子どもたちのなりたい職業ランキングの上位に入っている保育士は、かわいい子どもたちの笑顔に囲まれて毎日楽しそう!と華やかな職場に思われがちです。しかし、実際は子どもと過ごしている時間よりも書類仕事や日々の保育の教材研究・行事の準備…と雑務が多い毎日。そのため、苦手なことがあっても練習する時間的余裕がなく上達しないことに対して焦りを感じたり、練習すること自体が負担になる
人もいます。そこにプラスして、できないことを周りから指摘されることで「苦手なことがあると保育士に向いてないのかも」
という悪循環に陥りやすくなります。適性がないのかも、という不安を抱えながら続けていくのは辛いことですよね。子どもが好きだから目指した保育士の仕事なのに、職場環境によっては「子どもが好きだけではやっていけない」と感じてしまうことがあります。しかし、安心してください!保育士という仕事は「子どもが好き」な気持ちがあれば、適性のない人はいないません。保育士に向いていないのかもという不安や、保育士に向いてないと言われたりなどして、ネガティブな気持ちになっているみなさんに、解決法をご紹介していきます。 保育士に向いている人向いていない人って?
保育士に向いている人は子どもが好きで人と関わるのが好きな人。
逆に保育士に向いていない人は子どもが嫌いな人です。つまり、子どもが嫌いで保育士になろう、と思う人は少ないはず。子どもが好きなのに、なぜ保育士に向いていないのかもと思い悩む保育士さんが多いのでしょうか?
一般的に保育士さんは「ピアノを弾きながら歌を唄うことができて、手先も器用で絵や製作が上手い。そして、子どもたちと走り回って元気いっぱい!」と思われがち。
しかし、人には得意、不得意があります。
ですが、「保育士である以上、できて当たり前」と思われてしまうため、逃げ場がなくなってしまいます。
できないことや苦手なことが一つでもあると「子どもが好きなのに保育士に向いていない」と悩んでしまいます。
特に新人保育士の時は、ピアノや、絵画製作、歌など、全てをパーフェクトにこなすのは難しいですが、コツや要領、経験を積むことで次第に必要な力がついていくものです。
大切なのは「子どもたちのために苦手なこともコツコツと取り組む気があるかどうか」です。
子どものために頑張る気持ちのある人に保育士に向いていない人はいません!
保育士に向いてないのかな…と思う悩みと解決方法をご紹介!
保育士として働く中で「得意なこと・不得意なこと」は必ず存在するもの。ですが、苦手なことも工夫次第で克服できるということをお伝えしていきます!それぞれの保育士さんのお悩みの解消法や練習法のコツもご紹介しますので、苦手だからとあきらめる前にできそうなことから始めてみましょう!
ピアノが苦手~練習する時間も余裕もない。どうしたらいいの?~
お悩み内容
ピアノが大の苦手な私は空き時間を見つけては毎日練習するようにしていますが、一人での練習には限界がありピアノ教室に通うことを検討しています。
しかし、平日にレッスンに行く時間の余裕がなく、金銭的にも厳しいのが現実です。
子どもたちのために一生懸命がんばりたいのに、ピアノが苦手なことで先輩方にも「そんな曲も弾けないの?」と言われ続け、保育士を続けていく自信がなくなってきています。
ピアノが苦手な人は保育士として向いていないのでしょうか? 先輩保育士からの一言
「ピアノが苦手」というのは、保育士さんの悩みの中で一番多いお悩みです。ピアノが苦手といっても、譜読みに時間がかる、黒鍵が多いと混乱してしまう、指が思うように動かないなど理由は人それぞれ。努力でカバーできる部分と言いたいところですが、がむしゃらにやっても上手くいかないのがピアノの難しいところ。発表会ではピアノが得意な保育士さんが伴奏を担当するなどの配慮はあるものの、日頃の保育では誰の助けも借りられないのでたちまち困ってしまいますよね。 解決方法
お悩みの中にもありましたが、仕事のある平日に練習する時間を取るのは厳しいので、まずは夏休み、春休み、冬休みなどの長期休みに次の学期分の季節の歌をまとめて練習する
ことがおすすめです。一度弾けるようになった曲は、指が覚えていて少しの練習時間で感覚を取り戻しやすいので、保育が始まってから練習する時間がほとんど取れない、というときにも焦らず済みます。練習するときには、「その曲のどの部分が苦手か」を見極めて、楽譜にしるしをつけましょう。
そして、ただ何時間も練習するのではなく苦手なところだけを間違えなくなるまで繰り返し練習する
「取り出し練習」がおすすめです。取り出し練習では、10回弾いて10回とも間違えずに弾くことができたら次の苦手なところに進むというようにすると、より時間を効率的に使えますよ。また、伴奏が難しい曲はコードで弾けるようにしたり、ピアノが得意な先生にアレンジをお願いする
ことで、弾きやすさがグンと上がります。譜読みが苦でリズムが分からない場合にはCDや動画サイトで曲を探し一緒に弾いてみましょう。耳から覚えるのも、リズムを効率よく覚えることができますよ。ここまで練習したけれど、どうしても弾けない!という曲がある場合には、相談をして、CDを使う、というのも一つの手なので試してみてくださいね。ここでは紹介しきれなかったピアノの練習方法をもっと知りたい方は、こちらもご覧ください。 絵画製作が苦手~製作物が多くて、時間が足りません~
お悩み内容
絵画製作は保育士として働くうえで必ずついてくるものなのですが、学生のときから苦手です。
先輩保育士から「切り口が汚いから、やり直して。これでは、壁面として使えない」と言われたり「ちょっと、このクマ顔色悪くない?」と笑われたりすることもありました。
製作が苦手で手先が不器用な人は保育士に向かないのでは、と思い、保育士を辞めようか悩んでいます。 先輩保育士からの一言
苦手な人にとって絵画製作は教えるのも、考えるのも、壁面を作ることさえも苦痛ですよね。
ましてや、一番近くで教えてくれる先生が制作の得意な人だと、引け目を感じてしまうのも無理はありません。
しかし、絵画製作が苦手だからと言って“保育士や幼稚園教諭ができない“ということはなく、苦手ながらに頑張っている先輩はたくさんいます!!
解決方法
製作のコツとしては、ハサミは先端ではなくできるだけ奥側を使って切るようにします。
円形なら、一度切ったあと触ってみて角ばった部分がないか確認し、角を少しずつ取っていきましょう。
色合いは保育雑誌やインターネットで検索したものと実際の画用紙の色を比べて作るようにし
、それでも心配な場合は製作が得意な同僚に勇気をもって尋ねることで、後から作り直すよりも時間と手間が省けます。また、そもそも絵のセンスがない…なんだか全体のバランスがうまくいかない…という悩みの場合には保育雑誌で型紙やCD-ROMがついているものを活用する
のがおすすめです◎型紙は必要な大きさに拡大コピーをして使用することで、ストレスなく見本通りの壁面を完成させることができます。子どもたちと同じで初めはできなくて当然です!経験することで上達していきますし、簡単なのに上手に見えるテクニックも身に付きます。自分にあったやり方を見つけられるように、苦手だからとあきらめないでどんどん絵画製作に挑戦していきましょう。製作コラムも紹介していますので、壁面作りの参考にしてみてくださいね。 体力に自信がない~疲労で休みがちになってしまいます~
お悩み内容
もともと文科系で、体育の授業でしか体を動かすことがありませんでした。
保育士になって、机やピアノなどの重たいものを運んだり、子どもたちからの抱っこにおんぶの要求に応えていると、それだけで体は疲労困憊。
そのうえ、保育が終わっても掃除をしたり…書類を書いたり…会議に出たり…と休む暇がありません。
日々の残業、持ち帰りの仕事のせいで睡眠時間も削られてしまい、もともと体力のない私は体調を崩しがちになってしまいました。
先輩先生には「若いのにだらしない」「そんなにしょっちゅう休まれたら迷惑」と言われて、精神的にも辛い状況です。
体力がない人間は保育士に向いていないのか、子どもが好きだけでは保育士にはなれないのだな、と痛感する毎日で、こんなことなら別の職種に転職しようか…と悩んでいます。 先輩保育士からの一言
保育士の仕事は体力勝負なところがあるので、体力のない人にはキツイ仕事かもしれません。また、若いから元気だ!体力がある!と思われれしまうことも多いはず。
保育は毎日が筋トレのようなもの。
年数を重ねると知らず知らずのうちに筋力が上がるので「体力がないので向いていない」「やめたい」と思わなくても大丈夫です。
解決方法
体力の有無より大切なことは、『体調管理』
です。先生が体調不良で休んでしまうと子どもたちが淋しい思いをすることになります。そうしないためにもこまめに手洗いをする、どんなに忙しくても三食しっかり食べる、1日7~8時間は睡眠時間を取れるようにするといったこを意識して菌やウイルスから身を守りましょう。疲れていると免疫も落ちて病気をもらいがちになるので、病気がはやりやすい時期にはマスクの着用、消毒に加湿・空間除菌ができるものを備え付けるなどの工夫も必要です。それでも「どうしても体力的に限界だ」というときには低年齢児を対象にしている「小規模保育」などの選択肢もあります。別の職種を探す前に、自分の体力にあった保育の場を探してみるのもひとつの方法です。他業種の転職を考える前に、ご自身にあった規模や方針の園を探してみるのもおすすめですよ! 人前で喋ることが苦手~緊張で上手く喋ることができません~
お悩み内容
人前で話すのがとても苦手で、参観日や発表会のときは何日も前から話す内容を紙に書いてシュミレーションをしていますが、保護者の前に立つとなにを喋っていいのか分からなくなってしまいます。
保育士である以上コミュニケーション能力は必須だと思うので、こんな自分に落ち込む日々です。
私は保育士ではなく、人と関わらない事務仕事の方が向いているのでは…と悩んでいます。 先輩保育士からの一言
あがり症や人見知りだと行事のたびにしんどいですよね。
しかし、そういった状況でも事前に紙に書いてシュミレーションするという工夫をされていて、とても良いと思います。 解決方法
人前で喋るときのポイントは、目線をどこに置くかです。正面を向いて喋ると、前にいる人の顔が見えてしまうので余計に緊張してしまうので視線はできるだけ上
です。視線をあげることで堂々と喋っているように見えるうえに、前にいる人の顔も見えないのであがり症の人には実践してもらいたい方法です。まずは、ほかの先生がどのような言葉で喋っているか、子どもたちがざわついたらどのような声掛けをしているかをリサーチ
してみてください。初めから臨機応変に対応できる人はいないので、見様見真似でいいのです。そうしているうちに、「このときには、こうしないと」と肩の力が入っていたのが知らないうちに自然と言葉が出てくるようになりますよ。そして、あがり症だからできないとあきらめてしまう前に進んで「場数」を踏みましょう。
そのためには、人前が苦手だからという理由で誕生日会やクリスマス会などの行事のときの司会者を断ったりせず、積極的に挑戦することが大切です。事前の練習では、一人でシュミレーションするのではなく、同期の先生や先輩の先生に子ども役や保護者役になってもらっていろいろなパターンで演じてもらいましょう。そうすることで、さらに臨機応変さが身に付いていきます◎失敗しても、恥ずかしがる必要はありません。その経験が今後の自分の力になるので頑張ってください。 仕事の要領が悪い~後輩保育士と比べられて落ち込んでいます~
お悩み内容
今年、初めて後輩が入ってきたのですが、しっかりしたいわゆる『できる新人』です。
保育所内でもすぐに「あの先生は、しっかりしている」と言われ、私が担当していた仕事もどんどん後輩に流れていくようになりました。
すると、先輩先生から「1年目なのに、○○先生の方がしっかりしている!!」「○○先生はきちんと週案が書けているのに、あなたのこれはなに?今までなにをしてきたの?」「○○先生に、教えてもらったら?」というキツイ言葉をかけられるようになりました。
その後輩と比べられているうちに「保育士は向いてないんじゃないか」「この保育所に私は必要ないのでは」と思うようになりました。
しかし、子どもは好きでほかにやりたい仕事もないので、今後どうしていくべきか悩んでいます。 先輩保育士からの一言
仕事のできる後輩…自分の方が先輩なのに、どうして?と思う気持ちもありますよね。
別に、先輩風を吹かせたい…ということでも、偉そうにしたい…ということでもないと思います。
しかし、仕事が流れていってしまい、周りの先生の態度が目に見えて変わったということで戸惑いが隠せない。という状況なのではないでしょうか…? 解決方法
仕事の要領というのは個人差があるものです。要領が悪いから…とあきらめないでください。コツコツがんばることのできる人は、いつのまにか仕事のこなし方を身につけることができます。そして、丁寧にやってきているからこそ信頼感を得ることができたり、結果的に良い方向に向かうことが多いのです◎これまで自分が積み重ねてきたことを、後輩先生と比べて「自分は仕事が出来ない」「保育者に向いてないんじゃないか」と思わないでください。これまで自分が努力してきたことは、決して無駄にはなりません。また、疲れて集中できないときは「5分寝る!好きなおやつを食べる!気分転換にピアノ弾いたり、ストレッチをしてみる」などの自分なりのルール
を作ってみてはどうでしょうか?気分が変わることで残りの仕事を効率よく終わらせることができるので、思い切って休む勇気も必要です。しかし、今勤めているところで自分の頑張りを評価されないことが辛いときには、職場の環境を変えることも一つの方法ですよ。 子どもが嫌いなのかも?
お悩み内容
上手くクラスをまとめられず、大声で泣かれるとついイライラしてしまいます。すぐに怒ってしまうということに歯がゆさを感じてしまい、「自分は子どもが嫌いなのでは…?」と思い、保育士が向いてないんじゃないかと思ってしまいます。 先輩保育士からの一言
子どもが好きだから保育士になろう!と思ったはずなのに理想と現実の狭間で「保育士に向いてないのかも」と感じてしまうこともありますよね。しかし、保育士も一人の人間です。
仕事が不慣れな時はイライラしてしまうことも当然あります。あまり気負い過ぎず、子どもたちと遊ぶ時間はしっかり楽しめば問題ないです。 解決方法
イライラして怒ってばかりな自分は「子どもが嫌いで、保育士には向いていない」と思う前に、立ち止まって考えてみてください。
子どもたちの笑顔に癒されることはありませんか?
できなかったことができるようになった姿を見て嬉しくなったり、一緒に喜んだりできませんか?
先生大好き!と言ってくれる子どもたちのことが本当に嫌いになれますか?
少しでも上記のようなことを感じられるのならば、それは「子どもが嫌い」ではありません。「子どもたちと一生懸命向き合えている」
と発想を転換してみてください。 そして、根底にある「子どもが好きな気持ち」を思い出すことが大切
です。 子どもたちと真正面からぶつかれるのはとても素晴らしいことなので、保育士として続けていくことに自信を持ってくださいね。
保育士が向いてないからもう辞めたい!そんなときは保育士ワーカー!
ここまで、保育士に向いていない人はいない、苦手なことも克服していけるということをお伝えしてきました。しかし「どうしてもこれだけは克服できない!」「どんなに頑張っても今の職場では認めてもらえない。」という場合もあると思います。だからといって「他業種に転職しようかな…」と思い悩まないでください。実は保育士に向いていないのではなく、今の園が合っていないだけという可能性も考えられます。そういった場合、転職することで今抱えている悩みを解決できるかもしれません。得意なことが活かせる、先輩保育士が手厚く指導してくれる、自分に合った年齢の子どもたちを保育できる、といった現在の園とは違った職場も存在します。幅広い選択肢の中から自分のやりたいことができる職場や自分の保育観に合った職場を新たに探すことも、ひとつの方法といえます。保育士ワーカーでは、それぞれの保育士さんたちのお悩みを親身に聞き、一人ひとりに合った園を紹介することが可能なので「保育士を続けたいのに、このままでは自信がない」という不安を抱え込まず、気軽に相談してみてくださいね◎☆体力に自信がない方は、行事少なめ・定時終わりの保育園がオススメ
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保育士は大変だけどやりがいもある仕事!
保育士の仕事内容は幅広いので、その全てを「完璧にこなそう」と思う必要はありません。目の前にいる子どもたちの様子にしっかりと目を向けてみてください。先生と一緒に歌ったり、踊ったり、絵を描いたり、鬼ごっこをするのが楽しい!と、言ってくれていませんか?そういってくれている子どもたちにとって、先生のピアノや絵画製作が上手いかどうかは関係ありません。苦手でも頑張っている先生の姿は、子ども達にとってはカッコイイ先生という印象
を与えることができるのです。また、苦手なことがあるからこそ、苦手意識をもつ子どもの気持ちに寄り添い、同じ目線で励ますことができるので「僕たちの気持ちを分かってくれる先生だ」という信頼感にもつながります。保育士さんの成長も子どもの成長と同じ。新任のときは全然うまくできなかったことが、何年か経って振り返ったときに「そういえばできるようになっている!」と実感できるもの。できないことをできないままにしておくことは良くありませんが、練習を重ね苦手を克服しようと努力できる人に保育士としての適性がない人はいません。また、これまでマイナスに見えていたところも職場を変えることで「実は大きな問題でなかった」と思える場合
もあります。「苦手なことがあるから保育士に向いていない」と考えて保育の世界から離れてしまう前に、今の職場環境を見直してみるのもいいかもしれませんね。