保育士さんの1年目はとにかく大変!先輩に教えられた言葉や内容はメモを取りながらすべて頭に叩き込む、上司や先輩とうまく関係を築くために自ら積極的にコミュニケーションを取りにいくなどなど…やらなければいけないことや覚えなければいいけないことがたくさん。それだけでなく、残業なども多く毎日クタクタになってしまいますよね。
就職してから目標を立てて頑張ってはみたものの、次第に仕事や職場に対する悩みが絶えず、「このまま続けていいのだろうか」と不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
1年目で辞めたいと悩む新人保育士さんに、悩みの対応策と早期退職することのリスクについてお話していきます。
保育士1年目は失敗や悩みが多い!対応策をご紹介
保育士1年目の悩みは、仕事量や人間関係のほかにも“ 新人特有の悩み ”があるかと思います。新人さんに多い悩みと悩み別に対応策をご紹介していきます。
覚えることが多い
先輩保育士にいろいろ教わっているけれど、情報量が多すぎてなかなか覚えられない。子どもたちのこと、業務のこと、園のルール…こんなに覚えられないって保育士に向いてないのかなぁ…
新人保育士さんが覚えなければならないことってたくさんありますよね。通常の保育業務を行いながら、先輩の保育士さんに教えられたことをひとつひとつ覚えていかなければなりません。保育業務に関することはもちろんですが、それ以外にも担当するクラスの子どもたちの名前、性格、保護者や家庭環境など、子どもたちの情報も保育士は把握しています。
日々の業務を行いながら覚えていくために、このような方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
【対応策】
こまめにメモをとる
最初のころに先輩に教えられる仕事内容はもちろん、子どもたちの名前やその子に関する情報など、自分で覚えきれないと判断したらこまめにメモを残すようにしましょう。「記憶力あるし、たぶん大丈夫!」と油断してはいけません。保育園では細かなルールや日常の業務に加えて、月齢ごとに保育のやり方も変わってきます。仕事を完璧にこなせるようになったとしても、メモ帳は常に肌身離さず持っておくと安心です。
子どもたちの名前は特長と一緒に覚える
子どもたちの人数が多いと、フルネームを覚えるのは大変ですよね。ときには同じ名前の子が数人いる環境も少なくありません。名前を間違えてしまうと保護者からの心象も悪くなってしまいますので注意しましょう。なかなか名前が覚えられない!という方は、「走るのが早い〇〇くん」「歌が得意な〇〇ちゃん」といったように、その子の特徴や特技と一緒に覚えるといいですよ。
保育中に何度も呼んで覚える
子どもたちの名前を覚える際に特徴と結びつけるほか、保育中は積極的に名前を呼んであげましょう。
ただ名前を呼ぶのではなく、「〇〇くん、絵本一緒に読もうか」「〇〇ちゃんは、どんなお歌がすき?」と名前を呼ばなくても会話が成立する一言にも、あえて名前を付け加えます。そうすることで名前も覚えられるし、子どもたちとコミュニケーションも取れるので一石二鳥ですよ。
子どもたち&保護者との関わり方がわからない
子どもたちが全然私に慣れてくれない…。保護者とも見えない壁というか、距離感を感じてしまう…私嫌われているのかなぁ…
子どもたちとの接し方に戸惑うことってありますよね。たとえ教育実習で保育を経験していたとしても、数週間程度と期間が短く、実際に長期間働くのとはわけが違います。
また、実習生のときは保護者の対応をすることはほとんどなかったのではないでしょうか。就職してから知る保護者対応の大変さに苦労する保育士も少なくありません。
子どもや保護者からも信頼される保育士になるためには、どうしたらいいのでしょうか?
【対応策】
子どもの目線になって接する
子どもたちに好かれる保育士さんは、どんな人なのでしょうか?いつも元気で笑顔を絶やさず、一緒になって遊びを楽しんでいる。恥じらいを捨てて面白い顔をしてみたり、ダンスを誰よりも大袈裟に踊ってみたり、そんな保育士さんは子どもたちに人気ですよね。ポイントは“子どもたちと同じ目線で接することを心がけている”ことです。まずは子どもたちが喜びそうな遊びを思いっきり一緒に楽しんでみてください。
積極的にコミュニケーションをとる
子どもたちや保護者さんにあなたのことを知ってもらうのなら“コミュニケーション”は欠かせません。日中、子どもたちとは保育の中でコミュニケーションを取ることができますが、保護者は保育士と直接関わる機会も少ないため、なかなか距離を縮めることができません。
そこで送迎時の限られた時間を利用して「〇〇ちゃん、とくに体調に変わりはありませんか?」と朝に一声かけたり、お迎えの際には「今日、こんなことができるようになりましたよ。」と報告したりして保護者を安心させてあげましょう。
普段見ることのできない子どもたちの様子を伝えることで、保護者は嬉しく感じますし、なにより保育士が子どもを気にかけてくれているという安心感にもつながりますよ。ー関連記事ー
人間関係がツライ
先輩保育士は性格もキツイし、仕事でミスをするたびにきつく叱られてしまう…。ほかにも仕事ができない人は陰口をいわれたり、ベテラン保育士のあいだで派閥があったりするし……私、こんな職場で続けていけるのかな…
指導のやり方は人によって性格や仕事の考え方も違うため、なかなか調子を合わせるのって難しいですよね。
ちょっとしたミスでもきつく叱られてしまうと、誰だって自信が無くなってきてしまいます。
ほかにも、女性の割合が多い保育業界では意見の合うもの同士でグループをつくったり、脅威を感じる相手を攻撃したりと女性特有の心理や考え方によってトラブルが起きてしまうことも決して少なくありません。
保育士の先輩や上司に好かれる人になるにはどうしたらいいのでしょうか。また、もし誰かの陰口を聞いてしまったり、他人の交友関係に巻き込まれてしまったとき、どう立ち回るのが理想なのでしょうか。
【対応策】
ホウレンソウを徹底し、信頼を得る
先輩もしくは上司にとって「安心できる新人」とはなんでしょう。
それは、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)がきちんとできている人のことです。トラブルが起きたらすぐに報告し、わからないことがあれば積極的に相談する、ほかにもアドバイスを受けたら必ずメモを取り、次に活かそうとする姿勢が大切です。
ホウレンソウを徹底することで、先輩保育士からの信頼も得られますし、コミュニケーションを取るきっかけづくりにもなります。
仲のいい人や主任、園長に相談をする
なにより大切なことは「誰かに悩みを相談する」ことです。同期の保育士や信頼できる先輩保育士に悩みを話してみてはいかがでしょうか。「あの人とこんなことがあった」「あの人にこういわれた」と相談することで、少しでも心の負担は減らせるかと思います。
もし、人間関係に関して直属の上司に相談しにくいと感じたら主任もしくは園長に相談するのもひとつの方法です。
適当に聞き流し、距離を置くことが大切
仕事だからといって苦手な人と無理に関わる必要はありません。たとえ人の悪口を聞いてしまったとしても「へ~、そうなんですね」と適当に聞き流すように心がけましょう。肯定的な返事は、より相手を助長してしまうので注意してください。悪口をいう人の近くにいるとあなた自身の良心も下がりかねません。
苦手だなと感じたら、必要最低限の関わりに留めて距離を置くこともときには必要です。ー関連記事ー
仕事量が多く残業ばかり
イベント行事のたびに、準備をするのはやりがいあっていいのだけれど、慣れないうちは製作物をひとつ作るのにも時間がかかってしまう。結果、業務時間内に終わらなくて自宅に持ち帰ってやることも…。
年間を通して保育園ではいろんな行事が行われます。
そのたびに保育士は前日から準備を行いますが、まだ作業に慣れない新人保育士にとってひとつの製作物を作るのもひと苦労。
毎年同じものを使いまわすのは許されないし、日中は保育業務で時間の余裕もなく、結果私生活の時間を利用して作業に追われることも少なくありません。
そこで作業をより効率よく行うためにこうしてみてはいかがでしょうか。
【対応策】
書き出して可視化する
まずは、自分の今抱えている仕事はどれだけあるのかひとつひとつ書き出して視覚化してみましょう。
環境整備、行事の準備、製作物、書類作成…と色々あるかと思います。どの作業に時間がかかっているのか、なぜ時間がかかっているのか、作業が週末に偏りすぎていないかどうかなど、全体の業務を視覚化することで自分の苦手分野や仕事のやり方に傾向がみえてきます。
例えば、製作物をつくるのが苦手で時間がかかってしまっているのであれば、あらかじめ製作期間を長めに設定し、業務のすきま時間を見つけてコツコツと進めてみましょう。
例文や素材をストックしておく
季節ごとのあいさつ文やイラスト素材は、常にストックさせておくことで作業の時間短縮につながります。
毎回おたよりの挨拶文をどうしようか悩まれている方も、参考にできそうなサイトがあればブックマークしておくと便利ですよ。
また先輩保育士にどうやって素材を集めているのか、おすすめの方法を聞いてみるのもいいかもしれません。自分が使いやすいと思う素材があれば、どんどんストックしておきましょう。ー関連記事ー
それでももし悩みを解決できず「やっぱり辞めたい…」とお考えの方のために、次に“新人保育士が早期に退職するとどうなるのか”について解説していきます。
保育士1年目最初から完璧にできなくても大丈夫!
最初から完璧に仕事をこなせる人なんていません。新しいものに挑戦しては、失敗して…それを繰り返しながら知識と経験を身につけていきます。保育士1年目のみなさんは、まだスタート地点から一歩足を踏み出したにすぎません。新人のころは何度もミスをしますし、そのたびに落ち込むこともあるでしょう。
ですが、あまり気を落とさないでください。もしミスをしてしまったら、まずはどこがいけなかったかを冷静に振り返ってみましょう。原因がわからないときは、ベテランの先輩保育士にアドバイスを受けてみてもいいかもしれませんね。改善点を見出し、次に活かしていくことで次第にミスは少なくなっていきます。
保育士1年目で辞めるなら早期退職のリスクについて知っておこう
就職して1年頑張ってみたけど「やっぱり仕事を辞めたい」と思ったとき、気になるのは早くに退職することのリスクではないでしょうか。それによって、自分や周囲にどんな影響が出てくるのか、退職を決めてしまう前に把握しておくことが大切です。
職場に迷惑がかかる
早期に退職してしまう場合注意しなければならないのが退職する“タイミング”です。年度末であれば、子どもたちの進級に合わせて担当する保育士も変わるため業務の引継ぎもしやすいです。
しかし、もし年度途中で辞めてしまうとなると、園側は急ぎ後任の保育士を決めたり、忙しい業務の合間を縫って引継ぎを行なわなければなりません。年度途中に退職する際には、今保育園が多忙な時期かどうかスケジュールを確認し報告するタイミングを慎重に見極めましょう。
転職先に退職理由を聞かれる
転職の場合には、面接時に退職した理由を聞かれることも少なくありません。
なぜなら面接官は、「辞めてしまった理由には本人に原因があるのではないか」「せっかく採用しても、同じ理由ですぐ辞めてしまうのではないか」と疑問を抱いているからです。答え方によっては、保育士の仕事を軽く見ていると判断されてしまうので退職した理由は慎重に伝えましょう。
では、辞めた理由を正直に伝えなければいけないかと問われると、決してその必要はありません。
例えば、人間関係のトラブルで辞めた場合、「ほかの保育士と目指したい保育のやり方が自分と異なっていた。改善できるよう何度も話し合いを設けたが解決することはできなかった」と言い方を変えるのもひとつの方法です。ほかにも家庭の事情やスキルアップのため、などあえて異なる理由を伝えても問題ありません。
やりがいや楽しさを知らないまま辞めてしまう
保育士の仕事には時間をかけることで得られる『やりがい』というものがあります。「子どもたちに少しずつ教えてきたことができるようになってきた」「日に日に言葉を喋るようになってきた」など、保育士は長い時間を経て子どもたちの成長を身近に感じることができる素晴らしい仕事です。
しかし、早期に辞めてしまうと保育の楽しさややりがいを経験しないまま保育園を去ってしまうことになるのです。早期退職のリスクを理解したうえで「それでも辞める」という場合、重要なのは自分の希望に合った保育園を見つけることが大切です。
保育士1年目で転職を始めるなら保育士ワーカー!
では実際に、自分に合った保育園を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。求人サイトや求人雑誌を見て探すのもいいですが、求人票ではわからない部分ってありますよね。とくに職場の雰囲気や人間関係は直接現場を知る人でなければわかりませんし、入職してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔するのは避けたいところ。そんなときは、「保育士ワーカー」がおすすめです。保育職に特化したプロのアドバイザーが希望に合わせた理想の求人をいくつかピックアップしてくれます。また職場の人間関係や保育士の指導方針など、気になる部分はアドバイザーに相談することもできます。代わりに直接園に出向いてもらい、園の雰囲気や人間関係といった職場の環境を知ることも◎。ほかにも、転職理由の伝え方なども教えてもらえますよ。面接の際に、1年目で辞めた理由を聞かれたときどう答えたらいいのか適切にアドバイスをしてくれるので嬉しいですね。転職してから「また辞めたい…」と悩んでしまわないためにも、保育士1年目の新人保育士さんの悩みを解決できる人材紹介会社はぜひおすすめしたいサービスです。▶保育士専門アドバイザーへのご相談はこちら♪ 保育士1年目は大変!「辞める」選択肢は選んでも大丈夫
保育士という仕事は、すぐに成果が見えるものではありません。スキルを磨き経験を積むことで次第に自信もついていき、今よりもっと保育士の仕事にやりがいを感じられるようになることもあります。また、新人のころと立場が変わり、人間関係に変化がでてくるなんてこともあるかもしれません。しかし、無理をしてはいけません。ストレスを溜め込んでいないかどうか、など自分の限界点をしっかり見極めましょう
。保育士の仕事を続けられなくなってしまう前に辞める決断をすることも必要です。