皆さんが働いている保育園の園長はどんな人ですか?
子ども想いの優しい方、的確に指示を出してくれて仕事のできる方、保育士からも保護者からも信頼されている方…などいろんなタイプの園長がいるかと思います。
園のトップに立つ人が“人柄のいい人”だと、職場の雰囲気もよくなりますよね。
しかし、なかには園長とそりが合わず振り回されて仕事を辞めてしまう保育士さんも多くいます。自分と合わない園長に出会った時、どう対処していけばいいのかをお話していきます。
保育園の園長と合わない!その原因とは?
日々、保育の仕事をこなしていくなかで「園長と関わる機会」というのは、どの保育士さんにもありますよね。朝の挨拶から始まり何気ない日常の会話や仕事の話など、園長とコミュニケーションをとっていくうちに、「私、園長と合わないかも…」と感じた時、どうすればいいのか戸惑いますよね。なかには、パワハラ、モラハラといったハラスメントを受けてしまい、どう対処すればいいのか悩んでいる保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は「園長と合わないと感じる瞬間」を5つ
ご紹介します。同じようなトラブルに巻き込まれてしまった時のために、あらかじめ対応策を考えておくといいですね。 不必要な仕事を押し付けてくる、園長
「これもやって」「あれもやって」と自分勝手に決めた企画や仕事を無理やり押し付けてくる園長っていませんか?言われた側は立場上断りきれず、忙しい業務の合間を縫って押し付けられた仕事をこなさなければなりません。作業が終わらなければ、最悪自宅に持ち帰ったりサービス残業になってしまうことも…。ほかにも、園によっては保育の経験がない人が事業主として園長
をやっているところがあります。保育の経験がない方なので見当違いの仕事を押し付けてきては、保育士さんが発言に振り回されてしまうといった現場も少なくありません。 【対応策】
まずは任された仕事が、自分で処理できる範囲の仕事量かどうかをしっかり見極める必要があります。普段の業務の合間にできるのか、持ち帰りや残業をせずにこなせる内容なのかを判断します。自分のキャパシティ(容量)を考慮したうえで厳しいと感じたら、信頼できる先輩保育士やクラス主任に相談し判断を仰ぎましょう
。勤務歴の長い人に相談することで、的確なアドバイスや対処法を教えてもらえるかもしれません。保育士さんの仕事は複数担任で行うため“チームワーク”が重要です。任された仕事に追われて普段の業務に影響が出てしまうと、他の保育士さんにも迷惑がかかってしまう恐れがあります。自分で処理できないと判断したら、早い段階で上司に相談することを心がけましょう。 トラブルに関与しない無責任園長
基本的に園内で起きたトラブルに関しては、すべて園の責任となります。
「子どもが怪我をした」「子どもに対する扱いが粗暴」などといった保護者からのクレームに対して、本来なら園長やクラス主任を含む職員内でどう対処するかを話し合います。ときには、園長自らが保護者と話し合い説得しなければならない状況もあるなかで「私は関係ないから、あとは任せた」と言い、保護者とのやり取りをすべて保育士に押し付ける園長にどう対処したらいいのでしょうか。
【対処法】
園内でトラブルが起きてしまったとき、もしくは保護者から何らかのクレームを受けてしまったとき、担当の保育士はまずクラス主任(上司)と園長に事の経緯を報告しましょう。もし園長がその問題に関してあまり関心がなく「後処理は任せた」と放棄する場合は、自分とクラス主任もしくは副主任で今後どう対応していくかを話し合います。
決して、園長が対応してくれないからと自分だけの判断でトラブルを処理しようとするのはやめましょう。問題が起きてしまった時点で上司に報告し、話し合ったうえで今後の対応を職員内で情報共有することが大切です。
保育観を押し付けてくる、園長
子どもたちとどう接し、どんな保育がしたいか、保育士さんなら誰もがもつ“理想の保育 ”がありますよね。しかし、園長によっては保育士のやりたい保育観を無視し無理やり自分のルールを強要してくる人も少なからずいます。
例えば、「“子どもが悪いことをしたら厳しく叱りつける”といったやり方をうちの園ではやらなければならないと園長に言われた」という保育観の押し付け。
叱りつけるという行為をしたくない一方で、園長という立ち場の人に反論することが許されない環境は、保育士さんにとっても苦痛でしかありません。
【対処法】
自分のやりたい「保育観」が園の教育方針と合っているか、園長のルールが自分の考えに合っているかを再確認してみましょう。もし自分の考えと合わないルールがあったとしても、やり方ひとつで自分のやりたい保育に合わせることができるかもしれません。
例えば、「子どもが悪いことをしたら厳しく叱りつける」といったルール。
厳しく叱るというのは、決して“怒鳴る”ということではありませんよね。悪いことをした子に対して「どうしてそんなことをしたの?」「お友達が怪我しちゃうよ」と厳しい心で指導することも一緒です。怒った顔をしていても声色を優しく抑えたり、言葉を選んで伝えることで子どもたちも冷静になって状況を理解することができます。
やり方や考え方ひとつ変えるだけで、自分のやりたい保育をすることは可能です。決められたルールの中で、いかに自分のやりたい保育に合わせていけるかを一度考えてみてはいかがでしょうか。
すぐ怒鳴る!気分屋の園長
もちろん園長も皆さんと同じ人間なので、機嫌の悪い時はあるかと思います。
そのなかでも、機嫌が悪くなったとたん周囲に悪口や暴言を吐き散らし、ほかの職員に迷惑をかける「気分屋園長」がいるのです。
ミスをしてしまった保育士に対して「なぜできない!」「辞めてしまえ!」といった激しい叱責もあれば、「〇〇さんの方が仕事できる」「あなたは〇〇だからね」と間接的に嫌味を言ったりとさまざまです。社会人まして園をまとめる責任者がそんなことを言っていては大問題です。気分屋の園長に対してできることはないでしょうか。
【対処法】
誰だってそうですが、他人に 褒められると嬉しいし、気分も上がりますよね。「園長すごいですね!」「さすがですね~」と相手をほめて機嫌を損ねないようにするのも立派な処世術です。とくに、機嫌によって職員に対する扱いや態度が変わってしまう園長には効果的
です。機嫌を伺いながら、発言に共感できるところは共感し、些細な点でも褒めることで園長から敵視される確率は減ることでしょう。しかし一方で、この行為を苦手と感じる保育士さんにとっては、かえってストレスの原因を増やしてしまう恐れがあります。無理のない範囲で適度に取り入れつつ、自分の居心地のいい空間をキープしてみてくださいね。 「妊娠の順番」を強要する園長
一部の保育園では、急な妊娠による職員の欠員を防ぐため既婚の保育士さんを対象に、妊娠する順番を園長が決めています。
「妊娠順番制」とも言われており、近年保育業界の問題のひとつとなっています。
予想外の妊娠が発覚してしまった保育士さんに対して、「おめでとう」と祝福するどころか「どうしてルールを守らなかったの!」「みんなが迷惑するでしょう」「今辞められたら困ります!」と園長が責めたててきた…なんてこともあります。
次第に職場の雰囲気も悪くなってしまい、泣く泣く辞めざるを得なくなってしまった保育士さんも少なくありません。人手が足りなくなるからと、保育士さんのライフプランを考慮しない園長に対してどう対処すればいいのでしょうか。
【対応策】
一部の保育園で行われる「妊娠順番制」。その原因は、保育士の人手不足にあります。
園の規模や地域によっては職員の確保も難しく、限られた人数の中で子どもたちを保育していかなければなりません。職員がひとり欠けることによって他の職員に負担がかかってしまうのは避けたいところ。しかし、保育士さんにも理想のライフプランはあるかと思います。
しっかり考えて、ライフプランを尊重してくれる別の園に転職するのも方法です。
保育園の園長がひどい!できる対策は?
対策はしてみたものの度重なる園長からのハラスメントに、ついに体調を崩してしまい仕事が続けられなくなってしまった。念願の保育士になれたのに、こんなところで夢破れてしまうなんて…。そんな最悪の結果を招いてしまわないようにするためにはどうするのがいいのでしょうか?
相談できる味方を見つけよう!
何より大切なことは「誰かに悩みを相談する」
ということです。職場の頼れる先輩、友達、家族、恋人…職場に限らず、自分の悩みを打ち明けられる人をひとりでも見つけましょう。些細な悩みでもかまいません。「今日、職場でこんなことがあった」「園長にこんなことを言われた」と相談することによって少しでも心の負担は減らせるかと思います。信頼できる職場の先輩保育士やクラス主任であれば、話を共有できて適切なアドバイスや対応策を教えてくれるかもしれません。 言われたことは適度に聞き流す
「思い当たる節がないのに叱責された」「嫌われているのか自分に関する悪口を聞いてしまった」など、予期せぬところでハラスメントを受けてしまったとき、どう気持ちを切り替えていけばいいのでしょうか。園長という立場からの発言は重みもあり、言葉のとおりに受け止めてしまうこともあるかと思います。まずは園長の発言に対して、重く受け止めず軽く聞き流す
ことを意識しましょう。「ああ、またなにか言ってるな」と軽く受け止めて「承知しました」と適切な言葉で大人の対応をしましょう。もし園長の発言に対して悩んでいたり判断に迷った場合は、信頼できる周りの先輩保育士や上司に相談してアドバイスをもらうといいですね。 合わないけどココは好き!妥協点を見出す
園長を気に入らないと感じたまま、それでも働き続けているということは保育士にとっても苦痛な日々かと思います。完全に関わりを持たず仕事をすることは難しいですし、改善できるなら少しでもマイナスイメージを払拭したいですよね。
そんなときは、どこか共感してしまう、許してしまうというプラスの部分を探してみるといいですよ。
例えば、
「たまにトゲのある発言をするけれど、子どもたちを常に一番に考えてくれている」
「保育のことをあまり知らない人だけど、職場環境をよくしようと頑張ってくれている」
といったように、ここは自分と合わないけれど、この考えは共感できるという妥協点を見出すことで次第に園長に対する印象も変わってくることでしょう。
証拠を確保!勤務状況はこまめに記録する
園長からのハラスメントがあまりにひどいと感じたら、最終手段として「外部機関に助けを求める」
ということも必要です。日本では一部の国家公務員を除いた、すべての労働者に適応される労働基準法というものがあります。労働基準法とは、簡単に説明すると「人々が健康的で継続して勤労するために守らなければならない法律」のことです。自分の職場環境が少しでもおかしいなと思ったら、まずは各都道府県の労働基準局に設置されている労働基準監督署に相談してみましょう。もし立ち入り検査や行政指導をする場合、明確な証拠が必要となります。タイムカードやシフト表の勤怠記録のほかにも、園長に「いつ」「どこで」「何をされた」のかをこまめに記録しておくといいですね。労働局が調査を行い責任者に指導をすることで、職場環境が改善されることもあります。 『転職』という選択肢を選ぶ
無理をしてでも留まり続けるということは、それなりの理由があるのかもしれません。
しかし万が一、我慢し続けることで体調を崩し保育士を続けられなくなってしまったら…。そうなる前に「転職してしまう」のもひとつの方法です。
園や園長が変われば、働きやすくなるということもあります。
「こんな園長がいる保育園に転職したい。けど、求人を見ただけではわからない」
そんなときこそ人材紹介会社「保育士ワーカー」がオススメです。
園長に関するお悩みや転職先の条件をアドバイザーがお伺いし、ご自身に合った理想の保育園をピックアップしてくれます。
保育職に特化した専属のアドバイザーが担当しているので、園長がどんな人なのか、職場の雰囲気など、気になることは何でも相談してみましょう。直接園とやり取りを行っているからこそ、より正確な情報を知ることが可能です。
情報をもとに気になる園が見つかれば、見学に行き園長と職員の関係性を確認してみましょう。職員に対してどう接しているのか、普段の職場の雰囲気を間近に感じることで園長の人柄を把握することができますよ。その際に、何点か質問を投げかけてみて園長の反応を見てみてもいいですね。
園長に悩まされている保育士の皆さん、ぜひ一度保育職を熟知した専門のアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
『園長と合わない』という悩みは解消できる!
自分と合わない園長がいるなかで仕事をするのは大変ですよね。ときにはツラく、辞めたいと感じることもあるでしょう。それでもきっと、今の職場で仕事を続けているのは、「子どもたちの存在」「憧れの保育士」「自身のキャリアアップ」とさまざまな想い
があるかと思います。ですが、園や園長が変われば、働きやすくなるということもありますので、無理をせずに限界を感じたら転職を考えてみるのもいいかもしれません。人によっては「退職=逃げ」と感じてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。大切なのは「大好きな保育士という仕事を続けていく」ということです。☆こちらの記事も人気☆