保育士の労働時間は朝早くから夜遅くまで。
シフト制が基本ですが、残業や時間外労働もあってなかなか疲れが取れないのが現状です。
それでもやりがいが多いのが保育士の仕事。
今回は勤務実態や仕事を続けるために知りたい労働時間の不満に対する改善策を紹介します。
保育士の労働時間など勤務形態は?
現代では、「待機児童問題」「共働き」といった子育てをしているご家庭には切っても切り離せない問題が浮き彫りとなっています。
そこで、少しでも保護者のニーズに応えようと保育時間の延長・拡大や、夜間保育・24時間保育など、多様化したサービスが増えてきています。
さらに、保育士の質やサービスの向上といった「求めるもの」のハードルが上がってきているのも事実。そんな保育士さんたちは、どのような勤務形態で働いているのでしょうか。
労働時間は早番・中番・遅番のシフト制が基本
一般的な保育園では、朝7時頃から夜7時頃まで子どもの受け入れを行っており、そういった園では早番・中番・遅番のシフト制になっています。
シフト制の場合、早番が朝7時から夕方4時まで、中番が朝8時か9時から午後5時か6時まで、遅番が朝10時から夜7時までが大体の勤務時間です。
土曜出勤は隔週、行事の時は土日が出勤日に
土曜日も子どもの受け入れを行っている園では、保育士は隔週で出勤します。子どもの人数も土曜日は少ないのと保育士の人数が減ることから、0歳~2歳クラス・3歳~5歳クラスそれぞれ合同の縦割り保育を取り入れることも。
行事が土曜日や日曜日に開催される場合は基本的に全員出勤となります。その場合、平日に保育士が交代で代休をとる場合と、休日手当てが出る代わりに平日の代休がナシで次の週末まで働く場合もあります。
多様化するニーズに伴う延長保育・早朝保育・夜間保育の増加
朝7時から9時頃までは早朝保育、午後5時から7時頃までは延長保育といった時間外保育を、時間をずらして交代制で担当しています。特別業務手当により給料が通常より上がるのは大きなメリットです。
園によっては保育士の負担を軽減するために、延長、早朝、夜間保育担当のパート保育士さんを雇用している場合もあります。
保育士と幼稚園教諭の労働時間の比較
保育園と幼稚園の大きな違いの1つは標準保育時間で、保育園は8時間、幼稚園は4時間です。幼稚園は子どもの登園降園時間が大体決まっているので、保育時間と作業時間の計画を立てやすいでしょう。
ただカリキュラムの作成や活動の準備などで残業をすることもあります。そのため保育士だから、幼稚園教諭だからといって労働時間に差異がある訳ではないようです。
保育士の残業時間や休憩時間や時間外労働について
一般企業などでも、昼食の時間に合わせて休憩時間を設けているところがほとんどですよね。労働基準法では8時間勤務で60分以上の休憩を取るように定められています。
常に子ども達と関わっている保育士さんには休憩時間はどのくらいあるのでしょうか。
保育士は休憩時間はあるの?
保育園では交代で休憩をとります。午睡の時間を利用したり、午睡のない幼児クラスの場合は担任保育士が休憩の間、フリーの保育士が代わりにクラスに入るなどしています。
必ず子どものそばに保育士がいるようにし、子ども達だけの環境にならないよう配慮しています。
休憩時間のない園もある?
驚かれるかもしれませんが、休憩時間のない園も多くあります。子ども達が午睡している間にも、連絡ノートの記入や日案の作成、行事の計画などとにかくやることがたくさん。休憩せずに作業をする保育士さんも少なくありません。
午睡の時間を利用してクラス会議をするところもあり、休憩する暇がないことも保育業界では珍しくありません。
保育士って時間外労働が多い?
保育士は子どもと関わることだけが仕事ではなく、むしろそれ以外の業務がたくさんあります。担任業務が終わってから園に残って仕事をしたり、持ち帰って夜遅くまで自宅で仕事をしたり、中には休日を返上して自宅で仕事をする保育士さんも。ただ、保育士不足解消のため国が労働環境を改善する働きも進んでいます。参考:厚生労働省 保育士が働きやすい職場づくりのため手引き 保育士の労働時間で悩んでいる人へ送る3つの改善策
園によって保育に対する理念や方針があるように、仕事方針もそれぞれなんです。
一般企業と同じように、定時になるとなるべく時間外に仕事をしないように促す園もあれば、縦社会の色が濃く残業して当たり前な園もあります。
今の労働時間に不満がある、無理をしている場合は、身体を壊す前に改善できる点を見直しましょう。
1. 勤務形態をシフト制に切り替える
家庭の事情で夜は早く家にいなければならないなどの理由がある場合、働く時間帯を変えるのも1つの手です。
希望するシフトが受け入れられるのであれば、どの時間帯に働くか、家族との時間や金銭面とのバランスを踏まえて考えてみましょう。
2. 仕事内容を調整する
残業や時間外労働が多い保育士さんは無理に自分の仕事を増やしている場合もあります。丁寧にやることはもちろん大事なことですが、改めて業務を振り返ると、見直す点があるかもしれません。
保育士の仕事は激務ですが残業が減るように、業務をリストアップして優先順位をつけるのも効果的でしょう。
3. 転職する
労働時間や業務の調整が効かないなど、どうにもならない時は転職するのも1つ。全ての保育園が激務でサービス残業時間が長い訳ではありません。
自分に合った労働時間や勤務形態の保育園を探すことも、保育士として働くには重要なことです。
疲れ切って辞める前に自分に合った働き方を選択しよう
労働時間に不満がある場合、自分に合った働き方をまずは探してみましょう。不満を持ち続けた結果、保育士を辞めてしまうのは非常にもったいないです。
不満を解消し、無理せず続けるためには何を変えるべきなのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
保育士を楽しんで続けるには自分に合った労働時間を