現役の保育士としてバリバリ働いてきたけれど、結婚や出産を機に現役保育士を引退。次第にある程度落ち着きを見せてきたけれど、当時の頃のように正社員で復帰するには体力的にも精神的にも自信がない、とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな元保育士におすすめなのが『ベビーシッター』という仕事。
具体的にどんな仕事をするのでしょうか?保育士の資格だけで働けるものなのでしょうか?
今回、ベビーシッターの仕事や魅力についてわかりやすく解説してみました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ベビーシッターとは?
ベビーシッターとは、依頼者の自宅や民間の施設に出向き保護者に変わって子どもの世話をする仕事です。0歳~12歳までの子どもが対象となり、年齢に合わせた援助を行います。
例えば、子どもと遊んだり、食事や排せつなど身の回りのサポートをしたり、ほかにも習い事の送迎や宿題のサポートなどもベビーシッターの仕事です。
パートや派遣社員として働けて、1日1時間から勤務ができるということから家庭と両立を目指す保育士が多く活躍しています。また、依頼者側にもメリットがありベビーシッターを利用すると国や自治体から補助金を支給されるケースがあります。そのため、ベビーシッターを求める家庭も多く年々注目される職種となってきました。
保育士とベビーシッターの違い
保育士とベビーシッターはどちらも子どもを預かる仕事ですが、具体的にどのような違いがあるでしょうか?簡単な表にしてまとめてみました。
保育士は基本的に、保育施設にて子どもたちを預かります。さまざまな施設形態があるなかで約5人~30人規模あるクラスを複数の保育士が担当し保育を行います。また保育士として働くためには、国家資格である保育士資格を取得しなければなりません。一方で、ベビーシッターは依頼者の自宅に出向き、1~3人と少人数の子どもたちを1人で保育します。保育士とは異なり、基本的に1人で活動するため保育士同士の連携プレイが苦手だという方にはぴったりの仕事ですね。また、ベビーシッターは資格が無くても働くことは可能です。資格を持っていないけれど、保育に関わる仕事がしたいとお考えの方はぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
ベビーシッターの仕事について知ろう!
1対1で子どもたちに寄り添えるベビーシッターの仕事。保育士とはまた違った魅力たっぷりな仕事ですが、そもそもベビーシッターとはどういったことをするのでしょうか?
おもな仕事場所
基本的には、シッターの自宅や依頼主の家で子どもたちを預かります。数日前に依頼を受け、希望する日時に指定の場所に向かうこともあれば、依頼者の要望により外出先にて一時的に子どもを預かることもありますよ。
仕事内容
当日、依頼者宅に訪問し帰宅時間や伝達事項の確認をします。依頼者が外出した後は、要望に合わせて室内遊び、着替えや食事のサポート、外遊びや散歩などを行います。そのほか、子どもの年齢によって仕事内容は変化します。【年齢別の保育】
・0~1歳児:おむつ替え、ミルクや離乳食の提供、お昼寝の寝かしつけ・2~5歳児:トイレや歯磨きなどその時期に行っているトレーニング・小学生:宿題をサポートしたり英語やピアノなどの習い事を教える など全国的な割合としては、おもに0~4歳を預かることが多い傾向にあります。しかしながら、各家庭によっては2~3人と複数の子どもたちを預からなければなりません。0~4歳、1~10歳といったように子どもの年齢に差がある場合がりますので、ベビーシッターは一人ひとりの年齢に合わせて柔軟に対応していきましょう。ほかにも、事業所によっては家事代行サービスを行うところもあります。依頼者の要望に応じて、部屋の片づけや掃除、洗濯ものを干す・たたむ、食器の片づけなどを行いますよ。 必要な資格
保育士は保育士資格が必要となりますが、ベビーシッターは無資格でも勤務することができます。しかし、子どもたちの安全に配慮するといった観点から資格を求められる場合があります。実際、保育士資格もしくは幼稚園教諭免許などを必須条件に揚げている求人も少なくありません。また、そのほかにもベビーシッターには二つの民間資格があります。・認定ベビーシッター
・ベビーシッター資格
この二つの資格にはどのような違いがあるのでしょうか。 ■認定ベビーシッター
認定ベビーシッターとは、公益社団法人「全国保育サービス協会」が認定する資格。ベビーシッター資格よりも難易度は上がりますがその点知名度高いことから、より有利に就職が可能となります。
ベビーシッターに関する基本的な業務のやり方や保育に関する知識、専門的な技術を身につけることで資格を得られます。資格を取得するには、“全国保育サービス協会が実施する研修を受講し認定試験を受ける”または“協会が指定する保育士養成学校にて必要科目を修了し卒業する”といった二つの方法があります。
比較的、養成学校に通う方よりも研修を受ける方の方が多くいらっしゃいます。
もし研修をご希望の方は、開催される地域が限定されていますので、全国保育サービス協会のホームページで一度確認してみてくださいね。
■ベビーシッター資格
ベビーシッター資格とは、一般社団法人 日本能力開発推進協会(JRDP)が付与する民間資格です。
子育てに関する基礎知識や年齢別の育児ポイント、家族とのコミュニケーション力、障がい児保育など専門的知識と技術を身につけることで資格を得られます。認定ベビーシッター資格と大きく違うポイントは、こちらの資格では実務経験が無くても資格を取得することができるということ。
協会指定の認定教育機関が行っている通信教育を受講し、すべてのカリキュラムを修了することが必要です。受講料はやや高くなってしまいますが、通信で講座を受講することが可能で、好きな時間に勉強ができるといったことから働きながら資格取得を目指す方におすすめです。
また資格試験は自宅で受けることができるので、地域問わず資格試験を受けられますよ。
給料と待遇
ベビーシッターはパートやアルバイトとして働くケースが多く、1日1時間からと短時間の勤務も可能です。資格や経験によって多少異なりますが、時給は1,000円~1,400円が相場となっており、さらに時間帯や預かる子どもの人数、保育以外のオプションサービスなどがあれば割増しになることがあるようです。
ベビーシッターの魅力
資格や待遇とベビーシッターについていろいろと解説してきましたが、なにより感じる魅力は以下のとおりです。・ゆとりのあるマンツーマン保育が出来る
・自分のしたい保育ができる
集団生活をすることでさまざまな視点から子どもたちの成長を促すことを目的とする保育園に比べて、一人ひとりにじっくりと向きあえるということはベビーシッターの最大の魅力。余裕のある対応ができるだけでなく、子どもたちにとってもより高い安心感や満足感を与えられます。また、保育園で働くと園の方針に従い保育をすることになりますが、ベビーシッターの場合は、自分の保育観でのびのびと保育することができます。各家庭のルールなどがあれば確認し、その範囲の中で自分のやりたい保育を実現できるのです。 ベビーシッターとして働く際の注意点
魅力いっぱいのベビーシッターですが、実際に保育を行う際に注意しなければならないことがあります。例えば、・お着換えや掃除用具の場所を確認する
・依頼者のニーズに応えるということ
です。保育園ではいつも決まった場所にある清掃道具が、ベビーシッターでは依頼者の自宅によって異なってきます。当日、慌てて探してしまわないように、事前にどこに何があるかを保護者に確認しておきましょう。あらかじめ、わかりやすい場所に用意していただくと安心ですね。また、ベビーシッターの大きな特徴は依頼者の求めるものに応えるということです。担当するベビーシッターは、依頼者が希望する日時、仕事内容に柔軟に対応していかなければなりません。あくまでサービス業ですから、依頼者の要望に沿って働くことを忘れないでください。たとえ自身の判断で動くことが要求される瞬間があったとしても、自分勝手な行動は控えましょう。 保育士の資格を活かしてベビーシッターを目指そう!
子どもたち一人ひとりに寄り添い、ゆとりある保育が行えるベビーシッターの仕事。集団保育ではなく個別保育になることでより質の高い保育が行えますし、さらにシッター自身でシフトを組み立てることができるといったことから、これを機にベビーシッターとして仕事復帰される方も多くいらっしゃいます。
また、待機児童問題の深刻化にともない保育施設に預けられない方のために、家庭内保育が求められる時代になるのではないかと予想されます。その結果、ベビーシッターの需要もますます高くなることでしょう。
ベビーシッターとして働くうえで保育士資格は転職活動に有利となります。現役復帰にお悩みの方は、ぜひ保育士資格を活かして第二の保育人生を歩まれてみてはいかがでしょうか。