病棟保育士や医療保育士とは、入院中の子どもへの保育を行う保育士のことです。なり方や仕事内容、必要な資格など一般の保育士と異なる部分はあるのでしょうか。病院内保育士や病児保育士との違い、やりがいについても紹介するので働き方をイメージしてみましょう。
病棟保育士とは
「病棟保育士」とは病院などで働く保育士のことです。病院に入院している子どもの患者への遊びなどを提供する役割があります。
医療機関によっては病棟保育士を「医療保育士」と呼ぶこともあり、病棟保育士と医療保育士の仕事の内容などに大きな違いはありません。
病棟保育士の仕事内容は?
病棟保育士の仕事内容は普通の保育士と同じ部分と違う部分があります。病棟保育士の仕事内容は保育士と同じく、絵本の読み聞かせや室内遊びなど子どもに遊ぶを提供することが挙げられます。子どもの保護者との連携や支援も欠かせず、心身のケアを行う点は保育士と同じです。
通常の保育士と大きく違うのは、カルテから情報を得たり医師や看護師と連携するための医療知識が必要な点です。直接医療行為を行うことは無いですが、病棟保育士は子どもの症状や病状に合わせた遊びや支援の提案が必要なためです。
遊びや心身のケアを行う点は通常の保育士と同じではありますが、病状などから子どもに合った保育を提供するには医療知識が不可欠です。
病院内保育士や病児保育士との違いは?
病棟保育士と似た職種で「病院内保育士」と「病児保育士(びょうじほいくし)」があり、保育対象が異なります。
「病棟保育士」は病院に入院中の「患者である子ども」への保育を行います。
「病院内保育士」は病院職員の子どものための保育士のことで、「健康な子ども」への保育を行い「院内保育士」と呼ばれることもあります。
「病児保育士」は「感染症などで保育園へ預けられない子ども」を一時的に預かって保育を行います。
病棟保育士の給料や休みについて
働く上で確認したいのが福利厚生についてです。
病棟保育士は病院等の医療機関に勤務します。病院で働いている看護師のほとんどが女性であるため、産休や育休制度が取りやすいなど福利厚生がしっかりしている傾向にあります。
では給料の高さや休みの取りやすさは、通常の保育士と病棟保育士とではどのような違いがあるのでしょうか。
病棟保育士の給料
病棟保育士の給料は病院によって異なります。一般的な保育施設に比べてやや高めところからあまり変わらないところまで様々です。
1つの医療施設につき病棟保育士の定員は少なく医療知識も必要となることから、給料面の待遇を重視せず経験を積む目的での職場探しをしている方におすすめです。
病棟保育士の働く時間や休暇
病棟保育士は日中の保育のみに従事します。運動会などのイベントが少ないので、準備に追われて残業をすることも少ないです。
病院によっては週ごとの固定休みを設定しているところもあり、決まった時間に出勤できるところが多いです。
病棟保育士のやりがいって?向いている人はこんな人
病棟保育士は病院の特殊な環境で慣れない子どもの心のケアを行う需要の高い仕事です。小規模であることが多いため一人ひとりの子どもとしっかり向き合えます。
入院によって家族と離れて過ごすことは子どもにとって不安なもの。入院中の子どもの笑顔を引き出せた時、子どもが退院した時は他に変えがたい感動とやりがいに繋がるはずです
病棟保育士になるには?必要な資格や大学に行くべきかどうか
基本的には保育士資格があれば病棟保育士になることができます。特別に大学に行く必要はありませんが、専門知識を身につけられる大学に行くのも1つの手です。
「医療保育専門士」の資格があれば採用に有利です。ただこの資格の有無にかかわらず、病棟保育士になれば求められるスキルや医療知識は高いため日々勉強が必要になります。
医療保育専門士とは
先ほど紹介した「医療保育専門士」に認定されるためには一定の経験が必要となります。応募資格は「保育資格を有すること」「病院や病児保育などの施設で一定の保育経験があること」「日本医療保育学会会員の会員歴が1年以上あること」の3つです。
病院などの医療現場を中心に活躍したい、病棟保育士としてスキルアップを目指したいという方におすすめの資格です。
(※"一般財団法人日本医療保育学会公式HP"参照)
病棟保育士の求人の探し方
病棟保育士の求人や募集は定員数が限られています。新しい施設の開設による募集や空きが出た場合の募集となるので、病棟保育士を目指す人は求人情報を常にチェックしましょう。
専門的な知識や経験が求められる狭き門なので、希望条件の求人出るまで医療関係の勉強をして知識を深めましょう。
病棟保育士は大変でも魅力であふれている
病棟保育士や医療保育士は、病院の子ども患者への保育を行う保育士のこと。心身共に手厚いケアや知識が必要されるため、就職した後も勉強が欠かせません。
なり方や仕事内容、魅力ややりがいを整理し、働き方をイメージしながら病棟保育士を目指しましょう。