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臨床発達心理士
臨床発達心理士って、どんな仕事だろう?
臨床発達心理士は、「人の成長・加齢と向き合い、発達心理学などの専門知識を生かし、健康な心の育ちを支援する」ことが仕事です。いわゆる心の成長過程におけるプロフェッショナルですね。
赤ちゃんから高齢者まで、幅広い世代から必要され、また育児に励む保護者や障害を持つ人々なども対象として支援しています。
人間は成長してゆく過程で、幼稚園(保育所)・小学校・中学校・高校・大学、そして社会といった具合に環境が次々と変化してゆきます。そこで人間関係・仕事の悩み・将来への不安など様々な問題に直面することになります。しかもそういった問題は時間の経過や状況や成長過程によって目まぐるしく変化し、その都度サポートの仕方も変化してゆきます。例えば素直な幼稚園児と思春期の中学生では、異性を好きになると意味が全く違いますね。どちらにも「思い切って話しかけてごらん」という同じアドバイスでは通用しません。人生の中でぶつかる様々な問題をクリアしてゆくには、その問題の本質をしっかりと理解し、それに基づき正しいサポートをする専門家が必要です。どの性別、どの年代にも適切に支援できるのが臨床発達心理士なのです。
もちろん乳幼児も対象となりますので保育所や幼稚園などの保育施設でも活躍できます。ちなみに知人の保育士の話によれば、臨床発達心理士の資格を持っている保育士は最強レベルだと言われているそうです。知人の保育所では、保育士チーフや園長クラスの責任を負った保育士が臨床発達心理士の資格を持っています。つまり資格を保有してれば昇格や昇級の機会につながるということなのです。
あくまで臨床発達心理士というのは資格名であり、具体的な職業を指し示す言葉ではありません。だから臨床発達心理士の活躍の場は様々です。仕事の内容は皆さんのイメージ通り、カウンセリングやセラピーが主体となってきます。身近なところでは会社で企業内相談に乗ったり、アンケートや面談で社員の心理調査を行なったりしています。保育現場では保育カウンセラーや特別支援教育コーディネーターの業務を行なっています。子供だけでなく保護者の相談にも対応できるのです。
どういう場所で働くの?
臨床発達心理士の働く現場は本当に様々です。心療内科のある病院・クリニックはもちろん、障害者施設・高齢者施設でのセラピー、教育機関でのスクールカウンセリング、中には家庭裁判所での調査官として働いている人もいます。乳幼児を対象とする現場では保育所や幼稚園だけでなく、新生児の医療現場で愛着形成の援助を行なったり、家庭支援センターで相談スタッフの役割を果たしたりしています。
給料は増えるの?
臨床発達心理士の資格を持つ保育士が保育所で働くのなら、給与アップはかなり期待できます。前項でも述べたとおりですが、臨床発達心理士の資格があれば保護者の悩み相談や育児に関するセミナーを担当することもできますので、おのずと昇格・昇級のチャンスが巡って来やすくなります。保育所や幼稚園は子供と保護者の両方の年代の人間と接しなくてはなりません。臨床発達心理士という心の専門家は大変重宝されるでしょう。
どうやって取得するの?
臨床発達心理士は学会連合資格「臨床発達心理士」認定運営機構という民間団体が認定している資格です。資格審査は年に一度、9月から12月にかけて実施されており、その試験に合格すれば取得できます。
かなり専門的な資格ですので、発達心理学を中心とする心理学諸分野の知識や人間の発達を支援する臨床的な技能が必要になってきます。資格申請にも必須利条件があり、「発達心理学隣接諸科学の大学院修士課程在学中または終了後3年未満」「臨床経験が3年以上あり、かつ発達心理学隣接諸科学の大学院を修了している」「臨床経験が3年以上あり、かつ発達心理学隣接諸科学の学部を卒業している」「大学や研究機関で研究職をしている」「 公認心理師を取得している」の5つのうちいずれかを満たしていなければなりません。
試験は1次審査(書類審査・筆記試験・臨床実習内容報告書審査)、2次審査(個別面接)によって合否が決まります。
資格取得の倍率は?
第2回の養成講座の募集では461名が応募しました。それに対して受講者定員は60名。実に倍率は8.2倍です。かなりの高倍率といえるでしょう。受講者はエントリーシートによって選抜されます。今後は志望者が700名を超え、10倍を超える倍率になるのではないかと予想されています。
しかし、あくまでこれは養成講座を受講するための倍率です。実際はそこから養成講座から合格者が選抜されるため、資格取得の倍率となるとさらに高くなるでしょう。