子どもたちのなりたい職業ランキング10位以内に入るほど人気の”保育士”。「毎日子どもたちと関わる中で、一人ひとりの成長をサポートしたい。」そんな夢や理想を抱いて保育士を目指した方もきっといらっしゃいますよね。しかし、実際働いてみると子どもたちのお世話だけでなく、雑務や事務処理に追われて残業が続いたり、保護者対応や職場の人間関係で悩んでしまい、「保育士として働き続けたいけど、体力的にも精神的にもツライ…。」
と感じてしまうことも。そんな保育士さんたちのあいだで、今人気なのが『企業内保育』という保育施設です。ほかの保育園とどう違うのか?今回は企業内保育の特徴やメリットデメリット、またその人気の理由についてご説明していきます! 企業内保育とは
企業内保育とは企業が社内や近くの施設に設置した、従業員が就業中に子どもを一時的に預けるための保育所のこと。
昨今、共働きの家庭において子育てと仕事の両立はなかなか難しい課題となっています。保育園の不足により待機児童が増えてきている中、「保育園に預けられないために職場に復帰できない」そんな、従業員のために一部の企業では敷地内やその周辺に『企業内保育』という形で保育施設を設置する
ところが増えてきました。もちろん、従業員のためだけでなく保育施設を設けることによって、社会への貢献度も高まり企業のイメージアップにも繋がる
といったメリットが企業側にもあるのです。 企業内保育所の種類
企業内保育は大きく分けて『事業所内保育事業』と『企業主導型保育事業』の2種類があります。
事業所内保育事業(認可保育)
事業所内保育事業は、2015年に「子ども・子育て支援新制度」において、市町村の許可を受けて実施される地域保育事業のひとつ
として設立されました。そのなかでも、定員が20名以上なら『保育所型事業所内保育事業』、19名以下の場合は『小規模型事業所内保育事業』と規模によって分けられており、待機児童の7割以上(※1)を占めている0~満3歳児未満が対象です。また、従業員の子どもに限らず定員の1/4を地域枠として受け入れることが義務づけられています。運営費や設備費は各自治体から助成されるため安定して運営することが可能です。 企業主導型保育事業(認可外保育)
従業員の多様な働き方に応じて保育施設を提供する企業を支援し、待機児童問題の解消に貢献する
ことを目的として、新たに2016年に内閣府の主導により設立されました。延長や夜間、土日の保育など働き方に応じた保育サービスが提供でき、従業員に限らず地域住民の子どもたちも受け入れが可能。保育する児童の年齢制限については特に制限はされておらず、3歳以上の子どもを受け入れる施設も多くあります。また認可外の保育施設となりますが、複数の企業が共同で設置することができ、運営費や設備費においても認可施設並みの助成が受けられるといった点がメリットです。企業内保育の設置形態
企業内保育の設置形態にはおもに4つのタイプがあり、運営方法や保育の対象が異なります。
単独設置型 企業が単独で運営しており、従業員の子どものみ対象とする
地域開放型 企業が単独で運営しており、従業員と近隣住民の子どもを対象とする
共同利用型 企業が単独で運営しており、社内と近隣企業の従業員子どもを対象とする
- 共同設置型 複数の企業が協力して費用を負担し、運営している
特に地域開放型や共同型(利用・設置)は、従業員に限らず近隣住民も保育の対象となることから待機児童の解消にも貢献しています!
保育内容に違いはあるの?
基本的に朝に子どもを預かってから、給食、お昼寝、お遊戯などが保育内容となるため、ほかの保育施設とあまり変わりはありません。
一般の保育施設と違いがあるとすれば、敷地の関係で運動会やお遊戯会などの大きなイベントがなかったり、年齢別の教室がなくみんなで同じ教室で1日を過ごすといった異年齢保育を設けているということです。
また、企業の勤務時間によっては夜勤勤務に合わせた夜間保育の施設もあるので、夕食を食べさせたり入浴や夜の寝かしつけを行う場合があります。
企業内保育の勤務体制や給料は?
勤務体制は、おもに運営する企業によって異なることが多いです。
企業の就業規則に基づいて休日が設定されるところが多く、例えば企業が土日休みの場合は同じく保育園も土日休みになります。
また、企業が平日休みですと保育園も平日にお休みになりますし、夜勤のある企業であれば保育園も夜間保育を行う場合も。
給与に関しても同様で、保育士の平均給与と同じところもあれば大手企業などの場合、別途ボーナスの支給や社会保険の加入、充実した優待制度など保育士の平均給与・待遇を上回る施設もあります。
しかし、逆に業績や規模によっては平均給与を下回ってしまうなんてことも少なくありません。
企業内保育のメリットとデメリット
保育士に人気といわれる企業内保育ですが、具体的にどういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。
企業内保育所で働く保育士のメリット
大きなイベントや行事がないので残業少なめ
企業内保育園は、オフィスや会社の敷地内に施設を設けているため園庭などの遊べる場所がなく、運動会やお遊戯会などの大きな行事をやっていない園もあります。
そのため、行事に向けての準備作業がないので持ち帰り残業は少ないのが特徴。保育士さんにとっては仕事量が減るので負担は軽くなりますよね!
ゆとりをもった保育ができる!
小規模の保育施設が多い企業内保育では、園庭が無くスペースにも限りがあることから定員も少なく設定されているのが特徴です。
そのため、子どもたち一人ひとりに目が届きやすくゆとりをもって保育することができ、それに応じて保育士も連携やコミュニケーションが取りやすいアットホームな雰囲気の職場となっています。
保護者が身近にいる
企業内保育は保護者と同じ敷地内に保育園を設けているので、万が一病気や怪我をしてしまった際に緊急の連絡がとりやすいといったメリットがあります。
また、対応する保護者の人数も少ないことから保護者対応が苦手な方には適した環境だといえるでしょう。
企業内保育所で働く保育士のデメリット
物足りないと感じてしまいがち…
作業負担の少ない企業内保育は、キャリアアップを目指したい方にとって『物足りない…』と感じてしまう可能性があります。一般の保育施設に比べるとスペースも確保できず、設備も不十分なため大きな行事やイベントは行えません。
しかし、限られた環境のなかで子どもたちを楽しませられる遊びやイベントを考えるのはやりがいがありますし、保育士さんの腕の見せ所ではないでしょうか?
七夕やハロウィン、クリスマスなどの行事を室内で行ったり、近所の公園を利用するなど可能な範囲で子どもたちを楽しませられるよう工夫を凝らしてみましょう!
企業のルールに合わせなくてはならない
企業によっては夜勤勤務があるところもあります。その場合、預けられた子どもたちの夕食を食べさせたり入浴や夜の寝かしつけを行ったりすることも。
また、企業内保育はあくまで企業が運営しており、福利厚生の一環として保育事業を行っていることなので一般の保育施設に比べて給与面や待遇の差以外にも、業績によっては施設を閉鎖してしまうといった可能性も少なくありません。
転職を考える際には、求人内容だけでなく運営する企業の規模や業績もチェックできるとよいですね!
企業内保育士に向いている人向いていない人
保育士さんにとって比較的メリットの多い企業内保育ですが、実際働くうえで向いている人・向いていない人ってどんな人なのでしょうか?
企業内保育士に向いている人
企業内保育は、仕事量の少なさから体力に自信のない方
でも働きやすい環境となっています。また、子育てをしながら保育士として現場に復帰される方
にとっては、企業の休日に合わせてきちんとお休みがとれるので子育てと仕事の両立を目指せますし、保護者との交流も少なくクレームもあまりないことから、保護者対応が苦手だと感じる方
にも向いているといえるでしょう。 企業内保育士に向いていない人
企業内保育は行事やイベントがあまりないことから、作業量も少なく持ち帰り残業もほぼないといったメリットがある分、いかに業務時間内に仕事をきちんと終わらせられるかが重要となってきます。作業の正確さやスピードが求められるため、テキパキ仕事をこなせない方にはつらい職場になるかもしれません。
また、小規模の保育園が多く少人数で保育することから、保育士同士の連携やコミュニケーションが欠かせないため、人とのコミュニケーションが苦手な方は注意しましょう。
企業内保育所の求人を探す方法は?
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