幼稚園教諭の1日のお仕事について
幼稚園教諭の主な1日のスケジュールを簡潔にまとめてみました。
幼稚園では全体活動や個別活動以外に、文字の読み書きや足し算・引き算の計算などの学習の時間を設けており、なかには英語教師を招いての英会話レッスンを行う園もあります。
また、昼過ぎに子どもたちが降園した後は、園の片付けや制作、事務作業や保護者への電話対応などが主な仕事です。
一方、認定こども園や一部延長保育を行う幼稚園では、午後から夕方にかけて子どもたちを預かります。おやつの時間があったり、午前の個別活動の続きを行いながら順次、降園の対応をしていきます。
長期休暇中の幼稚園教諭の過ごし方
幼稚園では、夏休みや冬休みといった長期休暇を設けている園が多くあります。その間、子どもたちは登園しないため、職員も通常の保育活動を行う必要がありません。しかし、幼稚園が休みだからといって先生も休みというわけではなく、長期休暇のあいだも職員は業務を行っています。
長期休暇中の主な仕事内容は、期末で使用した物品の片付けや休み明けに始まる行事の準備などです。普段忙しいからこそ休みの間にできること進めておきます。また、預かり保育を行う幼稚園ですと職員が交代で担当し、平日と変わらず子どもたちを保育をすることも。それ以外にも、外部の講習会・研修への参加や園内でのピアノ練習など、自身のスキルアップの時間として活用することもできます。
幼稚園教諭を目指すために必要なスキル
ここでは、今から幼稚園教諭を目指される方に、子どもたちを楽しませるために、あらかじめ身に着けておくべきスキルを2つご紹介します。
■ピアノの演奏
保育士だけでなく、幼稚園教諭にとっても欠かせないのが『ピアノの演奏』です。朝の歌の時間から始まり、季節の歌や誕生日会の演奏など、さまざまな場面でピアノの演奏を行わなければなりません。実際に、就職試験で行う実技試験のなかにピアノの演奏を取り入れている園も多くあります。幼稚園教諭を目指す際には、ぜひ伴奏だけでも練習しておくとよいですね。
■美しい文字と画力
どちらもピアノに次いで重要なスキルとなってきます。例えば、子どもたちに文字の読み書きを教える際、子どもたちはお手本の文字を見て形を覚えていきます。しかし、そのお手本が汚いと子どもたちもなかなか覚えられませんし、誤った形で覚えてしまうことも…。また、園によっては絵画の時間があったり、ときには子どもたちから絵のリクエストがあったりすることも。事前に色鉛筆や色ペン、絵の具などの使い方を把握しておき、同じ絵や文字を繰り返し模写しながら練習しておくと◎。ほかの人に見てもらって何を書いたか一目でわかるくらいに上達しておくと安心ですね!
幼稚園教諭の役割とは?
幼稚園は「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」を目的としています。そのため幼児にふさわしい環境を用意し、そこで生活させることで、心身の発達がよりよく催促されるように指導することが幼稚園教諭の役割です。
さらに幼稚園で行う教育方針には、“学びに特化した教育方針”と“柔軟な発想や社会性を身につける教育方針”があるといわれています。いわゆる「お勉強系」と「のびのび系」です。
「お勉強系」が力を入れているのは、文字の読み書きや足し算・引き算の計算、英語や体操などの教育。特に文字の読み書きや計算は小学校入学に向けた基本的なスキルなので、幼稚園に在籍しているあいだに身につけられるよう教育を施します。
一方「のびのび系」では、カリキュラムよりも「自由に子どもたちが遊ぶ」ことを主体とした園のことをいいます。人とふれあいコミュニケーションを積極的にとることで社会性を高めたり、園芸などの野外活動や外遊びにより柔軟でからだも心も強い子に育てようという目的があるのです。
もちろんどちらの園でも、保育園と同様に着替えやトイレ、食事のマナーなどの基本的な生活習慣を幼稚園で教えていく必要があります。幼稚園に転職する際には、事前に園の教育方針をしっかり把握しておくといいですね。
幼稚園と保育園の違い
保育園と幼稚園では管轄や法律、保育の目的などさまざまな部分で内容が異なります。厚生労働省の管轄により子どもたちの保育活動を行う保育園に対して、幼稚園は文部科学省が管轄している教育施設。保育園は「児童福祉施設」という区分となるため保育を必要とする0歳児から小学校入学までの5歳の幼児を対象としていますが、一方で幼稚園は3歳から小学校入学までの5歳の幼児を対象として教育を施します。ですので、保育園では『保育士』、幼稚園では『幼稚園教諭』と必要な資格も異なるのです。
給与額は保育士と違いはあるの?
文部科学省の調査結果によると、平成28年の幼稚園教諭の平均給与額は月収約22.2万円前後となっています。保育士の平均給与は、公立・私立問わず平均約23万円程度なので、あまり差がないように思えますね。しかし、例えば国立幼稚園に勤務されている方の場合は平均約33万円前後、公立幼稚園は平均約27万円前後、私立幼稚園となると平均約21万円前後といったように施設によって給与に差が出てくる場合があります。公立の場合公務員の基準が適用されるということ、私立でも経営する母体の規模によっては給与が高くなる傾向があるため、転職をする際には求人の給与欄をしっかり把握しておきましょう。(出典元:文部科学省『学校教員統計調査 平成28年度 P11平均給料月額(表18)』) 「幼稚園教諭免許」について
『幼稚園教諭免許』を取得するには、おもに幼稚園教諭を育成する各学校に通い文部科学省が指定した必修単位を修得し卒業することが必須
となっています。4年制の大学と2年制の短大・専門学校、大学院では取得できる免許の種類が異なり、4年制の大学卒は『第1種免許』、2年制の短大や専門学校卒の場合『第2種免許』、大学院卒であれば『専修免許』の取得が可能です。どの種類の免許も幼稚園教諭を目指すにあたり内容に大きな差はありませんが、園によっては免許ごとに給与の差を設けているところもあります。 幼稚園以外の活躍の場は?
「幼稚園教諭免許」が活躍する場は、幼稚園以外にも幼児教室やベビーシッター、学童施設などがありますが、幼稚園教諭免許が必須とされないことも多いです。また最近増えてきている『幼保連携型認定こども園』は、近年少子化の進行や共働き家庭の一般化にともない保育園のニーズが高まる一方で、より質の高い幼児教育を総合的に提供するために幼稚園と保育園の双方の機能をあわせもつ施設として設立され、0歳から5歳の幼児を対象とし、おやつやお昼寝の時間も設け延長保育にも対応。また、日中の園内外の活動は幼稚園の教育を取り入れたさまざまな学習の時間として使われています。
【注意】認定こども園では、『保育士資格』『幼稚園教諭免許』のどちらか片方だけの保有でも入職することは可能です。ですが、なかにはどちらの資格も必要とする園がありますので転職の際には必要資格をしっかり確認しておきましょう。
保育士から幼稚園教諭になれるの?
幼稚園教諭の免許は、大学、短大、専門学校の教育課程を履修すると、卒業と同時に取得することができます。しかし、大学や専門学校などの養成校に通学しながら最低でも62単位以上の修得が必要となると、「働きながら免許を取得するのは難しいのでは?」と感じてしまいますよね。そこで、すでに保育士資格を持っている方におすすめしたいのが、『幼保特例制度』という制度です。『幼保特例制度』とは、近年認定こども園法の改正により保育士と幼稚園教諭の2つの資格を有する保育教諭の人材を確保するため、新たに創設された制度のことをいいます。どちらか保育士資格を持ち、3年かつ4,320時間(フルタイムで540日以上)の実務経験がある方に限り、不足分の資格を通常よりも少ない8単位の修得で免許取得を目指すことが可能です。単位を修得するためには指定の大学に通う方法のほか、すきま時間を利用してスマートフォンやパソコンで講義を受けられる通信講座もありますよ。この『幼保特例制度』ですが、実は近年内閣府の意向により期間が2019年までだったところを2024年(令和6年)まで延長されることになりました!今からでは間に合わないとあきらめていた保育士の皆さんも、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?(参考:文部科学省『幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例』) 幼稚園教諭として働くやりがい
幼稚園教諭ならではの“やりがい”といえば、やはり『教育』という部分ではないでしょうか。
幼稚園では保育園とは異なり、担任と副担任に分かれて1人または2人でクラスを持つことが多いです。そのため、少人数で多くの子供たちを見ることになるので、プレッシャーを感じてしまったり、大変だと感じることがあるかもしれません。
しかし1年を通して子どもたちとさまざまな思い出を共有する中で、文字を書けなかった子が書けるようになったり、音のリズムに合わせてダンスが踊れるようになったり、数字の計算や英語が喋られるようになるなど、先生が根気強く丁寧に教えることで、子どもたちの成長を感じることができます。できなくて泣いてばかりいた子が、先生に教えてもらったことで次第にできるようになったとき、その子の喜ぶ姿を見られるのは教育者としてこれ以上のやりがいはありませんよね。
小学校に上がり勉強や日常生活を支障なく送れるような教育を施すことが、幼稚園教諭の重要な役目だといえます。
幼稚園教諭に向いている人とは
幼稚園教諭だけでなく保育士にも言えることなのですが、やはり第一に『心から子どもが好き』だといえる人に向いています。明るく元気にふるまえて、子どもたちのお手本となるように最低限のマナーや礼儀が身についていることも大切ですね。そして、幼稚園教諭は子どもたちに音楽や絵画、運動などのさまざまな分野を教える先生でもあるため、ある程度の『技術力や指導力』が求められます。ほかにも、3歳~5歳児という活発な時期の子どもたちについていけるだけの『機敏さや体力』も必要だといえるでしょう。
幼稚園教諭はまさに『先生』という仕事
子どもたちにとって無くてはならない存在の幼稚園教諭。子どもたちの日常生活のサポートをしながら、教育面での技術や指導力、マナーなどさまざまなスキルが求められます。人によっては、苦手な分野があり幼稚園教諭の道を悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。幼稚園教諭は、日常の生活習慣を身につけさせるだけでなく、さまざまな教育を施し子どもたちの健やかな成長を見守る大切な仕事です。自分の教えを経て、子どもたちが立派に成長し胸を張って卒園していく姿を見れたときの喜びや達成感もきっと大きいことでしょう!保育士とは違った『やりがい』のある幼稚園教諭を、ぜひ一度目指してみてはいかがですか?検 索 幼稚園教諭に興味のある方、保育士ワーカーで求人を検索♪