幼稚園教諭免許や保育士資格を取得するための実習は、単位を取得するにあたって必修の科目です。
「幼稚園の先生になりたい」「保育士として働きたい」そんな思いや期待と共に、初めての実習は不安と緊張でいっぱいの方も多いはず。
実習を成功させるには「実習を知ること」が必要です。これから実習を迎える幼稚園教諭&保育士のたまごである実習生さんに、保育園と幼稚園の違いや実習内容などの基礎知識と目標の立て方や当日までに備える心構え3つを紹介します。
保育園と幼稚園の実習内容を知り目標を立てよう!
実習を成功させるには「実習を知ること」「目標を立てて実行すること」の2つが大事です。
まず知っておきたいのが保育園と幼稚園の違い。大きな違いは、入園可能な年齢と保育時間の長さです。幼稚園は3歳から就学前の子どもを対象に4時間の保育時間を標準とし、保育園は0歳から就学前の子どもを対象に8時間を原則としています。
園の保育方針、保育年齢や担当する時間が違えば当然実習内容や目標は変化します。保育士や幼稚園教諭になる第一歩として、下準備はしっかりしておきましょう。
保育実習と幼稚園実習の内容や流れ
実習では、見学や観察をする「観察実習」、保育の補助を行う「参加実習」、一部の場面の保育を行う「部分実習」、保育を1日行う「責任実習」の4つがあります。
子ども達と関わりや、先輩の保育士さんや幼稚園の先生の動きから学び、4段階で具体的な目標を立てながら実習で実践的な力を身につけていきましょう!
保育実習と幼稚園実習の期間
保育実習は、保育園で2回と施設で1回行くなど学校や地域によりさまざまです。幼稚園実習は計4週間、2週間を2回行ったりまとめて行ったりと、こちらも学校によって変わります。
学習計画や就職活動の計画を立てて余裕を持って準備をするために、早めに期間を確認しておきましょう。
保育実習と幼稚園実習の目的や目標
実習は、保育現場の雰囲気を知り今まで学んだことを実践して身につける目的があります。そして目標の設定は、目的を踏まえて「何を学びたいか」を考える必要があります。
「2歳児がどんな遊びをしているか知る」「子ども達が寝ている間の保育者同士の動きを知る」など、時間帯や子ども達の年齢によってなるべく具体的な目標を立てましょう。実習が進むにつれて、自分の苦手な分野を克服する反省を活かした目標を立てると良さそうです。
保育実習や幼稚園実習で意識したい心構え3つ
1. 実習中は学生でなく社会人である
実習先に行けば子どもたちや保護者の方から見れば「先生」の一員と見られるでしょう。実習先は学校ではなく、幼稚園の先生や保育士さんの勤務先です。社会の一員として気をつけたい「あいさつ」「言葉遣い」「身だしなみ」「時間厳守」で何をどうすべきなのか、気をつけたい点を紹介します。
あいさつは元気よく笑顔で
「おはようございます」「ありがとうございます」と、あいさつがしっかり出来ていないと、実習先の先生に「やる気ないのかな?」思われる可能性も。
実習中、園側は普段の仕事に加え、実習生の指導や日誌や指導案の添削など仕事が増えることになります。快く実習を引き受けてくださっている事を忘れないようにしたいものです。
丁寧なあいさつは感謝の気持ちを伝える手段でもありますし、子どもたちのお手本になれるように元気よく笑顔ではっきりと声を出しましょう! 言葉遣いは丁寧に
子ども達は大人のことを私達が思っているよりもよく見ています。普段友達と会話するような砕け過ぎた言葉遣いには注意しましょう。
もちろん社会的によくないという理由もありますが、実習生とはいえ先生は子ども達のお手本になる存在。真似されても恥ずかしくない、正しく丁寧な言葉遣いを心掛けましょう! 身だしなみは清潔感と安心感
身だしなみも社会人の基本!保育士としてふさわしい「この先生になら、わが子を預けられる!」と思われる清潔と安心感のある格好がベストです。下記を参考にしてみてください。
・髪が長すぎる場合は結び、明るい髪色の場合は黒染めする
・メイクはナチュラルに
・ピアス、アクセサリーは危険もあるので装着しない
・爪は短く切り、ネイルはオフ。清潔感だけでなく安全面も考慮する
・香水はつけない
・露出するような格好はNG
・派手すぎる色や柄のジャージは控える
・靴は、紐のついてないシンプルなもの
服装については、園から指定がある場合もあります。動きやすくシンプルで清潔感と安心感を与える服装で挑みましょう! 時間厳守は当たり前!5分前行動を!
実習中に遅刻なんて前代未聞です。開始時間の5分前には、着替えも済ませていつでも保育室へ向かえるようにしておきたいものです。
「時間にルーズな人」と思われるだけでなく、自分自身の心の準備をする時間も無くなります。
基本は、指定された時間の5分前には園に到着します。気を付けたいのは園側にもスケジュールがあるため、早すぎるのも良くないということ。
あまり早い出勤だと迷惑になってしまいますので、5分前がベスト。遅刻をしないよう、前もってシミュレーションしてもいいでしょう。 2. わからないことは積極的に質問する
1日の流れを把握する、担当保育士を観察、子ども達と関わり名前を覚える、子ども達がケガをしないか目を配るなどとにかくやることが多いのが実習。
特に初日はあっという間に過ぎてしまい、何がわからなかったのかさえ分からない実習生も多いでしょう。実習が始まるとまず直面する「わからないことがわからない状態」をそのままにしないために何をすれば良いのでしょうか。少しでもわからないと思うことはメモする必ずして欲しいのが「少しでもわからないなと思うことはメモに書き残す」ことです。その日のうちに担当保育士へ相談し、疑問を解決出来るよう心掛けましょう!遠慮し過ぎずに質問する「何をすればいいかわからないけど、担当保育士が忙しそうで声を掛けづらい」そんな風に思って、質問しない実習生も中にはいます。
確かに保育士さん達は忙しいですが、実習生を受け入れる担当保育士は、ある程度経験を積んでいるベテラン保育士。億劫にならず、気になったことは質問するようにしましょう!
3. 実習中は失敗を恐れず成長のチャンスだと考える
失敗はナーバスなイメージや感情が先行してしまうからか「してはいけないもの」と考えがち。
しかし、失敗から学ぶことの方が多いのも事実です。実習生だからこそ、失敗を通して次に生かせるように学んでいきましょう!
もちろん、子どものケガなどに関わることはNGですが、失敗やうまくいかない経験も成長のチャンスだと考えましょう。
準備をすれば実習も怖くない!
保育園と幼稚園の違いや実習の目標の立て方、成功のための3つのポイントをご案内しました。
初めての実習は期待もありつつ不安や緊張でいっぱいですよね。備えるべき基礎知識や心構えを知ることで、実習中の心の余裕も生まれてくるはず。
実習は慣れないことの連続で大変ではありますが、自身が成長できるまたとないチャンスです。実習で成功できるように準備をしっかりしておきましょう!