有効求人倍率からわかる保育士の需要

保育園イメージ画像

近年、共働きである世帯が増え、保育園に子供を入所させる家庭が増えました。
よく「待機児童が年々増加している」「保育士が不足している」というニュースが流れていますが、保育士は本当に不足しているのでしょうか?保育士の充足・不足を確認する目安として、厚生労働省の「職業安定業務統計」にある「有効求人倍率」という数値がありますので、照らし合わせて確認してみましょう。

有効求人倍率とは?

まずは、有効求人倍率とはどのような数値であるかを見ていきましょう。
有効求人倍率は、

有効求人倍率=求人数÷求職者数

このような計算式で求められる数値です。
簡単に言うと“求職者1人あたり何件の求人があるのか”を示す値と考えましょう。

★100件の求人があり、100人の応募があった→有効求人倍率は1
100(求人の件数)÷100(応募者の人数)=1(有効求人倍率)
★100件の求人があり、10人の応募があった→有効求人倍率は10
100(求人の件数)÷10(応募者の人数)=10(有効求人倍率)
★100件の求人があり、200人の応募があった→有効求人倍率は0.5
100(求人の件数)÷200(応募者の人数)=0.5(有効求人倍率)

つまり、

・有効求人倍率が高い → 人手が不足(求職者の需要が高い)

・有効求人倍率が低い → 求人数が不足(求職者の需要が低い)

であることがわかりますね。
「1.00」に近い数字であれば、求職者1人あたりに1つの求人が行き渡っているということになり、求人数と人手のバランスがちょうどよいということになります。

全国・各都道府県別の有効求人倍率

では次に、厚生労働省が発表している、全国と各都道府県別の保育士の有効求人倍率を確認してみましょう。

▲=増加 =1.0以上増加 =減少
都道府県 平成26年9月時点 平成27年9月時点 増減
全国 1.44 1.85
北海道 0.96 1.25
青森県 1.08 1.55
岩手県 1.17 1.57
宮城県 1.40 1.95
秋田県 0.76 1.83
山形県 1.27 1.53
福島県 1.20 1.57
茨城県 1.68 2.17
栃木県 1.60 2.20
群馬県 0.76 1.00
埼玉県 1.66 2.68
千葉県 1.27 1.88
東京都 4.07 5.44
神奈川県 1.83 2.85
新潟県 1.29 1.55
富山県 1.57 1.72
石川県 2.09 1.55
福井県 1.64 1.99
山梨県 0.76 0.89
長野県 0.90 0.97
岐阜県 1.02 1.14
静岡県 1.16 1.47
愛知県 1.05 0.93
▲=増加 =1.0以上増加 =減少
都道府県 平成26年9月時点 平成27年9月時点 増減
三重県 1.22 0.99
滋賀県 1.73 1.58
京都府 0.93 1.31
大阪府 1.40 1.36
兵庫県 1.07 1.27
奈良県 0.91 1.20
和歌山県 1.30 2.47
鳥取県 1.57 2.27
島根県 1.27 1.29
岡山県 1.13 1.02
広島県 1.87 3.27
山口県 0.62 0.89
徳島県 1.40 1.97
香川県 0.86 1.24
愛媛県 0.98 1.11
高知県 1.07 0.87
福岡県 1.00 1.09
佐賀県 0.67 0.94
長崎県 0.83 1.36
熊本県 0.81 1.47
大分県 0.81 1.00
宮崎県 1.14 1.44
鹿児島県 0.98 0.89
沖縄県 1.43 2.06

※参照データ:厚生労働省「保育士等における現状」

全国における保育士の有効求人倍率を見てみると、平成26年度では「1.44」、平成27年度では「1.85」となっており、保育士が不足している上に、人手不足の度合いが年々増加傾向にあることがわかります。

この一覧を見たときに特に目を引くのが、東京都の「5.44」という数字です。
すなわち東京都では、5つの保育園が求人を出していても、人材を確保できるのは1つの園のみということになります。
この影響は東京都だけではなく、埼玉県、神奈川県という東京のベッドタウンまで及んでおり、「2.68」「2.85」という高い数値を示していることがわかります。

また、前年度より有効求人倍率が下がった都道府県はわずか1府7県のみで、保育士不足の深刻さが浮き彫りになっているのではないでしょうか。

有効求人倍率でわかる保育士の人手不足、その原因は?

厚生労働省が発表している「平成28年の求人倍率の概要」を見てみると、全産業における正社員での有効求人倍率は「0.86倍」、非常勤含む全体で「1.36倍」という数値を示しており、このことから保育士が人材不足であることがわかります。

では、一体なぜ保育士は常に人材不足なのでしょうか?
まずは、こちらのグラフを見てみましょう。

グラフ

 ※参照データ:厚生労働省「保育士等における現状」

これは、保育士が現在勤務している職場に対して希望していることを調査した数値ですが、圧倒的に「給与・賞与の改善」を希望する保育士が多い事がわかります。

保育士という職業は、大切なお子様を預かり見守るという重大な責務である上、仕事量が膨大であることから、朝早くに出勤し夜遅くに退勤するという職場が多くなり、長時間の拘束を強いられてしまいます。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、保育士の全国平均年収は3,233,400円、月給は223,300円という金額が公開されています。
しかし、この数値は保育業界の中でも高収入である管理職までを含めた金額となっており、実際に現場で働く保育士はもっと低い収入となっていると考えられます。
そのため、割に合わない給料設定からなかなか保育士の数も増えず、有効求人倍率もこのように高い数値が出てしまいます。

今後の保育士の求人事情を考える

このように有効求人倍率を確認することで、保育士の需要はとても高い事がわかり、その一番の原因は給与・賞与の問題であることがわかりました。
では、保育士は今後もこのように需要が高く人手不足で、お給料は低いままなのでしょうか?
そんなことはありません。厚生労働省は平成29年度末までに民間保育所で働く保育士の給料を平均5%改善すると発表し、役職に応じて処遇も改善するなどの前向きな姿勢をみせました。
そして、保育士不足・待機児童問題の深刻化を受け、政府は2019年10月の消費増税で増える税収の一部を使い、保育士の賃金を引き上げるという処遇改善策を発表しました。
この事により、少しずつではありますが、保育士の処遇も良い方向へ改善し、人手不足も解消へ向かっていくと予想されております。
現在保育士として頑張っている人はもちろん、これから保育士を目指している人にも、とても嬉しいニュースですね。
今は有効求人倍率も高く、引く手あまたである保育士ですが、今後は有効求人倍率が低くなり、なかなか就職・転職できないという日が来るかもしれません。

有効求人倍率が高い今のうちに、あなたの希望に合ういい条件で勤務できる転職先をしっかり見極めておきましょう!

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