保育士資格とは
保育士資格は「児童福祉法」に基づく国家資格のこと。2003年の11月に児童福祉改正法により名称独占資格として規定され、国家資格に認定されました。また、長い間「保母」や「保父」の名称で親しまれていましたが、児童福祉法実施令の改正によって「保育士」という名称に変更されています。
保育士の資格に年齢制限はあるの?
保育士資格を取得するための年齢上限は特に定められてません。しかし保育士資格取得のために学校を卒業していることや、試験を受けるための受験資格がいくつか定められており、おおよその下限設定として20歳以上の方が受験可能となっています。
保育士資格の取得方法は?
① 保育の養成学校で学ぶ
厚生労働大臣が指定した養成校(4年制大学・短期大学・専門学校など)に進学して、定められた単位を取ることで保育士資格が卒業と同時に取得が可能。通信制や夜間の学部を設置している養成校もあり、仕事や子育てをしながら学んでいる人も中にはいらっしゃいます。養成校の場合、保育士+幼稚園教諭の資格同時取得が可能な学校も多く存在しています。
② 毎年行われている保育士試験に受験する
国家資格である保育士資格は、毎年開催される保育士試験に合格することで取得も可能です。学校に通うことが難しい場合は、書店で販売されているテキストや試験対策の通信講座を利用する方法もありますよ。受験資格を満たしていれば、申し込みから資格取得まで最短で6か月で取得することができます。 保育士試験を受験するにはいくつか条件があるあるため、下記の受験資格チャートを参考に調べてみてください!
A :中等教育学校卒業(義務教育修了)
中等教育学校卒業後、児童福祉施設(※1)にて
5年以上かつ7200時間以上勤務し、児童保護に従事した者。
B:高等学校卒業
①平成3年3月31日までに卒業した者および
②平成8年3月31日までに保育科の高校を卒業した者
⇒保育士試験、受験資格あり
③上記の①または②に当てはまらない者
⇒受験資格を取得するために実務経験が必要
(児童福祉施設(※1)にて2年以上かつ2880時間以上勤務し、児童保護の従事することが必要)
C:4年制大学・短期大学卒業
⇒受験資格あり
D:4年制大学・短期大学中退
2年以上在学して62単位以上修得した者
⇒受験資格あり
E:専門(専修)学校卒業
学校教育法に基づいた専修学校を2年以上の課程を修了し、卒業した者
※1年制の専門(専修)学校の場合は受験資格はありません
F:保育士養成学校卒業
厚生労働大臣が指定した養成校を卒業と同時に取得可能
※保育士試験の受験は必要ありません
G:外国の学校教育で
14年の課程を修了
⇒受験資格あり ※事務局に問い合わせて確認すること
※1 児童福祉施設とは児童福祉法第7条第1項によって定められた12種類の施設です。
①助産施設 ②乳児院 ③母子生活支援施設 ④保育所(保育所型認定こども園を含む) ⑤幼保連携型認定こども園⑥児童厚生施設 ⑦児童養護施設 ⑧障害児入所施設 ⑨児童発達支援センター ⑩児童心理治療施設 ⑪児童自立支援施設 ⑫児童家庭支援センター
保育士試験について
保育士試験は毎年2回行われており、平成16年度からは日程および試験内容が全国で統一されています。
試験は筆記試験と実技試験で、合格率は10%~20%。
合格ラインが、受験する9科目全てで6割以上の得点が必要なため、合格率自体も低めになっているのです。
独学では難関とされているため、保育士試験を受験しての資格取得を考えられている場合は、通信講座を利用して勉強されることをオススメいたします☆
実際の試験内容はどのようなものなのかチェックしていきましょう!
◆筆記試験
保育原理・教育原理・社会的養護・子ども家庭福祉・社会福祉・保育の心理学・子どもの保健・子どもの食と栄養・保育実習理論※場合により試験科目の一部免除あり(事務局への問い合わせ必須)
・2年以内に一部科目に合格しており、免除申請を行った者は合格した科目の免除・幼稚園教諭免許状の所有者は、教育原理/保育の心理学/実技試験が免除 ◆実技試験
保育実習実技(音楽に関する技術、造形に関する技術、言語に関する技術の中から2分野を選択)※場合により試験科目の一部免除あり(事務局への問い合わせ必須)
・2年以内に一部科目に合格しており、免除申請を行った者は合格した科目の免除合格した科目は3年間有効で、1年で合格できない場合でも翌年に再度受験できます! ◆試験日程
保育士試験には前期と後期があり、年に2回行われています。●前期…4月ごろ(筆記)/6月ごろ(実技)●後期…10月ごろ(筆記)/12月ごろ(実技)
◆問い合わせ先
保育士の資格を活かせる仕事は?
保育士資格は保育園以外にも企業内保育や幼児教室、インターナショナルスクールなど資格を活かせる場所がたくさんあります。また助産施設や乳児院などの国や都道府県などが設置した児童福祉施設も対象です。保育園だけでなく、さまざまな仕事につくことができるのはうれしいポイントですね。
保育士の資格なしでも保育園で働ける?
保育士資格がなくても保育園で働くことは可能です!しかし「保育士」としてではなく、「保育援助」として働くことになります。保育援助の仕事は、保育施設において保育士の負担を軽減するためにサポートすること。無資格でも働くことが可能なため、バイトやパートで働いている方も多くいます。保育補助ではなく、保育士として働くためには資格が必要となるので注意してくださいね。ただ、保育に関わる仕事をしてみたい方にとっては、実際に子どもたちや保育士さんと関わりながら仕事ができるのでおすすめです。