円満退職のメリットとは?
保育士として働いている方の中には、子どもと接する楽しさを感じる一方で、さまざまな悩みを持ち、退職を考えてしまうという方も少なくありません。退職したい理由は人それぞれですが、子どもたちと過ごした時間を思えば、職場の方とトラブルを起こさずに、できるだけ円満に退職したいですよね。円満退職には、次のようなメリットがあります。
退職するまで職場の人との間関係を円滑に保てる
退職手続きや業務の引継ぎがスムーズに行える
退職後も保育園とのつながりが持てる
前向きに新たなスタートを切ることができる
今まで過ごした園での日々や経験を良い思い出にするためにも、円満退職することを心掛けましょう。
保育士が円満退職をするための3ステップ
円満退職の流れは大きく分けて3つあります。退職したい保育士さんがスムーズに退職準備を進められるように、それぞれのポイントを詳しく説明しながら、退職の流れと注意点をチェックしていきましょう。
STEP1. 退職を決めるまで
退職理由を考える
保育士さんが抱える問題や悩みは人それぞれです。職場の人間関係や労働環境などネガティブな理由で職場を辞める決意をした方も少なくないでしょう。しかし、退職は次へのステップであるため、別の職場で働いたときに同じ失敗やトラブルを回避するためにも、退職理由は明確にしておく必要があります。では、保育士さんによくある退職理由の代表例を挙げてみましょう。
人間関係:女性が多く働く保育園では、女性特有の独特な空気感があるので、そりが合わなかったり、周りとの調和を取りにくかったりなど人間関係に悩む保育士さんが多くいます。
労働環境:毎日定時を超えて遅くまで続く残業や長時間労働、低給与、仕事を家に持ち帰るなど劣悪な労環境に不満を感じる方も多いです。
教育方針:保育園が定める理念や方針が、自身の考えと一致しないということや、描いていた理想の保育と現実のギャップを感じる方も少なくありません。
退職の時期を考える
保育士さんにとって退職するのに最適なタイミングは、子どもたちが1年間のクラス生活を終え、次の学年へと上がる「年度末」です。年度末は人員体制の見直しや業務の引継ぎが比較的しやすいため、ほかの職員の負担を最小限にできます。一方、年間を通して保育の仕事はスケジュールが決まっているので、大事な行事の前は避けるようにしましょう。
転職の準備は早めに行う
転職先が決まっていないと、退職してから仕事が決まるまで収入がないため、生活が困難になる可能性があります。そのため、現在の職場にいる間に転職活動を行うことをおすすめします。忙しくて転職活動ができない方もいると思いますが、インターネットで求人情報を調べて、休みの日に面接の予定をたてると良いでしょう。
STEP2. 退職を決意した後
いつ退職を切り出すか決める
雇用契約で定められていなければ、民法上では2週間前までに退職の意を伝えればよいとされています。しかし、円満退職をしたいのであれば2週間前に退職を伝えるのは遅すぎます。引継ぎの業務などがあるので、可能であれば退職希望日の2~3ヶ月前までには伝えておくようにしましょう。体調不良や家族の病気などで、急に退職しなくてはならない場合でも、少なくとも1ヶ月前には退職意思を伝えておくのが良いです。
上司へ退職理由を伝える
ネガティブな理由で退職を決めた方もいると思いますが、実際にありのままの理由を上司に伝えた場合、円満に退職できるでしょうか。どんな理由、どんな伝え方をしたらよいのか悩んでいる方に、注意しておきたい3つのポイントをお伝えします。
注意しておきたい3つのポイント
人間関係や労働環境などネガティブな理由は避ける→ネガティブな退職理由をありのままに伝えると、退職日まで自分自身はもちろん、同僚や上司も気分が良いものではありません。そのため、円満に退職するためにも、ポジティブな理由や個人的で当たり障りのない理由を伝えておくほうがよいでしょう。
「結婚」「引っ越し」などのバレやすい嘘はつかない→どこからか情報が漏れ、辻褄が合わなくなったりすると、バレるのも時間の問題となります。お世話になった保育園には誠意をもって退職の意思を伝えましょう。
引き止められた際の返事も考えておく→残業や給与といった労働環境に起因する退職理由もできれば避けておくほうが無難です。なぜなら、保育業界は慢性的に人手不足の傾向があるので、「給与アップを検討する」などプラスに感じる交渉を通して、引き止めをされることがしばしばあるからです。仮に引き止めをされても、退職をすると意思を固めたのであれば、断る勇気も忘れないでください。
具体例
理想と現実のギャップに悩み退職を考えている、1年目や新卒保育士の方も少なくないので、上司に伝える退職理由を悩んでいる方は、以下の具体例を参考にしてみください。
やりたい仕事や挑戦したいことを実現したいという理由→前向きに頑張りたいという姿勢が感じ取られる理由は受け入れられやすい傾向にあります。
異業種に転職する・してみたいという理由→すでに転職先が決まっている場合はその旨を伝えることで、引き止めにあう確率も低くなります。また、保育士の経験があるからこそ、新たな職へと転職したいという意見は肯定的に捉えられやすい傾向にあります。
体調不良や治療に専念したいという理由医師の診断書があればなお良しですが、保育士としての責務や役割を考慮したうえでの決断なら、円満に退職へと進めるはずです。
必要な場合は退職願を書く
退職願は提出を不要とする園もありますが、提出する必要がある園もあるでしょう。退職願は退職が正式に認められたあとに提出します。B5用紙に黒の万年筆などで記入するのが一般的で、フォーマットが決められている場合以外は、基本的に自由形式です。書き方や提出先は職場によって異なるので、事前に上司に確認をするようにしましょう。
STEP3. 退職承認から退職まで
業務の引継ぎを行う
退職が正式に認められ、退職が職場全体に公表されたら、業務の引継ぎを行います。退職後も円滑に保育業務が引き続き行われるように、きちんと自分の担当していた業務内容や資料を整理して、後任者に分かりやすく引継ぎしましょう。年度途中に退職するケースでは、行事の準備などの忙しさから十分に引継ぎにかける時間の確保ができない場合もあります。そのような場合は、要点をまとめた資料を渡し、隙間時間を見て一つ一つ伝えていくのも手です。
お世話になった方に挨拶をする
お世話になった園長や主任、上司や同僚いった方々に、直接退職の挨拶とお礼をしましょう。お詫びや感謝の印としてお菓子などを持参するのもいいかもしれません。最後は笑顔で次のステップへと進むために、否定的にならず楽しかったことや保育士として成長できたこと、これまでの指導に対するお礼などを盛り込むと良いでしょう。
保護者や子どもに伝える
これまで関わってきた子どもたちやその保護者の方々への挨拶も心残りですよね。まずは「保護者と子どもへの退職の挨拶」をどのようにすれば良いか、上司や園長に確認、相談してみましょう。保育園では全園児と保護者が一同に揃う機会がほぼないため、クラス通信などの文書を通して簡単な挨拶を行うところが多いようですが、園によっては挨拶の時間を別途設けてくれるところもあるようです。また、子どもたちに伝える際は、不安にさせないように言葉選びや伝える日程に配慮しましょう。
退職手続きを行う
退職するにあたり、退職日までに返却や提出を要する書類の準備が必要となります。退職にはさまざまな手続きがあるため、あらかじめ事前に何を用意しなければならないのかを把握しておきましょう。また、退職に伴い保育園側から渡される書類についてもチェックを忘れずに。
<退職時に必要な提出物の一覧>
<退職時に受け取る書類一覧>
今後も保育士として活躍したい方へ
保育士が円満に退職するためにおさえておきたい3ステップを、時系列に沿ってご紹介してきました。退職は人生の中でひとつの大きな区切りであり、迷いもあるなかで決断をされたことと思います。しかし大事なのは退職したその後、あなたがどのように活躍していくか、ということではないでしょうか。どんな退職理由であれ、保育士として子どもたちと過ごした楽しさ時間や保育のやりがいを感じている方は多いと思います。今回退職を決意した保育園では、あなたの希望条件にそぐわない場面もあったかもしれません。しかし、働きやすい職場環境や給料などの待遇面は、保育士専門の転職サイトを通して大きく改善することができます!保育士専門転職サイト「保育士ワーカー」では、どんなに小さな悩みでも親身に対応し、数々の実績を通して保育士さんが100%満足できる転職をサポートしております。退職後も保育士として活躍したいとお考えの方は、ぜひ保育士ワーカーへお気軽に相談してみてください。全国の保育士求人を探す➡保育士ワーカーに登録する