子どもの命を預かるという責任の重さがあり、体力、精神力ともに必要とされる保育士の仕事。そんな保育の現場で頑張る保育士さんの原動力は、毎日の仕事で得られるたくさんのやりがいです。
保育士の毎日は激務で「仕事量が多くて毎日残業」「保護者対応が大変」など大変なことはもちろんあります。しかし、それを上回るやりがいと魅力が保育士の仕事にはあります。
では、保育士さんはどんなことにやりがいを感じているのでしょうか?今回は、実際に現場で働く保育士さんの感じる「8つの魅力ややりがい」と「悩んだ時に知りたい対処法」についてご紹介します。
子どもと接する中で保育士の魅力とやりがいを感じる瞬間
「子どもが好きだから」という理由で保育士さんを目指す人がほとんどではないでしょうか。仕事の中で子ども達と過ごす時間は長く、その中で癒しを感じることも多いでしょう。
毎日保育園に通う子どもたち。生まれてから6歳までの毎日は、子ども達にとって新しい体験の連続です。日々の成長スピードが速い貴重な時期を、保育士は一緒に過ごすことができます。
子ども達の初めての瞬間に傍で寄り添っていられるのは保育士ならではの特権です。
1. 子どもの笑顔を目にした時
保育士としての魅力は子どもと毎日触れ合えること。子どもの素直な笑顔は日々の大変さを癒してくれます。
「登園の時に最初は泣いていた子どもが笑顔で挨拶するようになった」「初めてできたことを笑顔で報告してくれた」
何気ない日常の中でも子ども達は笑顔でいっぱい!その一瞬一瞬に保育士になって良かったと感じることでしょう。純粋で一生懸命な姿を見ているだけでこちらも笑顔になりますよね。
2. 子どもの日々の成長を感じられた時
赤ちゃんのころから見ている子が、ハイハイするようになって、よちよち歩きが出来るようになって「せんせいだいすき!」なんて抱きついてくるとキュンキュンしてしまいます!
毎日いろいろなことに一生懸命にチャレンジして、どんどん成長していく子どもの姿を一番近くで見守ることができるんです。本当に素敵な仕事! 乳児期では、寝返り、ハイハイからつかまり立ち、喃語が出るなど、大きな成長の瞬間に立ち会うことも多くあります。幼児期では、自分の身の回りのことができるようになったり、お話が達者になってきたりするのも、とても可愛らしく感じる瞬間ですよね。お友達のことを気遣う「こころの成長」が見られたりすると、思わず涙することも。感動するポイントは人それぞれですが、子どもの成長を近くで感じることができるのは保育士ならではの喜びです。3. 子どもにとって心から安心できる存在になれたと感じる時
朝の登園時、いつもはニコニコで「ママいってらっしゃい」ができる子でも、ときにはママからどうしても離れられないことも。そんなときは「先生がいるからね」と子どもを抱っこしたりお膝にのせて安心感を与えます。「いやっ!ママがいい!」と言われてしまいますけどね。笑
時間が経って、子どもが安心してくれたときは保育士としての喜びを感じます。 子どもはいつも元気なわけではありません。親から長時間離れて過ごすなかで、ふとしたときに寂しさを感じることも。そんな時は、一番身近な存在である保育士が安心感を与えられるよう、子どもの気持ちに寄り添って過ごします。不安や寂しさを感じたときに、子どもを安心させてあげられるのは、毎日の保育の中で信頼関係を築いている保育士だからこそ。子どもの不安にいち早く気付き解消してあげることができたときは、保育士としての大きなやりがいを感じる瞬間です。4. 子ども達が卒園後に会いに来てくれた時
保育園で長く働いていると、卒園していった子ども達が会いに来てくれることもあります。卒園するまで見守った子ども達のさらに成長した姿はグッとくるものがあります。
保育園で受け持った子ども達が、大人になって活躍する姿を見聞きすることは感慨深く、「保育士をやって良かった」と感じる瞬間ではないでしょうか。
保護者との関係で保育士の魅力とやりがいを感じる瞬間
まだ新人の頃、2歳児の保護者から「こどもの初めての先生が〇〇先生で本当によかった。うちの子、先生が大好きなんです!」という言葉をいただきました。迷いや上手くいかないことばかりで保育士として自信をなくしていたときだったので、とても励まされました。今でも私を支える言葉になっています! 保護者と保育士は子どもを一緒に育てるパートナー。日々、子どもについての情報を共有して、家庭と保育園の両面で子どもの成長を見守っていきます。家庭と保育園が連携することで、子どもの情緒の安定やよりよい成長に繋がります。日頃からの保護者と保育士のコミュニケーションが大切。何気ない雑談のなかにヒントや発見があることもあります。世間的には「保護者との関わりは大変そう」というイメージがあると思いますが、本当に困った保護者はごく一部。大体の保護者は「いつもありがとうございます」と保育士に感謝の気持ちを持ってくれています。「子どもの担任が先生で本当によかった!」などと保護者から信頼されていると感じるときは、保育のプロとしてやりがいを感じる瞬間です。行事を通じて保育士の魅力とやりがいを感じる瞬間
運動会や生活発表会など、行事は準備も練習も本当に大変。でも、その大変さを乗り越えてこそ得られるやりがいもあります。
練習していく中で、苦手なことを乗り越えて「もっとやろう」と楽しむ子どもの様子を見ると、成長を感じて本当に嬉しくなります。
本番を終えたとき、子どもたちのキラキラの笑顔を見られると、何にも代えがたい達成感を感じます! 保育園の行事に向けて子どもたちと一緒に毎日練習を重ね、本番を成功させたとき、保育士ならではの大きな達成感とやりがいを感じることができます。「恥ずかしがりやさんだった子が舞台で堂々と演技できた!」「苦手だった鍵盤ハーモニカを上手に演奏できた!」このような子ども達の頑張る姿を見ると達成感で満たされます。1つの目標に向かって全保育士が協力して取り組み、成功させることで、保育士としての自信や充実感を得ることができます。発表そのものの成功はもちろん嬉しいのですが、多くの保育園で年度末に行われる生活発表会は、1年を通しての子どもの成長を感じられる瞬間。助け合うこと、挑戦すること、時には葛藤など、さまざまな経験をして大きく育った子どもたちの様子に、思わず涙してしまう保育士さんも少なくありません。社会貢献できることも保育士の魅力
家族形態の多様化や女性の社会進出など、子育て家族の負担が重くなっている今、保護者が安心して働ける環境づくりにとって、保育士は必要不可欠な存在です。保育士は子どもの保育をとおして、「働く保護者をサポートする」という大きな社会貢献
を行っています。「社会に貢献している」と感じると、保育士の仕事により誇りをもって働くことができますね。 子どもと共に自分も成長できるのは保育士の魅力
保育には正解がありません。多くの保育士さんが「あの言葉がけはあの子にとって適切だったかな」など、日々悩みながら保育を行っています。これはどんなにベテランになっても同じ。ひとつとして同じことが起こらない「人対人」の保育という仕事だからこそ、常に悩み続け、常に成長することができます。子どもが好き、子どもたちのためになるなら、という保育士の想いが、保育の幅を広げていきます。
なかなか自分自身の成長を感じる機会は少ないかもしれませんが、子どもたちや後輩保育士の成長をとおして、ふとしたときに自分の成長に気付くということも。そんなときはぜひ自分を褒めてあげてくださいね!
保育士の仕事って大変!悩んだ時に知りたい対処法
保育士の仕事には、子どもと関わること以外にも様々な業務があります。人間関係や保護者との関係、給与や待遇などの悩みは働く上で切り離せないことかもしれません。
大変なことも多いですが、その大変さを乗り越えてこそ感じるやりがいもあります。「悩みばかりで辛い」となる前に、解決方法を知って対処していきましょう!
職場の人間関係で悩んでいる方へ
保育士の仕事に職員同士のコミニュケーションは必須です。とはいえ実際保育園で働くと「職場に馴染めないのでは」と悩んだり、「どうしても怖い先輩がいる」と思うこともあるかもしれません。
そのような悩みはどのように解決すればいいのでしょうか。
実際の職場の人間関係は?
どうしても職場が合わないと感じるなら
職場が合わないと感じるなら決して無理は禁物です。周りに相談するのはもちろん、転職を視野に入れることも考えてよいでしょう。人間関係は複雑な問題です。【保育士の転職】などを見て転職を視野に入れつつ、本当にこの場所で働き続けるべきなのか、客観的に見て冷静に判断しましょう。 保護者対応が苦手で悩んでいる方へ
保護者対応がどうしても苦手な方も多いことでしょう。まずはトラブルが起きないためにも、正しい言葉遣いとマナーで対応することが前提です。そして保護者対応で悩んでいることを、先輩保育士や園長に相談することも重要になります。自分だけが悩んでいると感じず、周りに相談することも時には大切なこと。『保護者対応が苦手な保育士必見!』では、保護者対応の細かい対策を紹介しているので参考にしてみてください。 保育士の仕事は魅力であふれている
保育士は責任も大きく、悩みや辛いことを抱えることも多くあります。しかし、保育士の毎日には、それ以上に何物にも代えられないやりがいを感じられる瞬間がたくさん!こんなにも毎日笑顔に溢れていて元気をもらえる仕事
がほかにあるでしょうか?保育の仕事に興味を持っている方は、魅力いっぱいの保育士という仕事にぜひチャレンジしてみてください!そして、日々の仕事に疲れを感じている現役の保育士さんも、保育士ならではのやりがいや喜びをもう一度思い出してみてくださいね。