管理栄養士・栄養士

管理栄養士・栄養士って、どんな仕事だろう?

比較的聞き覚えのある資格ではないでしょうか。管理栄養士は高齢の方や病気で食事を摂りづらくなっている人への栄養指導・栄養管理そして給食管理などを行なう仕事です。もちろん健康な方への指導も行なっています。一方の栄養士は主に健康な人への栄養指導・栄養管理・給食管理を行なっています。幼児から高齢者まであらゆる年代に食事や栄養バランスや健康についてアドバイスをしたり、給食の献立を作って特定給食施設に提供して栄養管理をしたりします。人々の健康を栄養と食事の面から支える専門家です。幼児も対象となりますので保育所や幼稚園などの保育施設でも活躍できます。
みなさんのイメージでは学校給食の献立を考える仕事、というイメージが強いかもしれません。しかし栄養士の仕事は学校給食の献立作りだけでなく、ほかにも多くの活躍の機会があるのです。前項であげたように、高齢者を対象に栄養管理を行ないますし、スポーツ選手のコンディションを管理するために食事メニューを考えることもあります。医療現場では病気の治癒・再発の防止・合併症予防のために患者への食事指導を行ないます。そして保育現場では0歳児から6歳児までを対象にし、成長に欠かせない栄養を含んだミルクや離乳食、幼児食を提供しています。また子供はアレルギーを持っている場合も少なくないので、保育士や保護者と連携をとって食事メニューを考えてゆきます。
人間にとって食事は欠かせないことです。その食事に関わる場面ならどこでも必要になってくるのが管理栄養士・栄養士の仕事なのです。

どういう場所で働くの?

管理栄養士・栄養士の働く現場は本当に様々です。小中学校・特別支援学校など給食のある教育機関だけでなく、企業の社員食堂も活躍の舞台となります。病院・クリニックなど医療現場、老人ホーム・デイサービスなど介護現場、自治体の管轄する保健所・保健センター、料理教室の講師としてセミナーに参加することもあります。また食品開発の研究に協力するなど、食のあるところ全てが活躍の場といえるでしょう。

給料は増えるの?

管理栄養士・栄養士の資格を持つ保育士が保育所で働くのなら、相場は月収20万前後で賞与を合わせると年収300万前後が目安でしょう(地域によって差はあります)。栄養士の給与はそれほど高くはありませんが、保育施設によっては資格の有無で別途手当を付けてもらえるかもしれません。栄養士なら2000円から5000円、管理栄養士なら5000円から10000円ほどの資格手当がつくこともあります。
ちなみに医療機関で働く場合は専門性が増すため、ほかの現場よりも高い給与を受け取れるケースが多いようです。

どうやって取得するの?

管理栄養士は厚生労働大臣が認定する国家資格です。管理栄養士の養成課程(4年制)のある大学・専門学校で決められた履修を修了し、国家試験に合格すれば資格を取得できます。一方の栄養士は都道府県知事が認定する公的な資格で、管理栄養士と違って栄養士の養成機関(2・3・4年制)を卒業すれば認定されます。
栄養士の資格を取ってから「やっぱり管理栄養士の仕事に就きたい」と思った場合は、栄養士としての実務経験を養成機関での修業年数と合わせて5年になる(例えば3年制の課程を修了していれば、2年の実務経験が必要)よう積んでから、管理栄養士の国家試験を受けて合格すれば取得できます。
管理栄養士の養成施設は全国に143校、栄養士の養成施設は137校あります。メジャーな資格なので全国各地に養成施設があり、通いやすいと思います。しかしどちらも学習内容が多岐にわたる上に膨大で、実習による授業も多くなっています。そのためインターネット等での通信講座は行なっていません。取得には時間を確保してのぞむ必要があります。