを行うのは、「敬老の日への理解を深める」というねらいの他にもいくつか目的あるので、2つご紹介します。
1つ目は、「感謝の気持ちを伝えることで表現力を培う」という目的。子ども達は敬老の日に、プレゼントの制作を行います。制作で感謝の気持ちを表現することで、子ども達の表現力を培うことができるでしょう。
2つ目は、「お年寄りと関わるきっかけを作り、協調性や思いやりの気持ちを育む」ということ。祖父母がいない、関わりが少ない家庭もあるので、園によってはおじいちゃんおあばあちゃんと交流する機会を設けているところもあります。子ども達が自分のおじいちゃんやおばあちゃん以外にも関心をもち、協調性や相手を思いやる力を養えることを期待しているようです。
敬老の日に保育園で行いたい製作・ゲーム
保育園では、どのようなことを行って、子ども達に敬老の日を学ばせているのでしょうか?様々なコンテンツがありるので、これから詳しくみていきましょう!
1. すぐに・簡単に作れる昔のおもちゃ
まずは、おじいちゃんおばあちゃんが子どもの頃に遊んでいたなつかしのおもちゃを身近な素材て作ってみましょう!簡単に作れるものが多いので、ぜひ参考にしてみてください。
紙コップでけん玉
◎用意するもの
紙コップ 2個
たこ糸(ひとり30㎝)
セロテープ
ビニールテープ
アルミホイルまたは新聞紙
折り紙やクレヨン
はさみ
のり
きり(穴あけ用)
☆作り方☆
1つの紙コップの底にきりで穴を開けます。
穴をあけたら外からたこ糸を通し、紙コップの底(内側)にセロテープで固定します。
2つの紙コップの底と底をビニールテープでしっかり固定します。これでけん玉の胴体が完成です♪
アルミホイルまたは新聞紙をくしゃくしゃにして丸めます。
4.に、たこ糸の先をセロテープやビニールテープでくっつけます。
たこ糸の反対側を、けん玉の胴体になる部分とくっつけます。
これで、けん玉の完成です!
★紙コップにはクレヨンで絵を描いたり、おりがみをちぎって貼ったりすると可愛いですよ!
紙皿とストローでコマ
◎用意するもの
紙皿
ストロー(10㎝にカットする)
ボタン(洋服用 直径1.5㎝ぐらいがオススメ)
マジック
ハサミ
セロテープ
☆作り方☆
これでコマの完成です!
牛乳パックとストローで竹とんぼ
◎用意するもの
☆作り方☆
カットした牛乳パックにマジックで絵や模様を描きます。
ストローに縦1.5㎝切り込みを入れます。
1.で描いた模様が内側になるようにして、牛乳パックを半分に折ります。
半分に折ったら繋がっている方に、2.のストローの切り込み部分を差し込みます。
セロテープで固定します。
テープで固定したら、その上部分を斜め下に折ります。
反対側も同様に、斜め下に折ります。
これで竹とんぼの完成です!
★竹とんぼの羽になる部分は、よく飛ぶように折って角度を付けたりすると、より楽しめますよ。
2. 昔遊び・伝承遊び・ゲーム
みんなで楽しめる昔遊びやゲームは、敬老の日のイベントで大盛り上がりするはずです。
しかし、おじいちゃんおばあちゃんに配慮して、身体の負担が少ないゲームを行うようにしましょう。
おてだま
誰でも楽しめる魅力にあふれているおてだま。
おてだまは少し難しいですが、つい夢中になってしまいますよね。おじいちゃんおばあちゃんで得意な人は、3つや4つのお手玉を使えることも!
最初はなかなか上手くいかないと思いますが、できたときはとっても嬉しい遊びです。
おはじき
キラキラきれいなおはじきはとってもかわいいですよね。昔は特に女の子がよく遊んでいたそうです!
遊ぶときは、机の上にばらまいたおはじきを指先でポーンとはじき、他のおはじきに当てます。うまくひとつのおはじきに当てることができたら、そのおはじきを貰います。
これをお友だちと交互にしていき、多くおはじきを取った人が勝ちというゲームです。
あやとり
今でもあやとりは、子ども達が楽しく遊んでいますよね。
おじいちゃんやおばあちゃんも馴染みのある昔懐かしい遊びです。
簡単な「ほうき」から難しい「橋」など、おじいちゃんおばあちゃんに教えてもらったり、二人あやとりで一緒に遊んだりできます。
はないちもんめ
誰もが知ってる、大人数で遊べる「はないちもんめ」。
おじいちゃんおばあちゃんに子ども達、みんな手をつないで遊んだら、きっと盛り上がること間違いなし!
おじいちゃんおばあちゃんが、子どもの頃をつい思い出してしまう、そんな懐かしい遊びです♪
じゃんけん列車
子ども達が大好きな、じゃんけん列車!
音楽に合わせて自由に動き、曲が止まったら近くにいるお友だちとじゃんけん!負けた人は勝った人の後ろに回り、両手を肩に置き列車をつくります。どんどん列が長くなり、長い列車の先頭の人がチャンピオンです♪
ルールは簡単なので、みんなで一緒に楽しく遊ぶことができます!
おひざとりゲーム
おひざどりゲームとは、室内遊びの定番『フルーツバスケット』を敬老の日バージョンにアレンジしたもの。
子どもの人数分のイスを用意し、内側に向けた状態で円形に並べます。
グループ分けをします。
保育者が中央に立ちグループ分けしたものの名前を言います。
言われたグループの子どもだけが席を立ち、別の席(膝の上)に移動します。
移動するごとにイス役になっている祖父母(保護者)とそこに座った子どもとで、じゃんけんゲームを行います。
勝った方は負けた方に肩たたきをしてもらいます。
★保育士さんは始める前には「恥ずかしがらずに、お友達のおじいちゃんおばあちゃん(おうちの人)のお膝の上に座ろうね」と声掛けしておき、戸惑って参加できない子どもがいないように配慮しましょう。
★一番最初は「フルーツバスケット」と言って全員を動かします。そうすると、みんなが自分以外の祖父母(保護者)の膝の上に座るので、恥ずかしがって動き出せない子の緊張もほぐれ、そのあとの活動がしやすくなります。
★保育者は移動する子どもが偏らないように、全てのグループをまんべんなく言うようにします。
★「フルーツバスケット」と言ったあとは『子どもと祖父母(保護者)で自己紹介をし合う』というルールを決めておけば、より密に関われるのでおすすめです◎
★少し難しいルールで遊ぶことのできる年中・年長さんは、「めがねをかけている人」「今日の朝、パンを食べた人」「今日おじいちゃんと来た人」といったような内容にしても楽しむことができます。
このように祖父母(保護者)にイス役になってもらうことで、『フルーツバスケット』も敬老の日バージョンにアレンジすることができますよ♪
敬老の日の手作りプレゼント
敬老の日に子ども達からプレゼントをもらったら、おじいちゃんおばあちゃんはきっと喜んでくれるはずです。以下は、簡単に作れる手作りプレゼントのアイデアをご紹介します!
・メッセージカード
感謝の気持ちを伝えられるメッセージカードは、敬老の日のプレゼントの定番。また、素材もすぐに手に入るもので、保育士さんの準備がとても簡単なのも魅力です。年中さんや年長さんは、メッセージや似顔絵など1人で作れると思うので、子ども達が一人で作り上げる達成感を味わえるよう、保育士さんは手順を指導をするだけにして、見守っていましょう。
また、文字が書けない子どもの場合には、似顔絵だけ子ども達に描いてもらって、メッセージや装飾は保育士さんがサポートしてあげてくださいね。
・折り紙でつくるお守りやしおり
折り紙でも様々なプレゼントを作ることができます。たとえば、お守りやしおりです。折り方が簡単なので、年中さんや年長さんならすぐに作れると思います。またお守りやしおりに、子どもたちの絵やメッセージを書いてプレゼントすれば、子どもたちの気持ちがより伝わりますし、世界に一つのオリジナルプレゼントとしてきっと喜んでもらえるはずです。
・似顔絵入りのキーホルダー
工作用のプラバンで、おじいちゃんおばあちゃんの似顔絵が描いてあるキーホルダーを作りましょう。普段から持ち歩くカギや、携帯、スマホに付けられれば、いつでもおじいちゃんおばあちゃんは孫を感じることができます。
制作する際は、約4分の1サイズに縮むのを考慮した大きさで書くように指導することと、油性ペンを使用することを忘れずにしてくださいね。
さいごに
敬老の日は、おじいちゃんおばあちゃんに感謝を伝える日。行事でも感謝の気持ちを伝え、みんなで楽しく過ごしたいですよね!昔なつかしいおもちゃを作ったり、昔ながらの遊びやゲームで盛り上がったり、遊び方や楽しみ方はいろいろです。 どうぞ素敵な時間にしてくださいね♪