しばらく保育の現場から離れていた『ブランクありの保育士さん』にとって、復職は大きなハードルと捉えている方も少なくありません。実際に、「昔と同じように働けるか不安」「ブランクありの保育士が働きやすい職場が分からない」「数年保育現場から離れていた保育士を雇ってくれるところなんてあるの?」など、保育士WORKERには『ブランクがある』ことに対して不安を抱える保育士さんの声は多く届いています。そこで、当コラムでは【ブランクありの保育士向け・復職の手引き】として、保育士が仕事復帰するにあたって必要となる準備や志望動機の書き方
などをご紹介していきます。ブランクがあることで抱きがちな不安を解消していきながら進めていきますので、復職を検討している保育士さんはぜひ最後まで読んでみてくださいね。 人手不足の保育現場「潜在保育士」が求められている
長年保育現場から退いていたため、「ブランクがある保育士は保育現場で必要とされていないのではないか」と考える方も多いかもしれません。しかし実際は、人手不足を解消する救世主としてブランクがある保育士は歓迎される傾向にあります。というのも、全国的に課題とされている保育園の待機児童の多さと同様に、保育の現場では「保育士不足」が深刻化している
からです。待機児童解消のため受け皿を確保をするには保育士数の増加は欠かせませんが、現状では保育士の資格取得後にそのまま保育士として就業する人は資格取得者の半数ほどとなっています。さらには、就業しても離職してしまう保育士も一定数おり、保育士不足は一向に解消しない状況となっています。そこで保育士不足を解消する解決策として注目されているのが、ブランクありの保育士を含む「潜在保育士」を再度保育の現場に呼び込むという取り組みです。潜在保育士とは、保育士の資格を持っているものの就業していない人のことを指しており、厚生労働省によると平成27年度における全国の潜在保育士の数は70万人以上(※)とされています。当然ながら、これだけの数の潜在保育士がいるとなれば、再就職を促すことで保育士不足解消に大きく貢献するのは容易に想像できるのではないでしょうか。今後新たに活躍していく保育士を育成することももちろん大事ですが、即戦力となる保育士経験のある潜在保育士が就業すれば、人手不足に悩む保育現場を救うことは間違いないでしょう。以上のことから、ブランクがある保育士は今まさに必要とされる存在であるということがお分かりいただけたでしょうか。(※)出典:保育士に関する関係資料/厚生労働省
ブランクがある保育士が準備しておきたいことは?
保育士不足が問題となっている保育現場では、ブランクがある保育士はむしろ歓迎すべき存在であり、再就職することはさほど難しいことではないということが分かりました。
しかし、ブランクありの保育士が歓迎されやすい状況とはいえ、保育士の実務にブランクがある状態でいきなり復帰するのには、少なからずいろいろな不安がついてまわるはずです。
そこで、ブランクがある保育士が再就職を前にあらかじめ準備しておくこと・確認をしておくべきことをご紹介します。
再就職に向けて少しでも不安な点を解消できるよう、ひとつずつ確認していきましょう!
心身の健康と体力づくり
保育士として一度でも勤務経験のある方なら分かるはずですが、保育士の仕事は体力勝負といっても過言ではありません。年齢によって1人の保育士が見る子どもの人数は変わりますが、4歳児以上なら子ども30人に対し保育士1人の配置基準(※厚生労働省 児童福祉施設最低基準P3)となっており、想像をするだけでもハードワークであることは一目瞭然です。そのため、ブランクを経て仕事復帰をするには、心身ともに健康を維持することはもちろん、1人1人の子どもと向き合うための体力づくりは欠かせません。健康面で気になることがあるなら前もって検診を受ける、不規則な生活リズムになっているなら規則正しい生活を心がけるなど、できることから始めていき、保育士として再スタートを切る準備をしましょう。 「保育所保育指針」を再確認する
保育所が担う役割などがまとめられた保育の基本原則として、厚生労働省が告示する「保育所保育指針」は、保育士であれば必ず念頭に入れておかなければいけません。なぜなら、保育の核となる一定の水準はこの保育所保育指針によって統一されているため、その基準に則って保育を実施していくからです。最近では、平成20年度の改定から10年ぶりとなる改定もあり、以前と内容も大きく変わっているため、より再確認することの意味は大きいといえます。平成30年に行われた改定では、幼児教育の重要性に着目し、3歳未満の子どもの保育内容が改められたり、保育所を幼児教育を行う役割を持つ施設と位置づけたりするなどといった内容が盛り込まれています
。子どもの安全と健康を確保しながら、子どもの発達過程に応じて保育を実施するうえで、この保育所保育指針は切っても切り離せない最も重要な基準ですから、保育士として仕事復帰を考えるならぜひ目を通しておきましょう。※改定後の保育所保育指針は厚生労働省の保育所保育士指針解説から確認ができます。 新制度「子ども子育て支援新制度」を確認
ブランクありの保育士が復職前に確認すべき事項として保育所保育指針を挙げましたが、もうひとつ確認すべき事項があります。それは、平成27年に制定された「子ども子育て支援新制度」です。「子ども子育て支援新制度」とは、平成24年に成立した「子ども・子育て支援法」、「認定こども園法の一部改正」、「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の子ども・子育て関連3法に基づく制度
となっており、待機児童解消の受け皿の拡充や子育て支援の選択肢を増やすというもの。具体例としては、保育園や幼稚園などにおける職員配置の改善や処遇改善、また認定こども園の普及や地域型保育の充実
などがあり、社会全体で子どもの成長を支援するといった内容になっています。多様化する子育て環境に応じて子育て支援の内容も変化しているため、保育士に求められる役割や姿も昔と比べて大きく様変わりしています。保育士として復帰する際に新たな制度に基づく保育内容についていけるようにするためにも、この新制度をきちんと理解しておく必要があるでしょう。なお、内閣府ホームページの「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK(平成28年4月改訂版)」にて、子ども子育て支援新制度について分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。 自治体が開催する「潜在保育士研修」に参加する
保育士として復職するにあたり、「数年前と今とでは保育士の働き方が大きく変わっているのではないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。今の保育士のあり方や、子どもとの接し方、また保育園での一日の流れなど、しばらく保育の現場から離されていた保育士にとって、最近の保育士事情は分からないことばかり。そこでぜひ再就職を前に検討してほしいのが、自治体が開催する「潜在保育士研修」への参加です。この「潜在保育士研修」は、ブランクがある保育士向けに復職への不安の解消と、近年の保育現場の課題への理解を深めることを目的
として開催されているため、現場復帰へつながる第一歩となります。自治体によって研修内容は変わりますが、基本的にはブランクからくる不安を期待に変えて前向きに再就職へと進むための後押しになる内容となりますので、お住まいの地域に合わせて自治体のホームページなどから確認してみてください。参考までに、東京都が開催している「保育士就職支援セミナー」の内容を例としてご紹介します。<東京都が行う令和2年度 保育士就職支援セミナーの概要>
■講義内容(例) (1)保育制度と保育内容
(2)子どもの発達と保育
(3)子どもの食と栄養
(4)乳幼児を引き付ける遊びの技術
(5)家庭支援・保護者とのコミュニケーション
(6)危機管理と事故防止
(7)就職活動について
■実習内容(例)
(1) オリエンテーション、園内説明、実習報告書の記入
(2) 保育実習(調乳、授乳、おむつ交換、食事介助、遊び、読み聞かせ、保護者とのコミュニケーション)、実習報告書の記入
(3) 保育実習(連絡帳記入、先輩職員の体験談、清掃)実習報告書の作成
ブランクを活かした志望動機の書き方&例文
ブランクありの保育士が復職するにあたって準備・確認しておくべきことを理解したうえで、次にご紹介するのはブランクを活かした志望動機の書き方と参考にしたい例文です。
よく、ブランクがある保育士の志望動機の悩みとして、「保育の仕事から離れていた事実を伝えることでマイナスなイメージになるかも」といった声があります。
しかし、ここで大事なのは「あえてブランクがあることを隠さない」ことであり、ブランクを経てどのような心境の変化が起きたのかを前向きに伝えることが、志望動機作成のポイントになります。
では、具体的にそれぞれの離職理由ごとに志望動機の書き方と例文をみていきましょう。
1.子育てをしていたケース
出産や子育てを機にしばらく保育の現場から離れていた場合、仕事復帰のタイミングが小学校や中学校に入ってからなど、ある程度ブランク期間が長くなりがちです。
ブランク期間が長ければ長いほどネックになるのでは...と心配になってしまう方もいるかもしれませんが、保育士という子どもと接する職業において、育児経験はむしろ強みでもあります。
そのため、子育てをしていたケースの志望動機で大事なのは、「育児を通して学んだことをどのように保育の現場で活かしたいのか」という内容を盛り込むことです。
また、育児が落ち着いたタイミングで保育士として一から頑張っていきたいという前向きな気持ちを素直に伝えることも、好印象となるコツとして覚えておきましょう。
■例文
出産・子育てにより5年間経験を積んできた保育の現場から離れていましたが、子育てが落ち着いてきたため、また保育士として活躍したいと思い志望いたしました。保育士としてのブランク期間は6年ありますが、子育てでは保育士経験を活かして製作や手遊び、外遊びを積極的に取り入れるなど、乳児期や幼児期の成長にとって大事なことを考えながら奮闘してきました。保育士として復帰した際には、この経験を活かし、明るく元気に子どもと接することができる保育士を目指して頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
2.他業種で働いていたケース
一度保育士として働いていたものの、事務職や接客業といった他業種への就職経験がある場合、志望動機で大事なポイントは「なぜまた保育士として働きたいと思ったのか」という気持ちの変化を伝えることです。
保育士から別の職種へ変わるきっかけとなった理由は人それぞれですが、転職してもなお“保育士という職業が好き”、“保育士の仕事がやっぱり自分には合っている”などといった思いは、ブランクがあっても採用したくなる魅力に変わります。
また、前職で身につけたスキルなどが保育の仕事で活かせるようであれば、積極的に志望動機に絡めてアピールすることもポイントです。
■例文
保育士として一度就職しましたが、約3年間ほど保育の現場から離れ、接客の仕事に就いていました。接客では子ども服の販売スタッフとして働いており、保育士を辞めたあとも子どもと接する機会は多くありました。販売の仕事は大変やりがいがありましたが、仕事を通して改めて保育士として子どもと接することの楽しさややりがいを思い出す瞬間は多く、次第にまた保育士として働きたいという思いが強くなりました。そのため、また一から保育士として頑張っていきたいと思い、貴園を志望いたしました。3年間のブランク期間はありますが、接客で培ったコミュニケーション力を保護者の方とのやり取りなどに活かしながら、早く感覚を掴んで即戦力となれる人材になりたいと思います。
3.病気やケガで働いていなかったケース
保育士として経験を積んでいくなかで、思わぬケガや心身の不調などよって退職を余儀なくされたケースもあることでしょう。
そのようなブランク期間を経てまた保育士として復帰する場合、志望動機で大事なポイントは「病気やケガがきちんと完治して現在は健康な状態であること」をベースに、保育士として復帰した際に目指していきたい目標や保育士像などを盛り込むことです。
保育士の仕事は体力勝負という部分も少なくないため、また保育士として働くにあたり支障がないことはしっかりと伝えておきましょう。
そのうえで、保育士として経験してきたなかで活かしたいこと、これから身につけていきたいことなど、前向きな姿勢をアピールするとよいでしょう。
■例文
大学卒業後から保育士として7年間働いてきましたが、2年前に病気が見つかり、治療に専念するため退職しました。病気の治療とその後の自宅療養により2年間保育の仕事から遠ざかっていましたが、現在は病気も完治し体力も戻ったため、また保育の仕事に戻りたいと思い志望いたしました。2年間のブランクはありますが、保育士としての役割や園の方針を理解しながら、早く保育の現場に慣れていけるよう取り組んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
4.家族の介護をしていたケース
一定期間ブランクがある保育士のなかには、両親や祖父母の介護が理由で離職せざるを得なかった方もいるはずです。
このような場合、志望動機で大事なポイントは「家族の介護によってブランクがあることを正直に伝えること」であり、そのうえで保育士という職への熱意ややる気、介護を通して社会貢献できることなどを盛り込むことです。
介護と保育はかけ離れているようで体力仕事であることや排泄や食事の介助といった共通部分も多くありますから、それをどのように保育士として復帰した際に活かすことができるかを考えてみるのもよいかもしれません。
■例文
公立の保育園にて5年ほど保育士をしていましたが、家族の介護のためしばらく保育の仕事から離れていました。現在は、ようやく介護が落ち着き働く時間を確保することができたため、また以前のように保育士として子どもの成長を見守りたいと考えています。昔から元気が取柄でしたが、介護を通してより健康管理の大切さを学び、それらを食育や日々の保育にも取り入れて、子どもの健やかな健康づくりに活かしていきたいです。保育士としてのブランクはありますが、子ども一人一人に寄り添えるような明るく元気な保育士を目指して頑張っていきたいです。
ブランクがあっても働きやすい保育園とは?
ブランクがある保育士にとって、安心して仕事復帰をするには『働きやすい環境であること』は欠かせない条件のひとつでしょう。
しかし、最近は保育園といってもさまざまな形態の保育園があり、また保育士を募集している施設も多いことから、「どの保育園が自分に合っているか分からない」と悩まれる方も少なくないはずです。
そこで、以下ではブランクがあっても働きやすいといえる「保育園選びの判断基準」についてご紹介していきます。
現在、復職先選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
園内や保育の様子を見学できる保育園
ブランクが長ければ長いほど、求人募集の要項だけを見て“保育園で自分が働くイメージ”を膨らませるのはなかなか難しいことです。そこで、入職後に「想像していたような保育園ではなかった」といったミスマッチをなくすためには、園内見学ができる保育園かどうかということを保育園選びの基準にしてみるのがよいでしょう。保育園の園内見学では、「ここで自分が働いたら…」という視点のもと、普段行われている保育の様子やその園で働く保育士や園長などの雰囲気を掴むことができる
ため、入職後のイメージがしやすくなります。また、園児がいきいきと活動している、保育士同士の連携がとれていて明るい、自身と世代の近い保育士がいる、などといった点にも注意してみることで、“働きやすそうな保育園かどうか”を見極めやすくもなります。園内見学ができる保育士求人を探す 潜在保育士の復帰を支援している保育園
保育の現場から長いこと離れていて仕事復帰に懸念がある方は、潜在保育士の復帰支援を行っている保育園での就業を視野に入れてみるのもよいでしょう。自治体によって行われている「潜在保育士職場復帰支援プログラム」のひとつとして、ブランクがある保育士の不安を解消するために、保育園の臨時職員として雇用する取り組みがあります。このような取り組みに賛同し、民間企業の保育園などでも独自に潜在保育士の復帰に対してさまざまな支援を行っているところは増えています。支援内容の例としては、ママ保育士のこどもを優先的に預かる、週休3日制を導入し選択できるようにする、事務的な作業は本部でサポート
する、などといった取り組みがあり、どれもブランクがある保育士にとっては嬉しい内容となっています。このような取り組みを実施している保育園は、ブランクがある保育士に対する理解が大きいため、復帰先の保育園としては非常に安心感があるといえます。ブランク歓迎の保育士求人を探す パートタイム・アルバイトで働ける保育園
保育士として復帰したいと思ってはいるものの、いきなり正社員として働けるかどうか不安と感じる方も多いはず。そのような場合、あえて無理をして正社員雇用にこだわらず、はじめはパートタイムやアルバイトとして働ける保育園を探すのもひとつです。保育園におけるパート・アルバイト雇用のほとんどは、主な仕事内容が担任保育士の補助業務が中心
となるため、ブランクがある保育士にとっては小さなことから覚えていけるというメリットがあり、安心感があります。また、週1日から勤務相談が可能、早朝保育や夕方からの保育のみといった短時間勤務もOKとしている保育園も多いため、少しずつ保育士としてのリズムを取り戻しながら働くこともできます。のちのち感覚を取り戻して正社員として働きたいと考えているなら、パートやアルバイトから正社員へと切り替えることができる「正社員登用制度」を取り入れている保育園を選べば、保育士としてよりステップアップすることも可能です。パート・アルバイトの保育士求人を探す 子供の数に対して保育士の人数が多い保育園
国が定める保育士の配置基準※では、■0歳児:子ども3人に対して保育士1人
■1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
■3歳児:子ども20人に対し保育士1人
■4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人
※厚生労働省 児童福祉施設最低基準P3このように、預かる子どもの年齢と人数に対して保育士の数が決められています。しかし、実際にこの基準通りに子どもを見るのは、ブランクがある保育士にとってはとても大変で、ベテラン保育士でさえ目が行き届かないこともあるのが現実です。そこで、ブランクがある保育士が目をつけるべきなのは、保育士の配置基準よりも多く保育士を配置している保育園です。保育士数を基準よりも多く常時配置することで、ゆとりある保育の実施へ繋げられるのはもちろんのこと、一人の保育士が担う負担も軽減されるため、持ち帰り仕事や残業も少なめ
な傾向にあり、働きやすい環境となっています。 小規模保育所
「1人1人の子どもにしっかり向き合いたい」「ブランク明けで一度にたくさんの子どもをみる自信がない」という方は、小人数制で保育を行う小規模保育所もぜひ視野に入れてみてください。小規模保育所とは、平成27年度に新設された「子ども・子育て支援新制度」によって市町村の認可事業(地域型保育事業)に位置づけられた保育施設で、3歳未満の乳幼児の保育に重点をおいた保育所として、預かる子どもの定員数は6人以上19人以下
と定められています。このような小規模保育所の大きな特徴は、■預かる子どもの数が少ないため1人1人の子どもに保育士の目が行き届きやすい
■アットホームで家庭的な雰囲気のなかで手厚い保育が実施できる
■保育士の人数が少ないため保育士同士の連携がとりやすい
という点です。また、園児の人数が少ないことから年間スケジュールが予定でぎっしりということも少なく、保育の内容もその園独自に柔軟に対応していることが大半なため、保育士が担う業務量も比較的少なめな傾向にあります。そのため、規模の大きな保育園で働くことに不安がある方や、手厚い保育が行いたいと考える方にとっては、非常に働きすい環境であるといえます。小規模保育所の保育士求人を探す 事業所内保育所
小規模保育所と同じく、近年の保育ニーズを受けて新しい位置づけとして設定された事業所内保育所もまた、ブランクがある保育士にとっては働きやすい環境となっています。事業所内保育所とは、地域型保育事業のひとつとして母体となる企業に勤める従業員の子どもに加え、自治体の認可を受けて地域住民の保育を必要とする子どもを預かり保育を行う認可保育所で、定員数によって以下のように位置づけられています。■定員20人以上の場合…保育所型事業所内保育事業
■定員19人以下の場合…小規模型事業所内保育事業
事業所内保育所の預かり基準は0~2歳までで、ほとんどの施設が小人数制となっており、1人1人の園児に対してきめ細やかな保育が行えるという点が特徴です。また、大型保育園と比べて比較的行事が少なく保育業務に集中できる環境となっており、持ち帰り仕事も少なめです。基本的に保育士の勤務時間はシフト制となることが大半ですが、事業所の営業時間によっては土日祝休みとなるケースもあり、無理なく仕事復帰をするうえで働きやすい条件が揃っているといえるでしょう。事業所内保育所の保育士求人を探す