医療事務
なぜ保育士に医療事務の資格なの?
このコーナーで医療事務の名前が挙がっているのを見て「どうして?」と思った人もいるでしょう。医療事務と言えば誰でも見たことがあるのではないでしょうか。病院の受付案内や会計時に医療費の請求をしている、あの仕事です。どう考えても保育現場とは無関係な資格ですよね。ずばり先に述べておきましょう。保育士の業務とは全く関係がありません。しかし近年、医療事務の資格を取ろうと考えている保育士が増えているのです。なぜなのでしょうか。
女性の間で、医療事務は最も人気のある資格です。今は現役の保育士としてバリバリ働いていても、いずれは結婚退職して家庭に入り、子供が生まれるかもしれません。家計を助けるために保育所に戻って働こうにも、保育士は育児をしながらできるほど易しい仕事ではありません。そこで医療事務員として病院やクリニックで働くという選択肢があります。
医療事務の仕事は保育士よりも柔軟な働き方ができます。フルタイムでも雇ってもらえる機関はありますが、パートタイムで午前だけ働いたり、子供が学校へ行っている夕方までの時間だけ働いたりするような、自分のライフスタイルに合わせた働き方が選べます。すぐには必要のない資格であっても、将来の保険として取得している保育士も少なくありません。
病院やクリニックなどの医療施設は、今やコンビニの2倍以上の数があります。それに日本中どこでもあるので、引っ越しても次の働き口が見つけやすいという利点もあります。医療関係の仕事は景気に影響されませんし、高齢化によって医療機関の需要が高まるとも予想されています。それに医療事務の業務は、ほぼ座り仕事です。肉体への負担も少ないので年齢に関わらず長く続けられる仕事です。
また一度退職した保育士も家庭が落ち着けば、再び保育所で働きたいと思う人も少なくないようです。その間の働き口として、医療事務の資格は役に立つのです。
医療事務って、どんな仕事だろう?
みなさんも病院の窓口で目にしたことがあるでしょう。受診に来た患者さんの診察券や保険証を確認します。最近は機械での再診予約も増えているので、初めての患者さんに使い方を教えるのも役割になります。診察の終わった患者さんの診療費用を計算し、窓口負担を請求します。患者さんから見えない部分ではレセプト業務という仕事もあります。レセプトとは保険組合に医療費の請求をする書類で、それを作成するのも医療事務の仕事となっています。
給料はどのくらいもらえるの?
日本医療労働組合連合会が出した平均値によると、初任給(フルタイム)でおよそ17万、35歳でおよそ26万ほどです。保育所や幼稚園と比べるとやや低くなりますが、育児をしながらでも仕事ができるほど時間に融通が利くという点は魅力的です。またパートタイムだと時給1200円から1400円が相場でしょうか。これ一本で生計を成り立たせるのは難しいですが、日本の医療機関の絶対数が多いので雇用機会は豊富にあります。
どうやって取得するの?
医療事務と一言で言っても、認定している民間団体は様々あります。今回は全国医療福祉教育協会の実施している『医療事務認定実務者(R)』を紹介しましょう。
こちらは数ある医療事務の資格の中でも比較的取得しやすく、合格率は60%から80%と言われています。主に 受付マナーを身につける資格で、医療事務関連の資格を初めて取得しようという方におすすめです。試験は毎月実施されていて、勉強に必要な期間は仕事をしながらでも4ヶ月程度と言われています。マークシート形式の筆記試験です。暗記力を問われる試験ではありませんので、テキストやノートや電卓も持ち込み可能です。