運動保育士
運動保育士って、どんな仕事だろう?
運動保育士とは、その名のとおり子供たちに運動を教える保育士です。いわゆる運動遊びのプロフェッショナルと呼べる認定資格でしょう。
最近の子供は外で遊ばなくなって家でゲームばかりしている、という声をよく聞きます。なにもゲームの普及だけが原因というわけではありません。近年では、安全性の観点から公園から遊具が撤去され、河川敷にも立入禁止の柵が張ってあります。こうして子供が外で遊ぶ場所が奪われ、運動の機会そのものが減少しているのです。そこで子供たちが存分に身体を動かせる遊びの機会を提供し、運動機能と頭脳と精神の発達を促すのが運動保育士です。
子供にとって、思い切り身体を動かすことはとても重要です。体力や運動機能や健康促進だけでなく、物事を瞬時に判断する『判断力』と『認知力』や、物事に真剣に取り組む『集中力』と『忍耐力』、そして友達どうしで協力し合って『社会性』と『協調性』などを運動遊びによって養うことができるのです。
どういう場所で働くの?
主に保育所や幼稚園などの保育施設です。専門職ですので募集は多くしていませんが、子供の運動の機会が減少している近年、その需要は高まっています。また運動プログラムを実施している自治体では、運動遊びのプロである運動保育士を配置するよう取り組んでいるようです。運動保育士を配置していない保育施設でも積極的に募集をかけていることもあります。
また保育施設以外では認定元である『NPO法人運動保育士会』のスタッフとして、セミナーや研修会に参加する場合もあります。
給料は増えるの?
運動保育士の資格を持つ保育士が保育所で働くのなら、相場は月収20万前後で賞与を合わせると年収300万前後が目安でしょう(地域によって差はあります)。現場によっては資格の有無によって別途手当を付けてもらえるかもしれません。
どうやって取得するの?
運動保育士は『NPO法人運動保育士会』が運営している『運動保育士会こどもプラス』が認定しています。民間資格ですので比較的取得しやすい資格と言えます。特別に難しかったり、高倍率だったりする取得試験もなく、カリュキュラムを修了すれば取得できます。スクーリングに必要な時間さえ確保できれば大丈夫でしょう。
運動保育士には『運動遊び実践コース』と『子育て脳機能コース』があり、それぞれ初級、中級。上級の3段階に分かれています。どのコース・級の資格を取得するにも全国各地で開催されている認定試験とセミナーを受講しなければなりません。通信講座は行っていないので、しっかり時間を確保して試験会場へ行きましょう。半日から2日という短期間のセミナーなので、忙しい方でもスケジュールの調整が付けやすいかと思います。
『運動遊び実践コース』は発達年齢にあった遊びができるプロを養成するコースです。体育実技の先生ではなく、年間の運動プログラムを計画し、子供たちが運動を楽しんで好きになるよう計画できるようにするのを目的とします。いわば運動遊びのマネジメントです。『子育て脳機能コース』では運動することを通して、『記憶力』『語彙力』『集中力』を高めるためのプログラム作りを学びます。最新の脳科学の研究によれば、子供の脳の発達と運動には深い関連性があるようです。保護者を集めて『脳と運動』の勉強会を開けるような知識を身につける事を目的とします。こちらも体育の先生というより脳の専門家に近いですね。
『運動遊び実践コース』と『子育て脳機能コース』の初級は同日に取得することもできます。同日受験の場合は割引も利きますので、どちらも必要であれば同日に受験することをお勧めします。