保育士のみなさんは、「新設保育園の仕事」「保育園のオープニングスタッフ」と聞いてまず何をイメージしますか?
「大変!とにかく忙しそう!」「経験がない人はやっていけなさそう…」
と、比較的ネガティブなイメージが先行してしまいがちではないでしょうか。
しかし、そんな忙しい中でも新設保育園で働くことによって得られるものはたくさんあります。大変そうだからと転職を思い留まっている保育士さんに、今回は新設保育園、オープニング保育士のメリットや注意点、求人の探し方などについてご説明していきます。
新設保育園(オープニング園)とは?
近年、待機児童の問題を解消すべく都市部を中心に続々と保育園の新設ラッシュが続いているのをご存知でしょうか。厚生労働省が調査した「保育所等の利用定員・利用児童数等の状況」によると、平成28年の保育所等数は合計で30,859か所に対し、平成30年には34,763か所と約2年間のあいだに3,904か所も増えています。それに伴い、待機児童も平成28年から30年にかけて約3000人も解消
することができました。受け皿となる保育園の数を増やしていくことで、子どもの預け先を確保することができ保護者の社会復帰に貢献しているのです。年々増え続けている新設保育園ですが、次第に保育園の需要と供給が安定し、新設される保育園の数も落ち着いてくると予想されています。オープニング保育士として、転職するなら今の時期がチャンスといえるでしょう。
保育園を新設するにあたり欠かせないのが「職員(オープニングスタッフ)の確保」です。事前に職員を募り、開園に向けてさまざまな準備を行わなければなりません。
では、具体的に新設保育園の保育士はどういった仕事を行うのでしょうか。
開園前に行うおもな業務は、各クラスごとの保育方法や年間行事の計画、設備機器などの搬入、お遊戯で使う小道具や壁に貼る製作物の作成などがあります。ほかにも、事前に研修を受けたり開園に向けて見学会や近隣の挨拶まわりなど既存の保育園に比べてやることはたくさんあります。
新設保育園(オープニング園)で働くメリット・デメリット!
待機児童の解消を目的として増え続けている新設保育園ですが、実際に働くことで保育士さんにどのようなメリットがあるのでしょうか?既存の保育園では得られないさまざまなメリットや注意すべき点について把握しておきましょう。
新卒保育園の保育士ならではのメリット
みんな同じスタート!人間関係を築きやすい
転職を考えている保育士さんの中には、「人間関係」に悩まれている方も少なくありません。既存の保育園に転職する場合だと、すでに出来上がっている環境や雰囲気に飛び込まなければならず「先輩保育士に受け入れてもらえるか…いじめはないだろうか…」と不安やストレスを感じてしまいがちですよね。しかし新設保育園であれば、職員は全員同じ時期に入職するため1から人間関係を築くことができます。
ベテランの保育士さんから2~3年目で転職した若手の保育士さんまで、同じ立場に立って意見を出し合います。また新設保育園に応募をしてきた方は、同じ目標、同じ気持ちで入職されている方が多いため、お互いにアイデアを出し合うなど発言もしやすく働きやすい環境だといえます。 福利厚生や待遇がよい傾向
新規の保育園では、「職員を最低限確保しなければ開園できない」といったリスクを抱えていることもあり、既存の保育園と比べて福利厚生や給与面などの待遇がよい傾向
にあります。ほかにも、仕事量の多さから辞めてしまいがちな職員のモチベーションを維持するために待遇をよくしているのも理由の1つです。給料や待遇がよければ、多少忙しくても「がんばろう!」という気持ちになりますよね! 施設や設備がきれいで充実している
新規の保育園は、何もかもが新しく清潔感があります。なかには、設備も最新の機材を導入している園もあり、タブレットやパソコンを使って勤怠管理や連絡帳を作成することで、効率よく保育業務を行うことができ時間外の業務負担を減らすことができます。
また、きれいな職場で働くことはとても気持ちがよく、モチベーションもあがりますよね。
保育園を1から作り上げていくやりがいが味わえる
既存の保育園だと長年作り上げてきた規則やマニュアルがすでにあり、入職した職員はそれをもとに業務をこなしていきます。一方、新設保育園にはそれがありません。職員みんながアイデアを出しながら1から保育園を作り上げていかなくてはならないのです。今後に関わってくる重要な仕事なだけに、なかには体力的、精神的にも負担があるかもしれません。ですが、新しいものをみんなで作り上げていく作業はとても達成感がありますし、やりがいも大きい
です。そのうちに、園に対して愛着も湧いてきますよ♪また、今まで培ってきた経験を存分に活かせる環境なので、自身のスキルアップを目指したい方にもおすすめです! 新設保育園で働くデメリット
最初はとにかく忙しい!体力勝負
新設保育園の一番のデメリットは、「とにかく忙しい!」というところ
ではないでしょうか。年間の行事やクラスの運営方法を決めたり、園内のどこに何を配置するかを考えて重い荷物も運んだり、制作物を1から作ったり…とやることはたくさんあります。どうしても最初のうちは体力勝負な現場となってしまいますが、環境が整ってくると次第に通常業務に集中できるようになります。園によっては、最新の機材を使用するため効率よく保育を行えるようになりますよ! 柔軟なフットワークと臨機応変な対応が必要!
「マニュアルがまだ作られていない」ということから、トラブルに対してどうしたらよいか自身で考える力と臨機応変に対応していく判断力が必要となってきます。こればかりは経験の差で、若手の保育士さんは苦労してしまうかもしれません…。分からないところはすぐ他の職員に相談したり、状況に応じてどう対応したのか職員内で情報の共有を徹底
しましょう。 保護者や地域との信頼関係構築も1から必要
新規保育園では、保護者との信頼や地域との関係性も1から築いていかなければなりません。新しい保育園に対して少しでも好印象を持ってもらうために、事前に園内の見学会を行ったり、入園に伴う説明会や近隣への挨拶まわりなどしっかりと関係性を構築していきましょう。前例のない保育園に子どもを預けるのは保護者も心配なものです。開園の際には、保護者とコミュニケーションをとり、担当職員の雰囲気や人柄、保育の様子や園の保育方針などについてしっかり理解
してもらいましょう。 新設保育園の保育士に向いている人とは?
忙しいけどやりがいのある新設保育園のオープニングスタッフですが、実際働くうえで向いている人は一体どんな人なのでしょうか。
【向いている人】
・体力に自信のある人
・自分のスキルをあげたい人
・自分の意見を持ち、発言できる人
・柔軟な考え方で環境に対応できる人 新設保育園では、やはり既存の保育園に比べて仕事量の多さが否めません。開園前は、行事の取り決めや事務作業、ときには荷物の運搬など、ある程度の体力が必要となってきます。また、保育の運営方法や年間の行事を決めるにはさまざまなアイデアを考えて積極的に意見交換を行います。「自分の理想の保育や培ってきた経験を活かしたい!」と考える方
には理想の職場かもしれませんね。もちろん、経験の浅い若手の保育士さんでも「積極的に意見を出せる方」や「体力に自信のある方」
は即戦力になります!若手ならではの柔軟な発想力と機敏なフットワークで保育園の立ち上げに貢献しましょう。ほかにも、前例やマニュアルがない新設保育園では、そのときの状況に応じて臨機応変に対応しなければなりません。あらかじめさまざまなケースを想定して「柔軟に物事を考え行動できる方」
に向いている職場だといえます。新設保育園の保育士はいつから募集されるの?
4月開園の保育園の場合、遅くても3月頃には準備に取り掛かり始めます。それを踏まえ、新設保育園のオープニングスタッフの応募は秋頃からスタート
することが多くなります。入職時期については、1月~3月頃の開園前に入職する場合と4月1日付けで入職する場合の2パターンがあるので、新設保育園への転職を考える際は計画的に活動をしていきましょう。 開園前から入職する場合
おもに4月開園の保育園ですと、年明けの1〜3月頃に管理職や主任などの立ち上げメンバーが入職します。
最初に、職員の顔合わせから始まり保育の運営方法の確認やマナー研修、ほかにも最新のIT機器の使い方について詳しく学んでいきます。新しく開設する園の中には、パソコンやタブレットを使って職員の勤怠管理や保育日誌の作成、日々の子ども達の様子を保護者専用のウェブサイトで情報発信するなど、保育業務の効率化を目指す園もあります。そのため、職員は事前に使い方を把握しておく必要があるのです。
4月1日から入職する場合
新設された保育園は、4月に開園することが多くそれに伴い職員を募集します。
入職した方は、おもに4月1日付で出勤し初日から入園式や保育に携わります。最初のうちは、保育の合間に先輩職員から仕事を教わるため忙しい日々かと思いますが、ある程度やり方を覚えてくると次第に業務に集中できるようになります。
また、教わる先輩職員も数ヶ月前に入職したばかりなのでほぼ同期と変わらないといえるでしょう。
開園当日に入職しても、保育園を作り上げていくメンバーの一人として積極的に意見を出し合うことでやりがいを持って保育に取り組めますよ!
新設保育園(オープニング園)の求人は今がチャンス!
年々増え続ける新設保育園ですが、保育園の数に対して職員の人手不足も問題となっています。園によっては、結婚や育児などで退職した保育士さんをパート職員として雇用したり、資格を持たない方でも、さまざまな形で保育に携われるよう考慮するところも増えてきました。
それだけ保育士さんの需要が高まりつつある今、人員確保を狙うオープニング保育士の就職・転職はチャンスだといえます。そこでここからは、働く新設保育園を選ぶ際のポイントをご紹介します。
働く新設保育園を選ぶポイント
保育園の規模があなたに合っているか
保育園で働く際、保育園の規模は重要なポイント
となります。大規模の保育園と小規模の保育園では業務・やりがいに違いがあるので、自分にどの程度の規模が合っているのか見極めましょう。例えば、運動会などの行事を企画して盛り上げたい、広い施設や園庭で子どもたちを伸び伸びと育てたい方には大規模の保育園、保育園全体で一丸となって仕事をしたい、子どもたち一人ひとりに時間をかけて寄り添いたいという方には小規模の保育園がおすすめです。また、複数の場所に展開している系列の保育園なら、万が一人間関係などでトラブルがあったときに系列内で転勤がしやすかったり、ノウハウや資金があって運営が安定していたりすることもあります。 保育園の周辺環境は良いか
残念ながら近年は、保育園の新設に反対運動が起きる、保育園周辺の住民からクレームが来るなど、保育園に関して暗いニュースを聞くことがあります。住宅が密集した地域では、近隣住民とのトラブルが起こるケースがあり、窓を十分に開けられない、子どもたちが大声を出せないといった制限が大きくなることも。
保育園の中だけでなく周辺も、保育に適した環境であると好ましいです。
保育理念に共感できるか
新設保育園では、保育理念を基準や目標としてより良い保育園をみんなで創り上げていきます。新設保育園の保育理念に共感できないと働いていて苦労が多くなるでしょう。反対に保育理念に共感できる新設保育園なら、やりがいや高いモチベーションにつながりますよ。
収入・福利厚生といった待遇は良いか
保育士に限った話ではありませんが、働くならば待遇はやっぱり重要な要素となります。収入や福利厚生が満足のいく程度であれば、保育士としての仕事で困難に直面したときもがんばれるかもしれません。
休日は十分に取れるか
こちらも保育士に限った話ではありませんが、働く上で重視したい項目です。外せない予定や急な体調不良の時でも休めない…なんてことにならないよう、適切な人数の保育士をしっかり雇って運営している保育園を探すことが大切です。休む時はしっかり休んで万全の準備で仕事をするのは、保育園の子どもたちのためにもなります。
ここまで、オープニング保育士として働く際の新設保育園を選ぶポイントをご紹介しました。とはいっても、いきなり前情報のない保育園に就職するのはとても不安ですし、情報収集するにも、ホームページの内容もまだ充実していない園だと自分で調べるのにも限界がありますよね…。 そんなときは、人材紹介会社を利用してみてはいかがでしょう。
保育士ワーカーで新設保育園の求人を探す
保育士ワーカーでは、近隣の新設保育園の求人を探すこともでき、また情報の少ない新設保育園について保育方針の確認や園長の人柄など、直接やり取りを行うアドバイザーがさまざまな情報
をお届けします。なかには、時期的にまだ公開されていない好条件のオープニング求人もご紹介できますよ♪ もちろん、実際に転職活動を行う際には、専属のアドバイザーが見学会や面談の日程調整、入職時期の相談、入職後のフォローまで丁寧にサポートします。オープニング保育士の求人に興味のある方は、ぜひ一度保育士ワーカーを利用してみてはいかがでしょうか♪ ▶︎保育士WORKERに相談してみる! 新設保育園(オープニング園)で充実した保育士人生を送ろう!
前例も無ければマニュアルもない、まっさらな状態から始まる新設保育園。オープニング保育士として働くことに、ワクワク感もあれば同じくらい不安感もあるかと思います。しかし、実際働いてみることで「どこよりもやりがいがあった」「1番思い出のある職場」など、自身の保育士人生にプラスになるような経験を得ることができるかもしれません。また、保育園の立ち上げに携わったことは今後の転職活動にも必ず活かすことができますよ!ぜひ一度、オープニング保育士にチャレンジしてやりがいのある保育士人生を送ってみませんか?▶︎新設保育園(オープニング園)の求人を探してみる ▲保育士さんの転職は保育士ワーカーへご相談ください☆